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「カセ」でのフカセ釣りで寒ブリが3連発!【和歌山・串本】イワシエサにヒット

TSURINEWS

串本カセ釣りでブリをキャッチ(提供:TSURINEWSライター・稲垣順也)

串本カセ冬の風物詩イワシフカセで狙う寒ブリ。今季も不調気味だが、時合終了後も手持ちで狙うスタイルで食い渋りを攻略し、マダイに加えてナイスサイズのブリを3匹手中にした模様をお伝えしたい。

寒ブリ狙いの串本カセ釣り

12月に入り朝の冷え込みが厳しくなり本格的な冬を感じ始めた12月10日、イワシフカセで今季初のブリを狙おうと串本カセの老舗、大裕丸へ釣行した。

串本カセでのブリの狙い方は独特で、養殖マグロのエサのこぼれたイワシがメインベイトのため、冷凍イワシをエサにしたフカセ釣りで狙うのが主流となっている。

冷凍イワシがエサ(提供:TSURINEWSライター・稲垣順也)

串本カセのタックル例

ロッドは青物落とし込み用船竿か磯竿4号から5号を使用し、カウンター付きのリール、道糸にフロロ10から14号の通しに針とエサという至ってシンプルな仕掛けである。

今年に入りアルファタックル社からKaijinカセ青物という専用ロッドも発売されるなど人気の高さが伺える。

状況によって針上にガン玉をセットし調整しながら狙っていく。昨季に続いて今季もイワシフカセの寒ブリは不調が続いており、行けば必ず釣れる状況ではないようだ。

当日のタックル

当日のタックルはアリゲーター社の汎用グラス竿にリールはシマノ社海魂2000Tにフロロ12号と、食い渋り対策として手持ち用にロッドがシマノ社海明80号240、リールは同じくシマノ社バルケッタSC2000にラインはフロロ10号。青物には少々ライトだが、軽さ重視で用意した。

当日の潮は長潮で干潮6時53分満潮13時18分、天気は快晴で風も弱い予報。出船して10分程で浅海40mと言われるポイントのカセに乗船する。この日は平日とあって他渡船店も含め人は少なく期待が持てる。

50cmのマダイをキャッチ

乗船してまずは予約解凍しておいたイワシを撒き魚を寄せる。この時期早朝はまだ暗いため、ヘッドライトとランタンを用意して釣りの準備をする。

イワシを撒いて魚を寄せる(提供:TSURINEWSライター・稲垣順也)

水深を測るため底取りをした後、まずは、フロロ12号を入れたグラス竿にオモリは付けずに完全フカセで仕掛けを投入する。狙いの棚まで糸を出したが馴染まないため仕掛けを上げるとイワシは骨だけになっていた。恐らくエサ取りのアジの仕業だろう。

投入中に準備しておいた手持ちタックルは3号のゴム張りガン玉を針上1ヒロの所にセットし仕掛けを投入する。

狙いの棚まで入った所でエサが馴染む前にいきなり竿が絞り込まれヒット。しかし引きが弱いため青物では無いと思ったが、上がって来たのは50cm程のマダイ。ハリス10号にイワシ1匹付けでも容赦なく食ってきた。

50cmの良型をキャッチ(提供:TSURINEWSライター・稲垣順也)

本命のブリ85cmを手中

針を外す前にイワシ撒き、直ぐエサをセットして再投入する。

エサのイワシと針の付け方(提供:TSURINEWSライター・稲垣順也)

狙いの棚に入ると再び竿が絞られる。今度はドラグを出す程の強い引きのため青物を確信。

オマツリ防止に置き竿にしておいた完全フカセの仕掛けを片手でリールを回し回収する。カセの周りに設置された生け簀のロープに気を付けながら慎重にファイトする。

なかなか良い引きを見せたが、カセ後方へ走った際は少々強引に頭の向きを変え魚をコントロールしながらファイトし無事ランディングに成功。85cm程のブリを幸先良くキャッチできた。

85cmのブリをキャッチ(提供:TSURINEWSライター・稲垣順也)

