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ALIがライブシーンの猛者たちを迎える対バン企画『JUNGLE LOVE』、LA SEÑASとPaleduskを迎えたクリスマス公演を振り返る

SPICE

ALI

JUNGLE LOVE-CHRISTMAS TIME-Supported by Lee
2024.12.24 恵比寿LIQUIDROOM

ライブシーンの猛者たちを迎えるALIの対バン企画『JUNGLE LOVE』が12月24日(火)、東京・恵比寿LIQUIDROOMで開催された。開催日がクリスマスイブということで、『JUNGLE LOVE-CHRISTMAS TIME-Supported by Lee』と銘打ち、ゲストバンドのみならず、スペシャルゲストも迎えた今回、ALIはセットリストの選曲も含め、いつもとはちょっと違う趣向のライブを楽しませてくれた。

今回、ALIが対バンに迎えたのは、LA SEÑASとPaleduskの2組だ。

メンバー全員が打楽器奏者というLA SEÑASは16人でオンステージ。ありとあらゆる打楽器に加え、管楽器のディジュリデュや打弦楽器のビリンバウも使いながら、情熱的な演奏を繰り広げるさまは、彼らが掲げる“熱狂打楽器集団”という言葉がぴったりだ。中には反復するリズムがヒプノティックな効果も生む「Feast」なんてトランシーな曲も。

「もっと来い! もっとだ! 聖なる夜をそんなテンションで乗り切れるのか!? 最後の最後まで踊っていこうぜ!」

観客を煽りながら、16人は最後まで観客の体を揺らしつづけた。

一方、福岡の4人組・Paleduskはバックボーンであるメタルコアとあらゆる音楽を結びつけ、早速、この日、彼らのライブを初めて見る観客の度肝を抜いていく。「今日初めてという人が多いと思って楽しみにしてきました」というKAITO(Vo)の発言は自分たちに興味を持ってもらえるはずという自信があるからこそだろう。ラップ/ヒップホップ、エレクトロは当たり前。「I’m ready to die for my friends」にはゴスペル、ロカビリー、ジャズの要素が入り混じる。「SLAY!!」はPaledusk流の歌謡ラテンロックなんて言ってみたい。

「ALIは普段、俺たちみたいなアホなバンドとはやってないだろうけど(笑)、今年、『DEADPOP FESTiVAL』で同じステージに立ってしっかり繋がった」(KAITO)

ALIとの間に生まれた新たな絆をそんなふうに言葉にすると、最後はエモーショナルなロックナンバー「PALEHELL」を披露。観客のシンガロングとともに激しいアクションも見どころだった熱演を締めくくった。

そして、“Supported by Lee”ということで、同ブランドのデニムに身を包んだLEO(Vo)率いるALIはこの日、ホーン隊とパーカッショニスト、さらには女性ボーカリストも含む11人編成の大所帯でオンステージ。

映画『仁義なき戦い』のテーマから、「ALI始めます!」とLEOが声を上げ、ラテンのグルーヴも持つロックンロールナンバー「Dance You, Matilda」になだれこむとそこから70分ほぼノンストップで観客を踊らせ、スタンディングのフロアを揺らし続ける。

「愛すべきアホども。おまえらのハートに火をつけにきたぞ!」(LEO)

スカの「FEVER」をはじめ、グルーヴの中にさまざまな音楽のエッセンスを落とし込むのがALI流のダンスミュージック。ふんだんに盛り込むバンドメンバーのソロパートも見どころだ。

ムーディーなイントロからテンポアップして、観客をバウンスさせた哀愁のラテンナンバー「VIM」ではアウトロにボサノバナンバーの「マシュ・ケ・ナダ」のさわりを加えるという心憎い演出も。その「マシュ・ケ・ナダ」に加え、「ロックンロールは好きかい?」とLEOが言いながら披露したロンドンのロックンロールトリオ、キティ・デイジー&ルイスの「Going Up To The Country」や、映画『パルプ・フィクション』に使われリバイバルしたレヴェルズのエキゾチックなインストナンバー「Comanche」といった通好みのカバーナンバーに観客も大喜びだ。

