次代担う2人、全国大会へ 涙や緊張も力に「永く続けて」 名張
美旗小・久保田さん 薦原小・谷本さん
三重県名張市を拠点に民謡、三味線、太鼓の指導・普及活動を行う「日本民謡和泉会」に所属する2人の小学生が、昨年12月に同市松崎町のadsホールで開かれた「民謡民舞東近畿連合大会」で優勝し、8月に東京都である全国大会に初出場する。これからの民謡界を担うホープの誕生だ。
2人は、薦原小2年の谷本晴弥さん(7)と美旗小6年の久保田さよさん(11)。谷本さんは同会の谷本善聖会主の孫で、少年少女の部(幼年から小学3年)で「淡海節」を見事に唄い切った。母親の直子さんも壮年の部で「初瀬追分」を唄って優勝し、更に各部の優勝者で競う協会争奪戦で準優勝し、3回目の全国大会出場を決めている。
谷本さんは、谷本会主が市内の自宅で開いている民謡教室の唄や三味線の音色を子守唄代わりに聞いて育ったという。直子さんによると、大会では袴を着用するのが好きで、度胸もあるそう。昨年出場した他のコンクールではうまく唄えず、悔し涙を流したこともあったが、指導する谷本会主は「今はサッカーに熱中していて、無理せず民謡が好きになるようゆっくり育てたい」と話した。
久保田さんは5年前、同会に所属する三味線奏者の母、瞳さんと一緒に子ども教室をのぞいたのをきっかけに始めた。大会では少年少女の部(小学4年から6年)で「尾鷲節」を唄って優勝。全国大会では瞳さんが三味線伴奏を担当し、親子共演を果たす。
久保田さんは民謡の他にも日本舞踊、ピアノの他、学校の百人一首クラブにも所属し、瞳さんは「民謡という日本の伝統芸能を継承できる子になってもらえるのはうれしいし、長く続けてほしい」と話す。久保田さんは「民謡は発声も音程も全て難しいけど、大学まで続けたい」と意欲的で、「本番では全国から約60人が出場するので、緊張すると思うけれど精いっぱい頑張りたい」と笑顔で語った。