『東島丹三郎は仮面ライダーになりたい』連載インタビュー第9回:ユカリス役・ファイルーズあいさん 後編|ユカリスには「自分を奮い立たせる強さ」がある。リスペクトと熱量が交差する、“妻ショッカー”の変化と成長
2025年10月4日(土)より放送中の『東島丹三郎は仮面ライダーになりたい』。
「仮面ライダーになりたかったから」 40歳になっても本気で「仮面ライダー」になろうとしていた男・東島丹三郎。その夢を諦めかけた時、世間を騒がす「偽ショッカー」強盗事件に巻き込まれてしまい……。『エアマスター』『ハチワンダイバー』の柴田ヨクサル先生の漫画を原作とする「仮面ライダー」を愛しすぎるオトナたちによる“本気の仮面ライダーごっこ”がここに開幕します!
アニメイトタイムズでは、各話放送後にキャスト陣へのインタビューをお届け! 第9回は、ユカリスを演じるファイルーズあいさんに第9話の物語を振り返っていただきました。
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【写真】『東島ライダー』ファイルーズあいインタビュー後編【連載第9回】
ユカリスと三葉の関係性
ーーユカリスの恋人である島村三葉の印象をお聞かせください。
ユカリス役・ファイルーズあいさん(以下、ファイルーズ):ユカリスくらいの年頃の女の子って、年上の男性に憧れる時期だと思うんです。でも、よく考えると「ユカリスって女子高生だよな……?」って(笑)。
ーー(笑)。三葉を演じる斉藤壮馬さんも全く同じことをおっしゃっていました。
ファイルーズ:ユカリスと同じくらいの年齢の時は「分かる。三葉格好良いよね」って素直に共感できたんですけど、今の自分はユカリスを娘みたいな目線で見てしまうというか……「大丈夫なの!?」と思ってしまいます。ただ、ユカリスと三葉の掛け合いはイチャイチャするシーンも多いんですけど、すごく楽しいんですよ。距離感が近いのに、不思議といやらしさがないんですよね。
三葉自身、ユカリスのことを女性として大切に思っているからこそ、“踏み越えてはいけない一線”をきちんと守っている。斉藤さんのお芝居から、そういう優しさをすごく感じました。
ーーそれによって、ユカリスと三葉の関係が自然に感じられるんですね。
ファイルーズ:もしギャグ顔以上のお芝居になっていたら、観ている側も心配な気持ちになってしまうと思うんです。斉藤さんのお芝居と、原作のセリフの絶妙な言葉選びによって、三葉に嫌悪感を持つことが全くないんですよ。そこが三葉が愛される所以でもあると思います。
「イーッ!」は本家へのリスペクトを持って演じたい
ーーユカリスは「ショッカーの戦闘員」ですが、ショッカーについてはどんな印象を持たれていますか?
ファイルーズ:平成ライダーは少しだけ観ていたんですけど、もちろんショッカーはあまり出てこないんですよね。それこそ「アメトーーク!」の「仮面ライダー大好き芸人」さんが出ている回を観て、「ショッカーってこういう存在なんだ」と参考になりました。ただ、甲高い声で「イーッ!」って叫ぶイメージはありました。
ーーユカリスにもそういったシーンがありますよね。お芝居としては、どのようなアプローチで演じられましたか?
ファイルーズ:完全にオリジナルを真似していました。そこは本家にリスペクトを持って、できるだけ雰囲気を寄せたいなと。そのうえで、ユカリスから外れないようにすることも意識しました。
ーーちなみに、平成ライダーはどの作品をご覧になっていたのでしょう?
