アフリカ最大のスラム街で汚水を飲む子供たち…感想を聞いて返ってきた忘れられぬ一言【カンバ通信:第428回】
ジャンボ! チャオスだよ。 今回は、ナイロビにある巨大スラム街「キベラスラム」の水事情についてレポートするね。
先日、キベラスラムの中に入って、飲み水がどうなっているのか個人的に調査してみたんだ。
結論から言うと、キベラスラムの水は本当に汚い。衛生状態は最悪と言っていいかもしれない。
なぜかというと、水道管の通り道が問題なんだ。
キベラスラムには整備された下水道がなくて、生活排水が流れる溝(ドブ)はフタもなくむき出しの状態だ。そこにはトイレからの汚水(おしっこなど)も垂れ流しになっている。
信じられないかもしれないけど、そんな汚水まみれの排水溝の中を、飲み水を運ぶ水道管が通っているんだよ。
しかも、水道管は古くて所々ひび割れていたり、水漏れ(リーク)していたりする。
そうすると、水道管の圧力が下がった時に、周りの汚い排水がパイプの中に逆流して混ざってしまうんだ。
だから、ここの水は人間が使うには決して安全とは言えない状態なんだ。
スラムを歩いていると、小さな子供たちが「水を買って」と僕に寄ってきた。でも、あいにく持ち合わせがなくてね……。
さらに歩くと、もっと危険な光景を目撃した。別の子供たちが、あの「漏れている水道管」から滴り落ちる水を直接飲んでいたんだ。
僕は思わず子供たちに聞いてみた。「その水、どんな味がするの?」って。すると子供たちは「とってもおいしいよ!」と無邪気に答えるんだ。この言葉は、忘れられない。
でも、彼らはこうも言っていた。「でもね、時々お腹が痛くなったり、吐いちゃうこともあるんだ」って。
汚水が混ざっている水を飲んでいるんだから、それはそうだろう……。僕はとても悲しい気持ちになったよ。
そんな取材の帰り道、スラムから早く出るために、僕は「ゴミ捨て場(ダンピングサイト)」を通る近道を選んだ。でも、そこは超危険なエリアだったんだ。
ゴミ捨て場にはたくさんの男たちが座り込んでいた。彼らの目は完全に「泥棒」の目だった。そこを通る人を襲おうと待ち構えているんだよ。
僕は身を守るために、道端に落ちていた石を2つ拾って、両手に一つずつ強く握りしめた。
そして、「手を出したらタダじゃおかないぞ」という雰囲気を出しながら、あくまで冷静にその場を通り抜けたんだ。
幸い誰にも手を出されなかったけれど、彼らは攻撃的な目で僕をじっと睨みつけていた。正直、めちゃくちゃ怖かったよ。
キベラの生活は過酷だ。水も安全じゃないし、一歩間違えれば危険な目に遭う。でも、これがここでの日常なんだ。
クワヘリ!
執筆:チャオス(カンバ族)
超訳:GO羽鳥
Photo:RocketNews24.