評判の料理とワインのマリアージュが楽しめる。福岡で今もっとも注目すべきワインバー
2年ほど前「UMAGA」で紹介したワインバー「yosga」が、5月1日、今泉から白金に移転オープンしました。以前は古い雑居ビルの2階でカウンター7席のみでしたが、「手狭になりまして」と店主の藤田圭祐さん。今回は白金のオシャレなビルの1階にカウンター14席と、わずか2年で2倍のキャパになるとは、その人気ぶりがうかがい知れます。
前の店から居抜きで継承した店内は、オープンキッチンを挟んだ両側にハイカウンターとローカウンターがある少々変わった造り。「あくまでもワインバーなので、気軽に一杯という方はハイカウンター、ゆっくり食事が楽しみたいとう方はローカウンターのお席にご案内しています」とのこと。客にとってもシーンによって使い分けができるのは、うれしいポイントですね。
人気の秘密は、九州各県の産地、生産者から取り寄せる食材を使い、ワインに合わせて藤田さん自ら作る料理のクオリティの高さです。メニューに書かれたその日の食材によって即興で作ってくれるのが「おまかせ小皿」(3種1400円〜)で、写真は宮崎産の日向夏に鹿児島県鹿屋市のkotobukiチーズのモッツァレラを合わせたマリネ。よく冷えたスパークリングか白ワインを合わせれば、これ以上初夏にふさわしいスターターもありません。
2品目はアラカルトメニューから、大分佐伯産の「生しらすと葉ニンニク」(1800円)。仕上げに熱したピーナッツオイルをジュワッと掛けることで生臭さが消え、否が応でも食欲が湧いてきます。
そしてメインは「雲仙あか牛のステーキ」(100g3600円〜)に、珍しいスロバキア産のカベルネ・ソーヴィニヨンを合わせました。この日の部位は程よくサシが入った"リブ芯"(リブロースの芯)で、爽やかな風味の山椒醤油ソースと、赤ワインの果実味とのマッチングがたまりません!
さらにシメの麺類、デザートまで抜かりがありません。「海苔バターまぜ麺」(1200円)は、製麺屋慶史に特注した全粒粉の太麺に柳川・成清海苔店の有明海一番摘みを合わせた逸品。モッチリとした歯ごたえもさることながら、バターと海苔の香りがこれほど合うとは新しい発見でした。
デザートには、大牟田のグラスリーノアに特注した「ブルーチーズアイス」(700円)を。濃厚なブルーチーズがベースのアイスに、塩、蜂蜜、オリーブオイル、ブラックペッパーをかけて一口食べれば、「ワインを飲まずいられようか」となってしまいます。「はなからシメさせる気はないんですよ」と笑う藤田さんの術中に、まんまとハマってしまいました。
ワインは自然派が中心で、グラスは1000円から、ボトルは6600円からのラインナップ。毎日、泡・白・赤・ロゼなど10種類ほど抜栓されています。
料理はアラカルトが基本ですが、前日までに予約すれば全7品のコース(チャージ込4400円)も用意されています。ハイカウンターでサクッと1杯飲むも良し、ローカウンターでゆっくり料理とのマリアージュを楽しむも良し。思い思いの使い方ができる、今もっとも注目すべきワインバーの一軒です。
WINE BAR yosga(ヨスガ)
福岡市中央区白金1−10−15 Wine bar Yosga
18:00〜入店24:00(日曜は14:00〜入店20:00)