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【やさかなプロジェクト】静岡なのに消費少ない?野菜や魚もっと食べよう!お手軽メニューで消費促す官民連携の取り組みに注目!

アットエス

静岡トピックスを勉強する時間「3時のドリル」。今回のテーマは「やさかなプロジェクト」です。先生役は静岡新聞の山本淳樹生活報道部長が務めます。(SBSラジオ・ゴゴボラケのコーナー「3時のドリル」 2024年11月7日放送)
 
(山田)今日は「静岡やさかなプロジェクト」についてです。

(山本)野菜と魚の消費拡大を目指す取り組み「やさかなプロジェクト」が、県内で本格始動しました。これは一体なんだろうかと思われるかもしれませんが、野菜と魚を掛け合わせて「やさかな」って言葉ができたそうですね。

静岡県と静岡県漁業協同組合連合会という漁協の集まりの全県組織が、マヨネーズやドレッシングを作っているキユーピーの呼びかけに応じて始まったと聞いています。消費拡大に向けて一緒に力を合わせてやっていこうということで、今年度から始まりました。

具体的に言うと、メニューを作って、それを県内のスーパーなどでアピールしながら、野菜と魚を手軽に食べられるんだぞ、という仕掛けをしていこうというものです。キユーピーは、自社の製品を紹介し、一緒においしく手軽に食べられますよという形でPRしていくということで、三者が連携しました。

(山田)当然、体にも、いいですから。

(山本)私も、健康診断の後、「野菜を食べましょう」ってお医者さんから言われます。どうしても、やっぱり足りていないんですね。

現代人は、魚とお肉となると、どっちが手軽かを考えて肉を選んでしまうことが多いと思います。私は両方とも同じぐらい好きなので、なるべく魚も必ず1日に1回は口に入れるようにしていますが、必ずしもそうでない方が増えてきているということですね。

静岡県民も魚と野菜が足りてない!

(山田)でも山本さん、静岡県は野菜も魚もたくさんとれるから、食べているイメージがあります。県を挙げてやらなくてもと思ったりするんですが。

(山本)私も最初聞いた時に、よくある販売促進のものかな、と思ったんですけどね。ちょっと資料を見せていただいたところ、実はあんまり静岡県民は野菜と魚を食べていないのでは、というデータがあるんですよ。

(山田)うそ〜。

(山本)野菜については、「1日350グラム食べましょう」と言われているんですが、県が調べたところ大体1人当たり70グラムぐらい量が不足しているということです。健康の面からも、もっともっと食べましょうと言われているけれど、足りていません。

魚についても、当然海に面していて魚は採れるので、他県に比べて消費量が多いんじゃないかなと思っていましたが、購入量は少なかったんです。「生鮮魚介類を年間どれぐらい購入しているか」をまとめた国の家計調査のデータがあります。全国平均で大体年間2万グラム、約20キロの生鮮魚介を購入して食べているのに、静岡市の場合は、1万8689グラムで18キロ強、浜松市も1万8029グラムということで、2キロくらい少ないんです。

(山田)なんで!?

(山本)そうなんですよね。家計調査というのは、ランダムに選ばれた方々に決まった期間、各種食品の購入額などを正直に申告してもらう形で行われています。それに基づくとこれぐらい少なくなっているということですね。

どうしてなのかはちょっと分からないんです。ただ、県の話では、「最近共働きの家庭がすごく増えていて、時間がかかりそうなメニューを敬遠してるんじゃないか」ということでした。魚も野菜もうまく手をかけないと食べられない。どちらかというと、ちょっと焼けば良いとか調理が優しいお肉の方を選びがちだと推測されます。

(山田)そうですね。

(山本)魚の場合は、お刺身で買ってくる場合もあるけれど、家で調理すると時間も手間もかかります。例えば煮魚を作って食べるご家庭も少なくなってきているのではないかと。

