夏の働き方、「出社したい派」が約半数に 物価高が影響「テレワークは光熱費がかかる」との声も
熱中症対策やクールビズなど、労働者を夏の暑さから守る動きが活発化している。パーソルキャリア(東京都港区)が運営する調査機関「Job総研」は6月23日、夏の働き方に関する調査を実施し、結果を発表した。調査の結果、回答者の85.7%が、夏の暑さは仕事のやる気に「影響する」と答えたことがわかった。
夏の理想の働き方、「出社したい派」が48.0%に
同調査では、今夏の働き方の理想と実態、今夏に出社またはテレワークを希望する理由、夏の暑さが仕事に及ぼす影響などを聞いた。
まず、今夏の出社予定を尋ねたところ、「出社派」が74.6%で過半数を占め、内訳は「出社のみ」が37.9%、「出社多め」が22.2%、「どちらかといえば出社多め」が14.5%となった。今夏出社予定の406人に今夏の出社は会社からの要請かを聞くと、「要請あり派」が77.6%で、「要請なし派」が22.4%となった。
夏の理想の働き方を聞いたところ、「出社したい派」が48.0%で、内訳は「断然出社したい」が14.2%、「出社したい」が13.6%、「どちらかといえば出社したい」が20.2%となった。
出社を希望すると回答した261人に、その理由を聞くと次のような回答が並んだ。
・涼しい環境が整っている 39.5%
・チームメンバーが出社する 31.0%
・在宅だと集中しにくい 26.8%
・テレワークは冷房費がかかる 22.2%
・上司からフィードバックを直接もらいたい 15.7%
テレワーク派の意見「外が暑いから」「通勤による疲労軽減」
テレワークを希望すると回答した283人にその理由を質問したところ、「外が暑いから」が67.8%で最多となり、次いで「通勤による疲労軽減」が60.4%、「移動による汗対策が面倒」が55.5%となった。
回答者全体の544人に職場の熱中症対策状況への印象を聞くと、「不十分だと思う派」が67.5%で多数派となり、内訳は「十分ではないが対策はしている」が45.4%、「対策はしているが不十分」は22.1%で、「十分な対策であると思う派」は32.5%だった。
冷房費など光熱費負担を懸念、オフィスが「コストを抑える生活拠点」へ
夏の暑さは仕事のやる気に影響するかを聞いたところ、「影響する派」が85.7%で大多数を占め、内訳は「とても影響する」が32.0%、「影響する」が28.7%、「どちらかといえば影響する」が25.0%となった。
また、自由回答では次のような意見が寄せられた。
・ほぼテレワークなので毎年夏の電気代が心配。今年は出社で電気代を浮かせようかと考えている。
・会社からの光熱費負担があればテレワークにするが、ないのでオフィスの冷房を頼りに出社する。
・暑さしのぎのために、水や冷房が使いたい放題の出社を選ぶ。通勤だけ我慢すれば快適が待っている。
こうした結果を踏まえて同社は、「テレワークは光熱費がかかる」など、物価高に対する意識の高まりが行動に影響しているとし、企業が提供するオフィス環境が単なる働く場所から、コストを抑える生活拠点へと変化を見せていると分析している。
「2025年 夏のはたらき方実態調査」は6月4〜11日にインターネット調査にて実施し、544人からの有効回答を得た。調査の詳細は公式リリースより確認できる。