【市川市】地球温暖化防止特別講演会「貝と地球温暖化」
1月27日、市川市地球温暖化対策推進協議会は、 市制施行90周年記念事業の一環として、学習院女子大学教授の品川明氏による講演会を市川市役所で開催しました。
講演では貝の解剖やアサリの味噌汁の飲み比べなども行われ、身近な食材から環境問題を考える良い機会となりました。
節電でCO2排出を減らし環境を守ろう
本講演に先立ち、千葉商科大学の学生によるミニ講座「地球温暖化って何だろう?」が行われました。
北極の氷が溶けてシロクマの住む場所がなくなる、陸地が浸水して海になる…。こういった深刻な環境破壊を引き起こす地球温暖化は、私たちが排出している二酸化炭素(CO2)が原因。
生活に必要な電気を作るのにCO2が排出されているため、その削減には節電が不可欠です。
そこで「テレビの画面をきれいにふいて省エネモードに設定する」「冷蔵庫の温度設定は季節ごとに変え、庫内に食品を詰め込み過ぎない」など、家庭でできる節電方法が紹介されました。
殻付きアサリとむき身の味噌汁で味比べ
品川教授の講演では、参加者一人一人にボイルしたホンビノス貝が配られ、貝に触りながら殻の内側の体の構造と仕組みを観察しました。
教授が質問すると会場のあちこちからたくさんの手が上がり、和気あいあい。
続いてアサリの味噌汁の飲み比べ。
「殻付きとむき身では、どちらがおいしい?」との問い掛けには殻付き派が優勢。
アサリは殻の中にうま味成分であるコハク酸を出すため、殻付きの方がおいしく感じるようです。
ちなみに「水から上げるなどしてアサリにとって苦しい環境に置くと、コハク酸がより多くたまり味噌汁がおいしくなる」ということも学びました。
温暖化の影響で貝は殻が作れなくなる
海水はCO2を吸収して減らしてくれますが、CO2が溶け込んで海洋の酸性化が進むと、殻の元になる炭酸イオンが減り、貝は殻が作れなくなって死んだり、大きく育たなくなります。
また、アサリがいなくなってしまうと、その餌となるプランクトンが消費されずにたまってヘドロに。
アサリの糞も他の生き物の餌になっており、その影響は大きいのです。
市内の小学4年生菅谷佳蓮(かれん)さんは、味噌汁の飲み比べに興味を持ちお母さんと一緒に参加。
貝の口が小さくて驚いたと話していました。
これからもおいしいアサリの味噌汁が食べられるように、まずは小さな一歩、節電から始めてみては。