奨学金の返還支援、保育士の働く環境改善、発達支援の医療体制、学校などに冷水器設置を、四日市市議会の一般質問で質疑
三重県の四日市市議会は12月11日、一般質問があり、四日市市で働いた場合は奨学金の返済を支援してはどうか、保育士の確保のために働く環境の改善を、子どもの発達支援のための体制づくりを進めてほしい、などのテーマについて質疑が交わされた。
市民目線の会の田中徹さん、無会派(日本共産党)の太田紀子さん、村上暁さん、公明党の山口智也さん、森智子さんの5人が質問に立った。
〇四日市に住めば奨学金の返済不要で若者定住を
田中さんは、給付と貸与の並行になっている市の奨学金について、大学など卒業後に四日市に住んで働いてくれたら返済が不要になるなどの支援策を取ってはどうかと提案した。若者の定住にもつながるとの発想で、愛知県豊川市の最大70万余の奨学金返還支援事業なども紹介した。市側は、企業などのヒアリングをしており、実施自治体で想定より申請が少なかった例や、すぐに退職してしまったなどの例もあり、効果について調べ、見極めたいなどと答弁した。田中さんは民生委員のなり手不足を取り上げ、PRを充実させたり、アプリなどの活用で負担を軽くしたりする方法を考えてほしいと求めた。
〇保育士の働く環境改善、国民健康保険料の減額
太田さんは、離職率が高いとされる保育士の人材確保のため、職場の事務仕事を軽減するなど環境改善に取り組むよう求めた。市は幼児教育センターでの研修など、ていねいな支援を行っていると答弁、アプリなどのICT化で事務作業の軽減に取り組んでいることも紹介した。太田さんは、仕事の間でも一定時間、子どもから離れる時間をつくる「ノーコンタクトタイム」の考え方を紹介し、四日市でも検討するよう求めた。
村上さんは国民健康保険は均等割の存在により、家族が増えると保険料が増える仕組みになっており、この負担額が大きすぎると見直しを求めた。市は、特別な事情があれば減免ができるが、画一的な減免は適切でなく、財源として、結局は加入世帯全体の保険料の値上げにつながってしまうなどと説明し、見直しが難しいと答弁した。
〇発達支援の医療提供体制構築、学校などに冷水器を
山口さんは、発達支援の医療が、津市の医療機関への通院を余儀なくされていて、四日市では受診できる体制が整っていないため、小児科医に三重県の講座を受けてもらうなどし、ネットワークの構築を進めてほしいとし、県との協議も求めた。山口さんは自治会のデジタル回覧板の検討を進めることも求めた。
森さんは、抹茶が菓子などに利用され、需要が高まっているとして、市の代表的な「かぶせ茶」とは製造工程が異なるため、支援を求めた。暑さ対策や、四日市市のおいしい水のPRのため、学校や公共施設に非接触型冷水器を設置してはどうかと提案した。全国の公共施設などに設置されている様子も紹介した。