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全日本回転寿司MVPに輝いた「一心寿司」の職人・小田健。

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全日本回転寿司MVPに輝いた「一心寿司」の職人・小田健。

新発田市の国道7号線沿いに「一心寿司 新発田城北店(いっしんすし しばたじょうほくてん)」があります。表には黄色の看板が掲げられ「第4回全日本回転寿司MVP選手権 優勝!」「小田健」「日本一」の文字。今回はその小田さんに、選手権優勝や回転寿司についての思いを聞いてきました。

一心寿司 新発田城北店

小田 健 Takeshi Oda

1984年村上市(旧朝日村)生まれ。地元の回転寿司店で修業を積み、自動車製造業を経て2016年より「一心寿司 新発田城北店」で働きはじめる。2017年に開催された「第4回全日本回転寿司MVP選手権」では総合優勝を果たす。現在は新たな大会への挑戦に燃えている。

自分の握った寿司で、お客様を笑顔にしたい。

——小田さんがお寿司の仕事に関わることになったきっかけは何だったんですか?

小田さん:地元の人気回転寿司店でアルバイトをしていた同級生から、「楽しいから一緒に働かないか」と誘われたことがきっかけだったんです。アルバイトからそのまま正社員として働くことになりました。

——回転寿司店での仕事は、小田さんに向いていたんでしょうか。

小田さん:回転寿司に限らず寿司店っていうのは対面式のカウンタースタイルが多いので、お客様の反応がダイレクトに伝わってくるんですよ。自分が握ったお寿司を目の前で食べて、幸せそうにしているお客様の笑顔を見ることにやり甲斐を感じましたね。今でもそのために仕事をしていると言っても過言ではありません。

——自分の仕事が人の幸せにつながるのって嬉しいでしょうね。修業は厳しくなかったですか?

小田さん:僕は上司に恵まれたんだと思います。もちろん修業は厳しかったし、叱られることもありましたけど、上手にできたときはそれ以上に思いっきり褒めてくれたんです。褒められれば嬉しいですし、もっと頑張ろうって気持ちになりますよね。

——仕事へのモチベーションも上がりますよね。

小田さん:あと学生時代にアルバイト代をはたいて包丁を買ったんです。自分で買ったものって大切に使うしモチベーションも高まりますから、これから寿司職人を目指したい人には包丁を買うことをおすすめしたいです。

——学生時代からマイ包丁を使っていたんですね。こちらの「一心寿司」で働くことになったのはどうしてなんですか?

小田さん:ずっと働いてきた回転寿司店が閉店することになったんです。転職してしばらく自動車工場で働いてみたんですけど、同じ「ものを作る仕事」でも流れ作業が僕には合わなかったんですよね。もう一度自分の握ったお寿司でお客様を笑顔にしたいと思って、8年前から「一心寿司」で働きはじめました。

練習を積み重ねて臨んだ、回転寿司職人の全国大会。

——2017年に開催された「第4回全日本回転寿司MVP選手権」で総合優勝したことが、当時はかなり話題になりましたよね。

小田さん:おかげさまで大変な反響をいただきました。全国ネットも含めて6〜7社の媒体に取り上げていただいて、お客様の数も3割ほど増えましたね。コンテストでの優勝が自分のためにもなったしお店への貢献にもなったので、頑張ってよかったと思っています。

——かなり頑張って練習されたんでしょうね。

小田さん:普段の仕事自体が常に修業ではありますけど、本格的にみっちり練習したのは大会の3ヵ月前からです。付け焼き刃の技術では通用しないと思ったので、こつこつと練習を積み重ねて身体に覚え込ませました。休みの日もお寿司を握ってないと不安だったので、自主的にお店に来て練習していましたね(笑)

——いろいろな競技があったと思うんですけど、なかでも難しかったものはありましたか?

小田さん:「接客」がいちばん難しかったですね。魚の知識がないとお客様に説明することができないんですけど、かといって頭で覚えただけではスムーズに伝えられないんです。だからお店の方にも協力してもらって、口に出して説明する練習を繰り返しましたね。

——大会では緊張せずに実力を出すことができました?

小田さん:普段仕事をしているお店とはまったく雰囲気の違う会場で、300人もの観客が見守るなかでスポットライトを浴びながら競技に臨むんですけど、練習を積み重ねて自信もついていたせいか、それほど緊張はしませんでした。

——それが優勝に結びついたんでしょうか。優勝して注目されるようになったことで、仕事への意識は変わりましたか?

小田さん:常にプレッシャーを感じながら、より高いプロ意識を持って仕事に臨むようになったかもしれませんね。1年後に優勝カップを返還したときは、やっと肩の荷が下りたと思って自然と涙が出てきました。

自分を高めるために臨む、さらなる挑戦。

——小田さんは普段どんなことに気をつけながら、お寿司を握っているんでしょうか。

小田さん:お客様の口に入るものですから、安心して召し上がっていただけるように衛生面には気をつけています。魚の管理はもちろん、まな板も仕込み用と調理用で使い分けていますね。

——なかなか徹底しているんですね。他にも気をつけていることはありますか?

小田さん:魚の大きさは均一ではありませんから、ネタを切る際には大きさの誤差がないように気をつけています。シャリも同じで大きさにバラつきがないよう普段から意識しているんですよ。

——そうした意識も大会での優勝につながったんでしょうね。今後目標にしていることがあったら教えてください。

小田さん:実は、全国の寿司職人が技を競う大会に出場しようと思っているんです。優勝することは難しいかもしれませんけど、挑戦することで自分の実力を知ることができるし、大会を意識しながら一生懸命練習したことは決して無駄にならないと思うんですよね。

——挑戦することに意義があるということですね。応援していますので、頑張ってください。

小田さん:ありがとうございます。大会で一層寿司職人としての腕を磨いて、より美味しいお寿司をお客様に味わっていただけたらと思っています。これからもお客様の笑顔を見るために頑張ります。

一心寿司 新発田城北店

新発田市城北町2-345

0254-24-8555

11:00-15:00/17:00-21:00(土日祝日は通し営業)

無休

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