「安心・安全」をつくる警備は“人とのつながり”から!|佐賀を守る富士警備保障・警備のエキスパートに聞くその社会的価値とは?
「スポーツと佐賀」特集では、佐賀県のスポーツを活用した地域活性化や経済発展の取り組みを紹介。SAGAアリーナの開業やプロスポーツチームの成長、地元企業の支援など、スポーツがもたらす影響を多角的に発信しています。
「スポーツは未来の夢、私たちは生活の守り」と小原社長が話す富士警備保障株式会社は、Bリーグ・佐賀バルーナーズのパートナーとして支えながら、佐賀2024年国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会の警備も担いました。
そんな富士警備保障の警備部門の責任者である畦地崇さん(以下、畦地)に、“警備の仕事”について伺います。「信頼関係が大切」と話す畦地さんのお話から、私たちの“安心”についても考えてみます。
頼られることでイメージが変わった|“警備の仕事”とは?
ーー畦地さんが最初に考えていた警備へのイメージを教えてください。
畦地)私は平成9年に知人の紹介で富士警備保障に入社したのですが、入社前は“警備の仕事”というものをまったく知らず、「道路に立っている人」というイメージしかありませんでした。学生時代にアルバイトに行った友人から話を聞くくらいで、正直あまりよいイメージはなく、入社当初は“地元で警備の制服を着て立つ”ということに恥ずかしさを感じていました。本当に警備員とは名ばかりの状態だったと思います(笑)。
それでも、入社後に勉強したり人と関わったりするうちに、非常に大事な仕事ということを感じるようになっていきました。
ーーそうしたネガティブな想いが変わったのは、どのようなことがきっかけだったのでしょうか。
畦地)どこにいても“頼りにされる”と実感できたことが大きかったと思います。入社当初に担当した現金輸送の仕事は、お客様の大事なものを扱い、時間もきっちり守ります。最初は“制服を着ていただけ”だったかもしれませんが、お客様からの信頼・期待を感じると、やはりやりがいを感じるようになりますよね。
その後のさまざまな場所での警備業務も、制服を着て立っているということは、まわりの皆さんから頼りにされる大事な仕事だという自覚も芽生え、全体を知っていなければならないという責任感も持ちながら取り組みましたが、本当にそうしたものはお客さんから学ばせていただいたと思います。
警備の仕事とは?4つの主な種類を紹介
ここで警備の仕事について簡単にご紹介。警備の仕事は、その仕事内容によって1号〜4号に分類されています。
①1号警備 “施設・機械を守る”
オフィスビルや学校、病院、百貨店などの施設で、盗難や火災などの発生を警戒・防止する警備業務のこと。この中に、富士警備保障が多くの案件を請け負っている『機械警備』もあります。
2号警備 “大勢の人や車両を守る”
交通誘導警備や雑踏警備を総称した警備業務の区分で、人や車両の安全を守るために事故を防止する業務のこと。スポーツイベントの警備もこの2号警備の中に当てはまります。
3号警備 “現金や大切なモノを守る”
現金や貴金属、美術品、核燃料物質などの運搬を警備する業務のこと。
4号警備 “人を守る”
危険人物や災害、事故などから対象者を守る業務のこと。“身辺警護”とも言います。
警備業で大切なことは信頼関係
ーー警備する対象によって変わるとは思いますが、警備業として共通する大切なことには、どんなものがあるのでしょうか。
畦地)“信頼関係”です。まずはお客さんに私たち富士警備保障に自身の大切なものを守ってほしいと思っていただくための信頼関係。警備会社は全国に数多くある中で、選んでいただくためには私たちの会社や人に「安全・安心」を感じていただけるかが大事です。
信頼関係に加え、実際の警備業務で「安全・安心」を守っていくことも大切です。例えば施設警備では、その施設の中の人の“安心”を作らなければなりません。1号警備では、この人や車、モノは施設に入る資格があるのかなど、間違いのないように確認することがとても大事になったり、現金輸送では「佐賀県で強盗が多くない」と言っても、いつあるかわからないし、常に緊張感があることが大事ですよね。
スポーツイベントでも、選手やお客さんに“安心”を作ることが重要です。安心して試合をしていただくことはもちろん大事ですし、お客様が盛り上がり、喜怒哀楽を存分に表現するには“安心”は必要不可欠です。
ーーこれまでのお話でもいかに「安心・安全」を与えていくかということが共通点になっていますが、畦地さんの思う警備の仕事の社会的な意義はどのように考えられてますか。
畦地)会社や工場では、皆さんが休んでいるときに管理していくというようなところもありますし、イベントにおいては、皆さんが休日を楽しむ中で私たちは働いているので、社会的な意義は非常に大きいと思います。
つながりを育て、佐賀の未来を守る
ーー近年のお仕事で、時代や社会の変化に応じて変わった部分がありますか?
畦地)弊社だけではなく、警備業界全体で業務のデジタル化が進んでいます。「鍵をなくさないように」といった教育をする場面もデジタル化によって減ってきていたりするなど、デジタル化によってよりお客様の安心安全に繋がる体制になってきていると感じています。
ーー新たに警備業界で働く若い世代に期待することはありますか?
畦地)若い人は、マニュアルに対する覚えがとても早く、デジタル化が進む業界に対しても対応が早いと感じています。そうした部分を活かしつつ、警備業がサービスであることの自覚や周囲で起こるさまざまなできごとに対する“気づき”を磨いて、より新しい警備員像を作ってくれることを期待しています。
ーー警備のお仕事自体、この先どうなっていくと想像していますか?
畦地)今後、警備の仕事にもAIの波が来るのではないかと思っています。まだまだ“人”の存在が大事な警備業ですが、これから何年かかけてうまく交わっていくようになるでしょう。ただ、“人を育てること”が大事であることには変わりないと思っています。
実は、交通警備員の動きは特定された動きではなく、その現場に合わせた伝わり方を考慮した動きになっているんです。単純作業ではない、こうした“きめ細やかな気づき”は人だからこそできることだと思いますし、まだまだ警備業界全体として伸ばしていかなければならない部分だと思います。
ーー富士警備保障は「佐賀を守る」という想いが強くある会社ですが、畦地さん佐賀への想いをお聞かせください。
畦地)佐賀は小さいながら、近年は国スポ・障スポなども含めて目立つようになってきたのではないかと感じています。弊社は佐賀県内を中心に活動する警備会社ですが、さまざまな警備会社とともにオール佐賀で協力し合って佐賀の安心・安全を守っていきたいですね。
ーーありがとうございました。
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