「今のジュビロ磐田は見てて楽しい」ペナルティ・ヒデと担当記者が語ったサックスブルーへの期待感。一方、今後の懸念材料も…
SBSラジオの静岡サッカー熱血応援番組「ヒデとキトーのFooTALK!」で、新しく静岡新聞のジュビロ磐田担当になった大山雄一郎記者がチーム状況を報告しました。聞き手はパーソナリティのペナルティ・ヒデさんと鬼頭里枝さん(2025年4月15日放送)
(ヒデ)はじめまして。大山さんはおいくつですか?
(大山)今年54歳になります。
(ヒデ)えっ、じゃあ僕とタメだ。仲良くなれそう。
(鬼頭)まずはルヴァンカップの静岡ダービーの話から。ジュビロ磐田が2-1で清水エスパルスに逆転勝ちしました。
(ヒデ)エスパルスはアウェーでしたが、先制点を取った時は「さすがJ1の意地だな」と思いました。でもそこからはダービーの面白さというか、すごさというか。ホームの磐田が2ゴール。この試合をご覧になっていかがでしたか。
(大山)メンバー表を見た時にハッチンソン監督の本気度がうかがえましたね。1回戦のFC大阪戦の時は、その3日前に行われたリーグ戦のベガルタ仙台戦から先発を総入れ替えしたんですが、清水戦は上夷選手や倍井選手を先発させたり、ベンチにもリーグ戦に先発していた8人を入れたりしてスクランブル態勢で臨みました。
後半に川﨑選手が同点ゴールを決めて押せ押せとなったタイミングで、クルークス選手と角選手という攻撃のカード、サポーターが喜ぶような選手を思いっきり入れて雰囲気を良くして逆転に繋げた。思い通りのゲームプランになったと思います。
(ヒデ)ハッチンソン監督、お見事だったっていうことでしょうか?
(大山)試合前は「負けても100%を出せばいい」というような話をしてたんですが、蓋を開けてみたら結構なメンバーだったので、ちょっと清水を驚かせたかなと思いますね。
(ヒデ)清水の秋葉監督としては「やられた感」はあるでしょう。磐田側はまさにスクランブルで「この試合は落とせん」と戦ったことが勝敗に影響したと。
(鬼頭)ジュビロ磐田のホームだったので、サポーターの「諦めない感」もすごかったし、同点に追いついた後のムードがもう押せ押せでしたよね。
(大山)本当にあの雰囲気は良かったですね。
(ヒデ)サポーターの力って大きいんですね。
川﨑、倍井選手のコメント
(鬼頭)ここでジュビロ移籍後初ゴールとなる同点ゴールを決めた川﨑選手と、アシストした倍井選手のインタビューをお聞きください。
<川﨑一輝選手>
今季初得点なんで、ほんまに嬉しかったですね。毎試合決定機みたいなのがあったので、
「それを今日は絶対に決める」っていう気持ちで試合に臨みました。隣の選手の声が聞こえないぐらいサポーターの皆さんも声出してやってくれたんで、すごい選手の後押しになりました。スタメンで出る選手もすごいいい選手が多いんですけど、僕も負けないように「控え選手」って思われたくないんで、これからも得点アシストに貪欲にやっていきます。
<倍井謙選手>
途中から出場した選手もすごいファイトしてましたし、全員でつかみ取れた勝利かなと思ってます。最近は数字、目に見える結果ってものから遠ざかっている自分がいたので、本当に一輝君に感謝したいなと思います。ダービーをものにできるってことは本当にいい材料でしかない。みんなやっぱりいつも以上に熱が入ってたと思うし、そういったものがプレーに見えたので、リーグ戦も全員の力で戦っていけるようにしたいなと思います。
(大山)初めて静岡ダービーに出場した選手が、スタジアムの雰囲気に対して興奮気味に話していたのが印象的ですね。
(ヒデ)ダービーっていうのは特別ですよね。特に静岡ダービーですからね。
熊本戦「負けないでよかった」
(鬼頭)さあ続いては、4月13日のロアッソ熊本戦を振り返りましょう。開始早々に失点する展開になったんですが、後半27分、川﨑選手のクロスにリーグ戦初スタメンとなった金子選手が頭で合わせて1対1のドローでした。
(大山)上原選手らが体調不良で欠場して、渡辺選手もけがで出場できない状態が続いている中で、ハッチンソン監督にとっては攻撃のカードが少なくて清水戦のように逆転勝ちするような戦力は整っていなかったと思います。
熊本はジュビロをよく研究していて、クルークス選手のパスを遮断するようなシフトを採ってきたりと、ちょっと分析とは違うような戦いをしてきたんですよね。それでちょっと苦しんだこともありますが、チャンスらしいチャンスを生み出せなかった前半の戦いが非常に残念に思いましたね。
(ヒデ)それでも3位につけてる。磐田にとっては勝ち点1をもぎ取るっていうのは大きなことでは?