しかし、それは助走に過ぎなかった。その「Comanche」から「あったまってきたかい? もっと行ける!」と「GABBA GABBA HEY HEY」に繋げると、コール&レスポンスに観客を巻き込み、声を上げさせながら、フロアに大きな熱狂を作り出す。

「(今日の3組について)関係性はなさそうに見えるかもしれないけど、一緒にやってみてわかってくれたと思う。唯一無二の存在が大好きなんだ。2024年一番やばかった2組を呼んだ。LA SEÑASはレコーディングにも参加してもらってる親戚みたいな存在。Paleduskはさっき自分たちのことをアホって言ってたけど、アホさ具合なら俺も負けてない。あきらめないという意味のアホさ具合、そして音楽が好きというアホさ具合なら。Paleduskの「PALEHELL」は、2024年の俺のベストトラックです」(LEO)

そんなふうに今回、LA SEÑASとPaleduskをゲストに迎えた理由を語ってからの後半戦は、「今日は忘年会でもあるし、クリスマスホームパーティーでもあるし。会いたかった人をゲストに呼んでいます」とJ-REXXX、AKLO、MOMONADYを迎え、一期一会という言葉が大袈裟に聞こえないコラボーレションを繰り広げ、観客を魅了する。

披露するのはもちろん、以前、J-REXXXとAKLOがそれぞれにフィーチャリングゲストとして参加した曲だ。J-REXXXがラップを加えた「DESPERADO」は哀愁が入り混じるラテンポップナンバー。J-REXXX、LEO、そしてMOMONADYの3人がステージを自由に動きながら声を上げ、観客をバウンスさせたアップテンポの「FIGHT DUB CLUB」では観客がタオルを振り回しながらシンガンロング。そして、クライマックスという言葉がふさわしい熱狂の中、本編を締めくくったのは、AKLOのラップとLEOのソウルフルな歌声が交わる「LOST IN PARADISE」。アーバンな魅力もファンクナンバーは、軽快なギターのカッティングに歪ませた音色で加えるオブリも聴きどころだった。

オチサビでは観客のシンガロングが会場に響き渡り、エンディングにふさわしい光景を作り出したが、もちろんライブはまだまだ終わらない。

「クリスマスタイム始めます」というLEOの言葉から始まったアンコール。その言葉通り、まずレゲエインストにアレンジした「White Christmas」を聴かせると、ポーグスとカースティ・マッコールのクリスマスバラード「Fairytale of New York」を原曲に倣い、LEOとバッキングボーカリストのデュエットで披露する。クリスマスソングを選んでもベタにならないセンスが最高だ。因みにLEOの歌のニュアンスは筆者にはポーグスのシェイン・マガウアンよりもトム・ウェイツっぽく感じられたのだが、それはさておき、曲の途中、この日招いたゲストを全員ステージに呼び込み、「本当にありがとう!」とLEOが感謝を伝え、そこで大団円……でもよかったかもしれない。

しかし、LEOはダメ押しで盛り上げたかった。

「ALI!」「ALI!」のコール&レスポンスから「行こうぜ! 全員で揺らせ! ジャンプ!」とLEOが声を上げ、なだれこんだラストナンバーは、ALIのファンにはお馴染みの「Funky Nassau」だ。バハマ出身のファンク・バンド、ビギニング・オブ・ジ・エンドが1971年にヒットさせたラテンファンクナンバーを、ALIはテンポアップしたアレンジで披露。途中、「今年覚えた遊びなんだ」とLEOは観客全員を座らせると、ドラム、ベース、ギターのソロ回しを挟んでから「1-2-1-2-3-4!!」の合図でジャンプさせる。

バウンスする観客はもう止まらない。迫力満点の歌声を響かせるMOMONADYに負けじとLEOもシャウト!

そして、最後にもう1度、「ALI!」「ALI!」のコール&レスポンスでこの日一番の熱狂を作り出すと、「日本はもちろん、アジアでNo.1になって、世界を目指します!」と2025年も前進を続けることをLEOは宣言。そして、「音楽万歳!」と快哉を叫ぶように言ったのだった。

取材・文=山口智男 撮影=KOTARO YAMADA

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