2本目のブリを追加

いったん落ち着こうと先程釣り上げたマダイと共に血抜きと神経絞めを行う。その後は反応が薄く、7時半を過ぎ日が出て時合終了の気配が濃厚となった。

ボトム付近でアタリが来るものの針には掛からないため、エサのイワシを切り身にしてみる。何度目かのアタリでヒットしたのはヘダイであった。

エサをイワシ1匹がけに戻し、棚を上に変え、ペレット落とし込み釣法の要領で落とし込んでいく方法を試してみた。

リールのカウンターで20mからエサを馴染ませゆっくり落とし込んでいく。25mを過ぎた辺りでついばむようなアタリから重みが乗りアワセを入れるが、空振りに終わってしまった。しかしそのアクションでスイッチが入ったか、エサが馴染む前に竿が絞られた。

引きからして青物だ、置き竿は入れていないため、青物の強引を楽しみながらファイトする。2本目もサイズは同じく85cm。

2本目のブリも同じサイズ(提供:TSURINEWSライター・稲垣順也)

さらに3本目のブリがヒット

時刻は8時過ぎの完全に日が出てからの出来事で食い渋り攻略の糸口が見えてきた。次も同じ棚で当たるがアワセ切れ、恐らくサワラの仕業だろう。

続けて同じ棚で触るような前アタリが来たが食い込まないため、竿でルアーのようにアクションを入れてみた。

すると逃げられると思ったのか、食い込み走り始めたため、合わせを入れる。
青物とわかる強引だ。強い引きを楽しみキャッチしたのは85cm程のブリ。

もう十分釣ったため魚を締めて記念撮影をしてクーラーにしまう。9時にはエサのイワシが無くなり練りエサでのマダイ狙いに切り替えた。こちらの釣り方については前回記事を参考にしてもらいたい。

ブリ3本とマダイを手中(提供:TSURINEWSライター・稲垣順也)

串本カセの今後の展望

イワシフカセで狙うブリはこれから本格シーズンとなる、12月中旬時点では不調に変わりないが、状況の好転に期待したい。

この傾向が続くと、あちこちで撒き餌が撒かれる土日休日は厳しい状況となりそうだ、休みの調整ができれば人の少ない平日の釣行を推奨したい。

イワシフカセで狙う青物の時合は朝イチのため時合終了後の過ごし方として、時合でブリを手中にできたなら早めに下船するのもありだ。

釣り物として同じポイントでマダイとアジも狙えるため、オキアミかネリエを用意し狙うのがお土産確保の確率は上がる。

大物志向の方はアジの泳がせでヒラメ、アオリイカ狙いがオススメ。特に冬場のヒラメは旬のため一枚釣れれば極上の味が楽しめる。外道でマトウダイも釣れるため、当たるとデカイ、ギャンブルフィッシングだ。

なお、イワシフカセの釣りはカセが汚れるので下船までに掃除はしっかり行っていただきたい。私は釣れない時間帯に持ち込んだブラシで掃除している。

綺麗にすることで気持ち良く釣りが楽しめるのと、心なしか釣り運が上がるような気がするのだ。

充実のクーラーボックス(提供:TSURINEWSライター・稲垣順也)

釣ったブリを調理

今回釣ったブリは様々な料理で頂いた。刺身は脂のノリが程よく箸が進んだ。

ブリの刺身(提供:TSURINEWSライター・稲垣順也)

漬け丼やユッケも美味しく頂き、ブリ大根や煮付けといった定番レシピも絶品だ。

さまざまな調理法でいただいた(提供:TSURINEWSライター・稲垣順也)

刺身を切る際に出た身はニンニクと玉ねぎを加えてタタキにし、ごま油で焼いてハンバーグにした。あまりの美味しさに後日作り直し、ハンバーガーにもアレンジしてみた。魚肉のためジューシーだが、くどくないオリジナルバーガーを楽しめた。

ブリのハンバーガー(提供:TSURINEWSライター・稲垣順也)

串本カセで今一番人気と言えるブリ狙いのイワシフカセ。難易度は高いが、強い引きと食味も抜群の串本寒ブリ。機会があれば是非一度挑戦していただきたい。

<稲垣順也/TSURINEWSライター>

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