(大山)負けないで良かったっていう試合でしたね。ハッチンソン監督は試合後の会見で「クラブとして改善していかなければならない」というようなコメントを残したんですが、それがどの部分を指しているのか。今後の取材の中で監督に聞きたいと思っています。
(ヒデ)ということは、来週も来てくれるかな?
(大山)……(笑)
(ヒデ)“ノーいいとも”ですよ…。
(大山)藤枝MYFCの担当記者も変わりましたので、ぜひ彼を…(笑)
番記者もヒデも膨らむ期待感
(鬼頭)大山さんは過去にずーっとジュビロ磐田を取材していたんですよね。一度別の部署に異動して、また戻ってきたんですよね。今のジュビロをどのように見ていますか?
(大山)私は今季、鹿児島キャンプの終盤からジュビロ取材に入ったのですが、正直言ってハッチンソン監督が前面に出しているポゼッションサッカーに対して「大丈夫かな」と思っていたんです。
これまでジュビロを含めて、多くのチームがボールを保持しようというサッカーにトライしてきましたが、それにこだわりすぎて、自陣でのパス回し中にミスをして失点したり、大事な試合で怖がってパスを受けなくなったりっていうようなことを見てきたので。
でも、富山や仙台、熊本などハイプレスを仕掛けてくるチームに苦戦することはありますけど、千葉戦や静岡ダービーの清水戦の後半は相手にシュートを1本も打たせない完璧な内容でした。
ハッチンソン監督は「守備は攻撃」ということをチームにすり込ませていて、試合を重ねるごとに良くなっているというか、2歩進んで1歩下がるような状態。スタイルが完成して戦力がもう少し整ってくれば、J1でもそこそこ戦えるんじゃないかっていう期待はあります。
(ヒデ)本当にその先にJ1があるんでしょうけど、本当に今うまく機能してるなと思いますよね。この戦術に無理はなかったんだなと。ちゃんと結果に繋がってる感じはしますよね。見てて楽しいですもんね。
(大山)楽しいです、楽しいです。期待感ってのはすごく大きいですよね。
ブラウブリッツ秋田戦の注目は…
(鬼頭)次節、4月20日にアウェーでブラウブリッツ秋田と対戦します。注目ポイントを聞かせてください。
(大山)最大の懸念材料とされるのが移動距離。J2になって、それが今は最大の敵になってますよね。今季のアウェーは長崎、富山で敗れて、仙台は勝ちましたけど、山形は引き分け。アウェーは1勝1分け2敗なんです。5戦負けなしのホームとは対照的に苦しんでます。
上原選手からは「移動時や到着後の過ごし方についてもっと考えなきゃいけない」というような話を聞いたことがあります。
(ヒデ)首位の千葉とは7ポイント差。全然追いつけるポイントではあるんですけど、思ってる以上に千葉が独走し始めている。ここから浮上してくるキーマンは?
(大山)各ポジションで競争がとても熾烈になってきています。ハッチンソン監督は開幕してしばらくしてからも先発をなかなか変えなかったんですが、富山に負けて3人ほどスパッと変更しました。キーマンという意味ではその競争を勝ち抜いた選手になると思います。
(ヒデ)厚みが出てきてるってことですね。出た選手、出た選手がしっかり活躍されてるわけですもんね。