最先端のがん治療「重粒子線治療施設」を見学!見て・知って・体感する医療の今【千葉市】
今や、早期発見なら9割が治癒するともいわれるがん。その治療の最先端をいく重粒子線施設が千葉市内にあり、見学ができると知り、参加してきました!
※国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構(略称QST)
深い病巣に届く「重粒子線」を知る
QST(千葉市稲毛区穴川4-9-1)は、放射線の一つ重粒子線によるがん治療の中核拠点です。
世界に先駆けて建設したサッカーコート大の「HIMAC」と呼ばれる重粒子線がん治療装置を使って、1994年から治療を開始。
治療実績を積み上げながら、一方で照射技術の高度化や施設の小型化の開発にも取り組み、現在は、この治療が全国7カ所で可能に。
さらに、QST内では今、バレーボールコート大の最新小型施設を開発中とのこと。
病巣前の正常な細胞にダメージが小さく、体の奥のがん病巣の位置で最大のエネルギーを放射する「重粒子線治療」(図1参照)。
体の奥に病巣があり従来の治療法では困難とされた難治がんに優れた効果を発揮し、短期間の治療や患者の体への負担軽減を可能にしました。
この30年で重粒子線治療を受けた全国4万人以上の患者の実績から、保険適用の範囲も着実に広がっているそうです。
百聞は一見にしかず見学で知ろう
見学では、ビデオで放射線治療の概要説明を受けた後、このHIMAC施設の一部に実際に入り、施術室からは想像できない裏側の、技術を集積した装置の壮大さを体感。
厚い防護壁や扉などから、放射線を扱う現場であることも実感できます。
さらに、もう一施設。認知症などの早期診断に役立つ「頭部専用PET装置」、原子力災害などに対処する「緊急被ばく医療施設」などの施設見学や、講義形式の研究紹介のいずれかを加えて、所要時間は約2時間。
QSTの放射線を巡る多岐にわたる活動も知ることができます。
見学会は、原則月・水曜日の週2回実施。
未来の研究者育成のため、今年から長期休暇には平日は参加が難しい学生が優先されるそうですが、誰でも一人から参加が可能です。
施設だけでなく、そこで働く職員と話せ、医療や研究に携わる人たちの熱意や思いも受け取れる見学でした。
施設見学・オンライン予約/https://esp01.dt-r.com/nirs/