ファイルーズ:『仮面ライダー電王』と『仮面ライダーオーズ/OOO』にすごくハマっていたんです。特に『オーズ』のアンクが大好きで……。
ーー格好良いですよね。
声優というお仕事の中で、特撮に関われる機会はすごく貴重だと思います。この作品に携わって、「こういう交わり方もあるんだ!」と知ることができたのは嬉しかったです。
岡田ユリコは「常に気高さを持ち続けているキャラクター」
ーー物語が進む中で、ユカリスはどんどん変化している印象があります。
ファイルーズ:敵意や嫉妬の出し方が変わっていますよね。
例えば、最初のファミレスのシーンでは、「店長、ぺちゃくちゃ喋らないでください」みたいに、かなりツンツンしていました。私自身は叫ぶ気満々で現場に入ったんですけど、「あれ? 思ってたより静かめ……?」と思ったのを覚えています(笑)。でも、その後はしっかり叫んでいたので、「ああ、この高低差が大事なんだな」と。ちょっとした洗礼のように感じました。
正体を明かした後のユカリスは遠慮なく自分を出していて、三葉の前でも大声を出したり、「嫌なものは嫌!」とバッサリ言ったりします。徐々に素のユカリスが出てくるところは、個人的にも好きなポイントです。
ーー第3話で、茅野愛衣さん演じる岡田ユリコに正体を明かすシーンは途轍もないインパクトでした。
ファイルーズ:私もすごく好きなシーンです! ちょっと官能的な雰囲気から入るというか、覗いていた浅野くんがドギマギしてしまうような空気を作らなければいけなくて、意識的に耽美な方向性のお芝居をしていました。
それを受けた愛衣さんも、すごく艶っぽい感じで返してくださって。その上で、あくまで教師の立場や気高さは保っているという。ユリコは常に気高さを持ち続けているキャラクターだと思っていて、愛衣さんの繊細なお芝居や意思の強さともリンクしている気がします。
ーーでは、特に好きなキャラクターを挙げるなら、ユリコになりますか?
ファイルーズ:いや〜難しい(笑)。でも……雲田かなあ。
ーー雲田ですか!
ファイルーズ:雲田、格好良いじゃないですか。もちろんユカリスやユリコも好きですけど、それぞれが別の“好き”という感じ。こんなに味付けの濃いキャラクターばかりだと、順位はつけられないです(笑)。
ーー一歩引いて行動するようなキャラクターは一人もいないですからね。
ファイルーズ:そうですね。この先も面白いキャラクターが出てくるので、楽しみにしていてください。
お前もショッカーにならないか?
ーー第9話ではユカリスと丹三郎の戦いが描かれました。
ファイルーズ:丹三郎の情けない姿が可愛いんですよね。戦いが始まる前はキリッとしていたのに、“本物”の変身が見られると分かった瞬間、恥もプライドも捨てて土下座しちゃって(笑)。欲望に対する愚直さが、本当に愛おしいです。
ファイルーズ:あと、丹三郎は前口上のくだりでユカリスがかわい子ぶるシーンを妨げるように「そんなの要らん!」と言うんですけど、すごく共感できます。純粋な“オタク心理”というか。特定の作品の話ではないのですが、私自身もオタクなので、セリフやローマ字の名前とか、立ち絵にデザインが入ったグッズを見て、「キャラの立ち絵だけでもいいのに!」と思うこともあります。
ーーむしろ丹三郎の方に共感していたのですね(笑)。東島丹三郎を演じる小西克幸さんのお芝居も凄まじいなと。
ファイルーズ:小西さんはどんなキャラクターも演じられる役者さんですが、丹三郎からは“丹三郎にしかない熱さ”を感じるんです。
小西さんの声だと分かっているはずなのに、隣で聞いていて「誰の声だろう?」と思うくらい、全然別の人に聞こえる瞬間があるんですよ。そういった器用さはもちろん、「丹三郎を演じるためなら、喉から血が出てもいい!」というほどの熱意も感じて……。そこに鈴村さん演じる一葉のパワーも加わる訳ですから、自分のApple Watchもそりゃ騒音警告を出しますよね(笑)。
ーー(笑)。ユカリス自身の今後の立ち位置も気になります。
ファイルーズ:個人的にいいなって思っているのは、ユカリスは「洗脳されてショッカーになった」という過去があるからこそ、怪人に強い畏怖の念を持っているんです。
今はまだ怯えていて、誰かの影に隠れてしまうことが多いんですけど、これからは「自分を奮い立たせる強さ」も描かれます。そこはぜひ注目していたいただきたいなと。気になる方は原作も読んでいただいて、アニメと一緒に楽しんでいただけると嬉しいです。
ーー最後に、これから作品を観る方へのメッセージをお願いします。
ファイルーズ:この作品に触れるまでは、昭和の「仮面ライダー」を知らないと楽しめないのかな?」って私自身も思ってたんです。
でも、実際は序盤からすごく楽しめるので、ビギナーの方でも大丈夫です! 仮面ライダーが好きな方はもちろん、全く知らない方でも分かりやすい作りになっています。
ぜひこちら側に入ってきてください――お前もショッカーにならないか?
[インタビュー/小川いなり]