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Jリーグ序盤戦“静岡県勢”ベストイレブンを選んでみた。4−3−3の前線にはジャーメイン良(磐田)と北川航也(清水)

アットエス

2024年のJリーグは2月下旬に開幕して、シーズンの約4分の1を消化した。そこで今回は”静岡県勢”を対象に、筆者独自の視点で4月までの序盤戦のベスト11を選考した。

なお”静岡県勢”の基準は静岡出身、育成年代で静岡のチームに所属していた選手、静岡4クラブに在籍している選手を対象にしている。なおカテゴリーに関係なく選手の活躍度や貢献度を評価しているため、選手の能力査定を目的とするものではないことはご理解いただきたい。

GKは元日本代表川島

ビッグセーブで磐田を支えているベテラン川島


GKは川島永嗣(ジュビロ磐田)だ。14年ぶりのJリーグとなるが、本人は「日本に戻ってきたというより、磐田に来たという感覚」と語っている。40歳をすぎても衰えない成長への意識を押し出し、一つ一つの振る舞いが若手に好影響をもたらしている。もちろんプレーのインパクトも大きく、リーグ戦11試合で14失点という数字以上に、数々のピンチを防ぎ、かつ攻撃に良い流れをもたらした。

DF陣は清水と柏の4人

パリ五輪出場の期待が掛かる関根


右サイドバックは静岡学園出身の関根大輝(柏レイソル)を選んだ。ここは同じ大卒ルーキーで、開幕戦からスタメン起用されたDF植村洋斗(ジュビロ磐田)や、沼津市出身で“昇格組”ながらJ1で躍進中の町田ゼルビアを支える鈴木準弥など、最も有力候補の多いポジションだが、大型サイドバックの関根が柏で攻守に渡って見せるインパクト、パリ五輪を目指すU-23日本代表での台頭ぶりを考えれば一番手に評価せざるを得ない。

センターバックは清水育ちで、Jリーグを代表する選手に成長した犬飼智也(柏レイソル)と“新天地”で攻撃的なチームを幅広く支える住吉ジェラニレショーン(清水エスパルス)の2人。犬飼は古巣の浦和レッズを相手に1−0の勝利に導く活躍や、ディフェンスを統率するリーダーシップも印象的だった。住吉は対人守備での奮闘に加えて、昇格を争うヴァンフォーレ甲府との大一番で、後半45分にあげた決勝ゴールのインパクトが絶大だった。

清水を攻守で支える山原


左サイドバックは山原怜音(清水エスパルス)をおいてほかにいない。左足のクロス、右足の斜めスルーパスなど、豊富な攻撃バリエーションで攻撃にクオリティをもたらすだけでなく、いわゆる大外の“空走り”でインサイドの選手をフリーにするなど、目立たない貢献も見逃せない。おそらく引く手あまただった中で、清水に残って勝負することを決断しており、今年は何としても昇格を果たして、またJ1の舞台で輝きを放ってほしい一人だ。

沼津のオーガナイザー菅井に注目

(左から)上原力也、菅井拓也、植中朝日


中盤は菅井拓也(アスルクラロ沼津)と上原力也(ジュビロ磐田)、そしてJFAアカデミー福島出身の植中朝日(横浜F・マリノス)という3人で構成した。

菅井はJ3で今最も美しいフットボールを見せる沼津のオーガナイザーであり、中盤の底から攻撃を組み立てながら、リスクケアのところでも重要な役割を果たしている。

上原はJ1を戦う磐田で開幕戦からスタメン出場を続けており、キャプテンの山田大記が怪我で離脱していた時期はゲームキャプテンとして、心身両面で磐田を引っ張った。町田ゼルビア戦は松原后にキャプテンマークを譲ったが、今季リーグ戦の初登場となった鹿沼直生とともに、中盤フル稼働で首位だったチームに2−0の勝利という歓喜を演出した。

植中はハリー・キューウェル監督が1年目の横浜FMにあって、主に4−3−3のインサイドハーフという慣れないポジションにも貪欲にチャレンジし、豊富な運動量とストライカーらしいフィニッシュを見せている。パリ五輪を目指すU-23アジア杯のメンバーからは外れたが、下を向くことなくクラブの挑戦に向き合い、ACLセミファイナルの2ndレグでは2得点を記録。その蔚山戦から中2日だったC大阪戦ではセンターフォワードでプレーした。複数ポジションをこなすポリバレントな能力と大一番の勝負強さで、パリ五輪の本大会での滑り込みを狙う。

北川(清水)と和田(沼津)の2シャドー

(左から)和田、北川


前線は便宜上1トップ2シャドーのような形にしたが、3人ともFWとして見事な得点力を発揮しており、数字面を素直に評価したところが大きい。和田育(アスルクラロ沼津)はポゼッションをベースとした幅広い攻撃のフィニッシャーとして、現在J3トップの8得点を記録している。俊敏な動きだしと、驚くほど冷静なフィニッシュは相手ディフェンスの脅威だ。

北川航也(清水エスパルス)は昇格を悲願とするチームのキャプテンを担いながら、エースとしての輝きも取り戻している。6得点も素晴らしいが、3アシストを記録していることが、テクニック、パワー、スピードを兼ね備えた万能アタッカーである北川らしい。フィニッシャーとしてだけでなく、攻撃ベクトルの先端のような役割を果たしている。

ジャーメイン抜きにJリーグ序盤戦は語れない

得点ランク首位のジャーメイン


そして何と言っても10試合10得点のジャーメイン良(ジュビロ磐田)を抜きに、今年のJリーグ序盤戦を語ることはできない。“静岡県勢”に限定しなくてもベスト11、さらに言えばMVPにあげる人は多いのではないか。10得点のうち4得点はPKだが、そのうち三つは自分で獲得したものだ。しかも、町田戦の先制点など、自分のゴールシーン以外でもジャーメインが直接的に絡んだ得点は多い。

開幕前は背番号と同じ11得点を目標に掲げていたが、その目標を取り下げており、数字を決めずに、チームの勝利のためにできるだけ多くのゴールを奪うという指標に切り替えている。

待望論も出てきている日本代表については「特別それを目指してという年齢かと言われるとまあ、どうかなと思います」と前置きしながら、結果を出し続けた先にそこがあるというスタンスで、磐田の勝利のために点を取り続ける意思を示している。

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