駅の近くで半世紀…朝7時から常連客でにぎわう昭和レトロな喫茶店【フルーツパーラー源平】名物は昔ながらの濃厚なミルクセーキ
長く地域の住民に愛される喫茶店。
昭和生まれの世代には懐かしく、若い世代にはレトロなメニューや食器がかえって斬新だと、近年は幅広い世代から再び脚光を浴びています。
富山県内にも何十年にわたって愛され続ける喫茶店は多く残りますが、今回紹介するのは小矢部市から、1970年に開業した「フルーツパーラー源平」です。
通勤や通学で行き交う客を送り続けて半世紀以上
駅のロータリー脇にたたずむ昔ながらの喫茶店
店があるのは、小矢部市の中心部。
あいの風とやま鉄道「石動駅」の駅前ロータリーの脇で、徒歩1分の場所にあります。
店主の川西智恵子さんは、長年、夫の清さんとふたりでこの店を切り盛りしてきました。元 国鉄の車掌だった清さんは亡くなりましたが、今もひとりで厨房に立ち続けています。
開業当時からほとんど変わっていないという店内は、まさに昭和の世界そのまま。あたたかみがある照明の笠やワインレッドのソファ、ハイチェアになつかしさやかわいらしさを感じます。
店の開店時間は午前7時。
その時間を待ちかねたように常連客が次々と訪れ、智恵子さんが淹れるドリップコーヒーを飲んでいきます。
新聞を読んだり、話をしたり…窓の外には石動駅に出入りする通勤客や通学客の姿がありますが、喫茶店の中はその喧騒をよそにゆっくりと心地よい時間が流れています。
地元の卵を使った昔ながらの濃厚なミルクセーキ
メニューも創業当時からほとんど変わっていません。
昭和の喫茶店の定番で、今ではあまり見かけなくなったミルクセーキ。今でも昔ながらの濃厚な味わいを楽しむことができます。
養鶏業の盛んな地元・小矢部の卵を使うのが、「フルーツパーラー源平」のこだわり。
牛乳、バニラアイスを加えてできあがるミルクセーキは、濃厚な卵の味わいを残しながらも、さっぱりと飲める味わいです。
特産の卵を使ったサンドウィッチ、
中高生に人気のカレーライスも
小矢部特産の卵を使った人気メニューがもうひとつ。それが、キュウリと玉子焼きが入った「玉子サンドイッチ 」。
一般的な玉子サンドは、粗みじんのタマゴにマヨネーズなどを加えた玉子サラダを使いますが…
「玉子焼きにすれば、子どもでもこぼさず食べやすいと思って」と智恵子さん。
お母さんのようにやさしい気遣いを感じられる玉子サンドは、パンも玉子焼きもふわふわで、やわらかく落ち着く味です。
電車を利用する中高生に人気なのがカレーライス。
タマネギやニンジンがたっぷり入った欧風のビーフカレーで、中濃ソースをひと回しかけて味変を楽しむ客の姿もちらほら。
「喫茶店」ではなく「フルーツパーラー」にしたのは、学生でも出入りができるようにという清さんの想いから。学生の頃から長く通っているお客さんも少なくないんだそうです。
清さんの故郷 倶利伽羅峠が、源氏と平家が興亡の明暗を分けた合戦の舞台であることにちなんだ「源平」という名の喫茶店。
歴史香るノスタルジックな店で昔から変わらないゆったりしたひと時を過ごしてみるのもいいかもしれませんね。
店舗情報
【フルーツパーラー源平】
住 所 富山県小矢部市石動町10-39
営 業 7:00~18:00
電 話 0766-67-3223
定休日 日曜
記事編集:nan-nan編集部