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京都国際の甲子園優勝メンバーが関メディ大学通信科を選んだ理由、夢見るプロ野球への最短ルート

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関メディ大学通信科の速見魁星捕手,関メディベースボール学院提供

京都国際高から関メディに進んだ速見魁星捕手

中学野球界の一大勢力として有名な兵庫県西宮市の野球専門校・関メディベースボール学院。中等部に負けじと、最近は大学通信科もにわかに注目度が高まっている。

星槎大学(神奈川県)と提携し、オンラインで授業を受けながら大学卒業資格や教員免許の取得が可能。トレーニングは社会人チームとして活動している野球選手科の選手たちとともに行う。

現在は都市対抗や日本選手権などを目指しているが、いずれは大学通信科単独でのチームを結成し、神宮を目指す可能性もあるという。

2024年夏の甲子園で優勝した京都国際高時代、背番号20でベンチ入りしていた速見魁星捕手は複数の大学から誘いを受けたが、関メディ大学通信科を選んだ。

「最初は大学に行きたかったけど、野球に集中できる環境がよかったんです。監督に関メディのことを教えてもらい、元プロの指導者もいるし、上下関係とかチームの雰囲気も良かったので関メディを選びました」

京都国際のチームメイトで甲子園優勝投手となった左腕・中崎琉生(現国学院大)は関メディ中等部出身のため、中崎にも相談して決めたという。

「親からも最初は大学に行った方がいいと言われたんですが、僕は将来、野球でご飯を食べたいという気持ちを伝えて理解してもらいました。普通の大学より学費が安くて親の負担も軽いんで、親孝行にもなってると思います」

速見が学ぶ共生科学部は土日のみのオンライン授業で、平均的な私立大学の授業料と比較すると半分以下。平日は午前9時から午後5時までトレーニングで“野球漬け”の日々を送り、土日は同じく9時から5時までみっちり授業を受けている。

関メディが誇るハイレベルなコーチ陣の専門的な指導を受けながら、4年間で大学卒業資格を得られるなら、古いしきたりが残り、誘惑も多い大学の野球部で学業との両立に苦しむよりプロや社会人野球への近道となる可能性は高い。4年間で大きな差がつくはずだ。

「うまくなるには質より量だと思ってるので、練習は長い方がいいです。毎日しんどいんで、お風呂に入ってすぐ寝ちゃいます」と屈託なく笑う表情に充実感が漂っていた。

photographer/Atsushi Kishimoto

「プロでまた中崎とバッテリーを組みたい」

速見は兵庫県内にある関メディが契約している寮で独り暮らし。大学通信科の選手は計4人が住んでおり、朝食と夕食は毎日用意される。

大学は5学科から選ぶことができ、体育の教員免許を取りたい生徒は体育の実技を受けるため定期的に神奈川のキャンパスに行く必要があるが、速見が学ぶ共生科学部は土日のみの完全オンライン。レポートの提出で単位を取得できる。

それ以外の時間は全て野球に注ぎ込んでおり、体力強化や捕手としてのスキルアップに努めている。目下の課題は打撃での下半身の使い方。プロ野球のダイエー、中日、近鉄、阪神、楽天などでコーチを歴任し、現在は関メディで指導している立石充男コーチの指導を受けて貪欲に吸収しているところだ。

「配球面やスローイングは高校時代より上達したと思います」と手応えを強調する速見。持ち前の長打力と強肩を売りに3年後のドラフトで、幼い頃からファンだった阪神入りを夢見ている。「プロでまた中崎とバッテリーを組みたいですね」と話し、瞳を輝かせた。

目標が高ければ高いほど、道のりは険しい。それなら、より良い環境で専門的な指導を受けた方が効率的なのは明白だ。なおかつ大学卒業資格を得られるなら親や周囲も納得する。

大学の通信制は、選択肢のひとつとして今後、より広く認知されていくだろう。関メディの取り組みに注目が集まる。

関メディベースボール学院提供


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記事:SPAIA編集部

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