【厚生労働省への緊急提言】国への要請とともに、県はJA新潟厚生連への財政支援案を検討
新潟県の花角英世知事
新潟県の花角英世知事は11月20日の定例会見で、前日の19日に「地域医療を担う医師の確保を目指す知事の会」の副会長として、厚生労働省への緊急提言活動を行ったことについて言及した。
今回の緊急提言活動は、公立病院などの経営が悪化していることから、医師不足の課題がある12の県の知事たちが国に対する要望をまとめ、財政支援の申し入れをしたもの。定例会見に参列した記者から、改めて新潟県含め他県を取り巻く医療の現状と国に期待したい支援についての質問があがった。
花角知事は、「知事の会として今回は3つに絞って緊急的な要請を行った。1つは、地域医療を支えている医療機関が厳しい経営状況にあることによる経営支援の依頼、残り2つは知事の会ができた当初からの課題である“医師が都市部に偏り地方で不足している問題”を解決するための偏在是正として、専攻医の募集定員の上限設定を厳格に実施するなどの対策。
また、自治体の取り組みとして新潟県では『地域枠』の設定に力を入れている。これらは非常に財政的な支出を伴うもので規模も大きいため、その点について国の特段の支援をお願いした」と説明した。
財政支援という側面では、県もJA新潟厚生連から支援を求められている。JA新潟厚生連の事業の状況を踏まえたうえで県は年内にも支援の案を示す方向だ。
記者からは、「考え方としてどこまでを公的なお金で支援する必要があるのか」という質問が投げかけられた。
JA新潟厚生連への財政支援において知事は、県立病院も厚生連の医療機関も地域の医療を支える事業であることに変わりはない認識だと示した上で「事業主体である厚生連がどのように事業を継続していくのか具体的にまとめてもらう必要があり、それが議論の大前提にある。具体的な方策がまとまらないことには県も自治体も国も、支援の具体的な話ができない。内容を見ながら支援のかたちを検討し、判断したい」と回答した。