(山田)そう言われたら、僕も煮魚を家で食べてないかも。

(山本)それだけだと、「全国平均よりなぜ少ないの」という答えにはなってないんですが、ただデータとしてそういう状況なんですよね。

静岡は「水産県」と言われるぐらい、全国的に見てもたくさん魚をとっている県なんですよね。漁業の生産量というと、ちょっとデータは古いんですが全国で5位、トン数で言うと年間20万8091トンです。全国5位の生産量を誇る県で、それを缶詰にしたり、その後、干物にしたりという形で生産する加工生産量も全国3位。静岡県の中でも漁業の占める割合はすごく大きいです。

(山田)水産県なんですね。

(山本)農業に目を向けても、本当に多彩な野菜を生産していて、茶、ワサビ、ミカン、チンゲンサイ、レタス、セロリ…。このあたりの農産物は全国でも上位の生産量を誇っています。

簡単に作れるレシピを公開

(山田)プロジェクトに関して、具体的に教えていただけますか。

(山本)内容としては非常にわかりやすくて、原材料として魚と野菜を使い、手軽に、簡単に調理できるメニューを提示して、それを取り入れてもらうということです。その時にドレッシングなど、キユーピーから商品として出ているものを使うとより美味しくなりますよということで、一緒に提案しています。

8月に「やさかなメニュー」の選定会を開き、プロジェクトメンバーの中でいくつか候補を挙げて、冬のメニューと春のメニューを4つずつ選び、そのレシピをホームページ上で公開しています。

これを見ると、「魚とか野菜を取り入れるには手がかかる」というイメージを裏切るようなメニューが出ています。例えばブリ大根というと大変だと思うけれど、ブリと大根と、既に商品化されている黒酢玉ねぎドレッシングでできてしまう。このドレッシングを使わなくても、似たような好きなドレッシングを使うことによって、手軽にブリと大根という旬の冬の魚と野菜を取り入れることができると紹介されています。

(山田)「しらすと白菜のチョレギサラダ」っておいしそうですね。春になると、「サバ缶とキャベツのアヒージョ」。これもおいしそう。

(山本)これも簡単そうですね。サバ缶にキャベツとトマトを添えてちょっとドレッシングをかければ、豪華なおかずになるよと。私は料理はあまりしない方ですが、それでもちょっとできそうだなって、これ見て思いましたね。

地場産の野菜や魚を日々の食事に!

(山田)こういったことを、今後もイベントなどで広めていくんですか?

(山本)スーパーに特設の試食コーナーを設けたり、その他に11月23、24日にツインメッセ静岡で行われる「産業フェアしずおか」でもブースを出したりするそうです。県を挙げてやっていくということですね。

(山本)今回のプロジェクトが必ずしも地産地消に繋がる取り組みかというと、水産物の全てを県内産で、というわけにはなかなかいかないとは思うんです。でも、地場の食べ物を自分たちが手に入れて食べるようになれば、魚の消費の割合ももっと上がるんじゃないかなと。

試食会の現場で記者が聞いたところ、「最近野菜も魚も値段が上がっている。野菜は天候や出荷状況によって店頭での価格も変わってくるけれど、魚は高いイメージがある」という声がありました。

確かに缶詰なども値段が上がっています。ただ県の担当者は「マグロ、カツオなど冷凍したものを少しずつ出荷するっていうものについては、そんなに急に値段が上がることはないはずだから取り入れられやすいんじゃないか」と話していました。

私個人としては、自分の消費行動で身近な生産者や加工者の方が潤って、さらに豊かにいろんなものが生産されたり、地元に供給されたりという流れに繋がればいいなと思っています。なるべく農産物や水産物については地元でとれたものを選ぶようにしたいなと思っているし、できればみなさんにもそうしてほしいなと思います。

(山田)今日教えていただいた「やさかな」、これはちょっとキーワードとして覚えておくと、今日のメニューの一品に、いうことになりますからね。今日の勉強はこれでおしまい!

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