釜石SW2勝目ならず GR東葛に26-63 前半善戦も後半力負け/小野航大主将は100キャップ達成
NTTジャパンラグビーリーグワン2部の日本製鉄釜石シーウェイブス(SW)は17日、釜石市の釜石鵜住居復興スタジアムでNECグリーンロケッツ東葛と対戦。26-63(前半19-28)で敗れた。3日に予定されていた第7節を雪の影響で延期した試合。前節に続くホーム戦勝利に期待がかかったが、2勝目はならなかった。1勝7敗勝ち点6で最下位。次の試合は24日。ホストゲームとしては初の会場となる盛岡市のいわぎんスタジアムで、レッドハリケーンズ大阪と対戦する。
試合途中から急な強風、しかも風向きが変わる難しいコンディションの中での試合。前半、釜石は向かい風の中、開幕戦以来のSO中村良真が20分までに3PGを決め、9-0とリード。敵陣でのプレーで優位な試合展開を見せた。その後、ディフェンスのギャップ(溝)を突かれるなどして東葛に2トライを奪われ9-14。東葛2本目のトライ直後の29分、釜石は敵陣22メートルライン付近で奪ったボールを丁寧につなぎ、最後はCTB畠中豪士がリーグワン初トライ。中村もきっちりゴールを決め16-14と逆転した。38分にも中村がPGを決めるも、東葛の追加2トライで19-28。9点差で前半を終えた。
後半は一層、風が強まり、風下の釜石は厳しい戦いに。前半、6反則をとられた東葛は修正して臨み、風上も味方に攻撃力をアップ。開始早々に日本代表で活躍した東葛主将のFBレメキロマノラヴァに独走トライを決められると、スピードと強度で終始、東葛ペースに押された。釜石はなかなか敵陣深くにボールを持ち込めず、苦しい時間が続いた。ロスタイムのラストプレーでゴール前の攻防からフランカー、ベンジャミン・ニーニーが飛び込んで1トライを返したが、後半5トライを決めた東葛に26-63で敗れた。
須田康夫ヘッドコーチ(HC)は相手のプレッシャーを止めきれなかった中での失点を悔やみつつも、「こだわってきた『ウィン・ザ・コリジョン(当たり勝つ)』は相手に対し自信を持てるようになってきた。結果を早く求めたいとは思うが、チームとしては少しずつ成長している」とシーズン終盤の成果を挙げた。レギュラーシーズン残り2試合と順位決定戦で「昨シーズンを超えるような成績を残せれば」と今後の試合を見据える。
WTB小野航大主将は「戦術にも影響を及ぼすレベルの風に対応できなかったところもあるが、接点一つ一つで相手にプレッシャーをかけられてしまい、ボールを継続できなかった。風下でもチームで意思統一し、アタックの仕方やボールの運び方をうまくできれば別な展開もあったかと思う」。次は初の盛岡での公式戦。「熱いゲームをして、岩手のラグビーチームとして応援していただけるよう、何とか勝つ姿をお見せしたい」と前を向いた。
小野主将はこの日、釜石SWでの公式戦出場100試合を達成。試合後、チームメイトらから祝福を受けた。「いろいろな人に支えられ今日までこられた。一つ一つの積み重ねが今日の100キャップにつながっている」と感謝。「節目ではあるが、引退するとかではない。これからもチームのパフォーマンスに影響できるような選手として、ゲームを積み重ねていければ」と意欲を示した。