「好きな色」からその人の「性格」が分かる?研究が進む「色彩心理学」とは?【本当の性格がわかる 未来が変わる 色でよみとく心理学】
なぜ「好きな色」から「性格」がわかるのか①
◉色彩心理の分野、これからの学問
「色の好み」と「性格」という一見、結びつきそうもないものの間に、どうして関連性が存在するのでしょう。
色の好みと性格の関係は、色彩心理学という心理学の分野のひとつで、世界で研究されているトピックスのひとつです。まだまだ新しい研究分野であり、研究者も少なく、「根拠がない」「占い」といわれることも少なくありません。
女子美術大学の近江源太郎教授がアメリカ心理学会のデータベースを調べたところ、パーソナリティ(個性・人格)と色彩嗜好の心理学的な研究は54件しかなく、 色に関する論文のなかで0・3%にしかすぎないと2009年に指摘しています (松田・名取・破田野2019)。世界的に見てもまだ少なく、これから広がっていく研究です。
将来は人を知るために重要な知見のひとつになると思われますので、早くに学び、豊かに使いこなすほうがメリットも多くなると思われます。
◉色の好みと性格が結びつく理由
色の「イメージ」と人の「性格」の結びつき
日本の色の好みと性格が結びつく研究としては、2026人の大学生を対象に色の好みとパーソナリティの関係を明らかにしたものがあります。この研究では学生たちは自らのパーソナリティによく似たイメージの色を好むという知見が得られています (松田・名取・破田野2019) 。
色の好みと性格が結ばれるメカニズムは複雑で、さまざまな要素が関わっていると考えられますが、ここではひとつの主な理由を紹介します。
それは色から感じる「イメージ」と見た人の「性格傾向の要素」が一致すると心地よく感じるというものです。
たとえば、「薄いピンク」なら、色がもつ「繊細な性格」「優しい性格」が一致します。一致することの心地よさが 「色の好み」としてれてくるのです。同時に、「薄いピンク」を見ていると、色のイメージに自分を合わせるように、優しくて繊細な性格傾向に向かいます。心地よいと感じる色、そのイメージを辿れば、その人の性格の一面が見えてきますし、色を使えば性格の変化を誘引するものにもなり得ます。
環境が性格に影響を与えるように、色もまるで環境のように、性格に影響を与えていきます
【出典】『本当の性格がわかる 未来が変わる 色でよみとく心理学』著:ポーポー・ポロダクション