上越市の一印上越魚市場で年末恒例のサメの競り 正月料理で味わって
新潟県上越地方で古くから正月料理として食べる習慣があるサメの競りが2024年12月27日朝、上越市木田3の一印上越魚市場(尾崎徹社長)で行われた。競り人の声が響く中、18匹のサメが次々と競り落とされた。
《画像:気仙沼港で水揚げされたモウカザメ18匹が並んだ》
サメ肉はアンモニア成分が多く、独特の臭みがある反面、腐りにくいことなどから昔から山間部に暮らす人々の貴重なタンパク源となってきた。上越地方では、正月に煮こごりや煮付けなどとして食べられてきたが、近年ではサメ食文化をより普及をさせるため、料理研究家が新メニューを開発したり、飲食店や学校給食でサメ料理が提供されたりするなど、特に若い世代にもサメ食が浸透してきている。
今年は宮城県の気仙沼港で24日に水揚げされた重さ60〜80kgのオスのモウカザメが入荷した。27日は朝からサメを頭、腹などの5等分にぶつ切りにし、氷の上に並べられた。競りの開始前には地元スーパーのバイヤーをはじめ、鮮魚店などの買い手たち20人ほどがサメをじっくり品定めした。
《画像:約20人の買い手たちがじっくり品定め》
午前7時、競りの始まりを知らせる鐘が鳴ると、競り人の掛け声に合わせ、サメを囲んだ買い手たちが約7分のうちにテンポよく競り落としていった。
《画像:午前7時に鐘の合図で競りがスタート》
尾崎社長は「今年のサメはやや小ぶりで入荷は例年と比べ少なかったが、鮮度も質も良かった。にこごり、煮付け、サメフライなどで食べてほしい。これからも昔から続く食文化をつなげていきたい」と語った。
サメ食の普及活動を続ける郷土料理研究家、井部真理さんは「サメは骨がないので調理も簡単。すりつぶして離乳食にもおすすめ。高タンパク、低カロリーなのでぜひ食べてみて」と話した。
競り落とされたサメは同日、さっそく市内のスーパーなどに並んだ。