カヤックフィッシングと相性のよいアオリイカ &余すことなくいただくアオリイカ料理
春は産卵のために浅瀬に来ている「春イカ」と呼ばれるアオリイカ。そして秋には生まれて少し育った「新子」と呼ばれるアオリイカ。どちらの季節もカヤックフィッシングとエギングは相性がよいのです。
そんなカヤックフィッシングで楽しいアオリイカと、新鮮な魚を食べることができる釣り人の特権! 釣ったアオリイカのお料理、とくに今回は、イカの肝と端くれ料理をご紹介します。
カヤックフィッシングとアオリイカ釣りは相性がいい!
写真はカヤックではなくマイボートです。カヤック同様、マイボートもアリイカ釣りと相性のよい釣り方ですね
カヤックフィッシングは1年中楽しめるアクティビティ。ですが、冬は服装に気を付けて防寒対策をしなければかなり冷え込みますし、夏は厳しい暑さのなか漕ぐので体力が奪われ、ときには危険なことも…。そんなわけで、春と秋がカヤックフィッシングのベストシーズン! 海況に恵まれた日には手軽に楽しめます。そんなカヤックフィッシングと同様、春と秋が好シーズンのアオリイカ! この組み合わせは最強ですね!
また…、
●比較的浅瀬にいるアオリイカなので、無理なく漕いで釣りを楽しむことができる
●ドテラ流し(風、潮に任せて流されながら釣りをすること)で釣るので広範囲を探れ、釣果が期待できる
といった理由からも、カヤックフィッシングとアオリイカ釣りは相性がいいんです。
余談ですが、カヤックの場合エギが根掛かりしても反対側に漕いでエギを回収できることが多いのも嬉しいポイントですね。
カヤックフィッシングを楽しむために!再確認!
先日、久し振りのカヤックフィッシングに出掛けた私。安全に楽しむために、釣り道具やタックルの準備は完璧でも、カヤックに必要なアイテムを忘れたらカヤックフィッシングは成立しないので、改めて準備品を再確認しました。
みなさんも、出掛ける前には必ず忘れ物がないか、とくに以下のものを確認しておきましょう。
・フラッグ(認識旗): 他の船に気がついてもらえるように
・ライフジャケット(フローティングベスト)
・パドルとパドルリーシュ: パドルとカヤックをつなぐヒモ
・ビルジポンプやスポンジ: カヤックに溜まった水を取るもの
久し振りのカヤックフィッシングで、
季節的に相性のよい「ティップラン」
出艇した日は、日の出の時点ではとても穏やかなものの10時には風が出てくる予報だったため、(陸に戻る体力を考え)9時半タイムリミットの短時間釣行の予定としました。
わが家は6時過ぎに出船したのですが、このごろはすっかり日の出が早くなりましたね。すでに海に出て釣りをしている方がいっぱいいました。
釣り方は「ティップランエギング」で、陸っぱりのエギングと同じように、「キャスト → 着底 → アクション → フォール」といった一連の動作で釣っていきます。アクションのあとのフォールからステイの待ちの時間を5秒~10秒くらいにしてねらっていきました(竿を止めてイカがエギを抱いてくれる時間を待つイメージ)。
地域によって多少違うと思いますが、今回のアオリイカのポイントは陸から500m~1000mくらい。水深は7m~12mくらいのポイントです。その間を流されては戻って…という感じでアオリイカをねらいました。
一度アオリイカを釣った経験があると取り憑かれるのか、1時間ときには2時間、3時間と、不思議なことに全然釣れなくてもドキドキ、ワクワクしっぱなしで集中してしまうのがアオリイカねらいの魅力! 私も取り憑かれている1人、すごいですよね(笑)。
この日もなかなか釣れないので、少し浅いところから探ろうと水深5mくらいのところまで漕いで戻ってみたり、いろいろ試していました。
そして釣り始めてから1時間半ほど経ったころ、水深5.3mのところでドンっという重みが! 掛けたあとは、巻いてはギューっと引っ張られるように持っていかれる感じ! 「間違いなくアオリイカっぽい!」さらに私の心拍数が上がりました。取り込みは慎重に!!!
そして……嬉しいですね~! 無事にアオリイカが釣れてくれました。あとで測ってみたら重さは1.2kg。春にしてはもう一声欲しいサイズですが、貴重な1杯でした。
釣り上げたあと、ほどなくして時間は9時! 風が少し出始めたので携帯で風予報をチェックします。「もう少しねらいたい、まだ釣っていたい!」という気持ちはありましたが、今回は久し振りだったこともあり、陸まで戻る体力を考え余裕を持って戻ることにしました。
(自分の体力と相談することも大事です)
釣ったからこそ新鮮で美味しい!
余すことなくいただく「肝と端くれ」料理
アオリイカはお刺身はもちろん、天ぷらやフライ、煮物と、なんでも美味しいですよね。でも1杯さばくと、目の周りや触腕など、食べられるのに少々利用しづらい「端くれ」が結構出てしまいます。
今回は釣り人特権、新鮮だからこそ美味しい、肝と端くれ(もちろん端くれじゃなくてもOK)の料理を紹介します。
アオリイカの「肝味噌炒め」
今回は早上がりだったため、釣ってから台所まで3時間も経っていない状態。写真では分かりにくいですが、いつも以上に新鮮なアオリイカです! さばいてみると、立派な肝が入っていました。
こちらを使って、1品目は「肝味噌炒め」を作っていきます。
美味しそうでキレイな肝だったので、ザルでこします。
こした肝に塩を少々、酒とみりんを大さじ1ずつ、肝の半分くらいの味噌を入れて、肝ソースを作ります。
ここに、さばいたときに余ったイカの端くれを入れて、テフロン加工のフライパンなら、油を引かずに弱火で火が通るまで炒めたらでき上がり。
(フライパンが焦げやすい場合はアルミホイルを敷いて焼くといいです)
調味料では出せない肝の濃厚な味わい、とても美味しいおつまみが完成です。作ってから数時間くらい経った方が味が整うので、ほかのお料理のためにさばいてる途中にサッと作っておくと、1品増えて最高ですよ。
「イカメンチもどき」
2品目は「イカメンチもどき」です。こちらも同様に、さばいているとお刺身や揚げ物などには使わない端くれが出てきます。触腕といわれる部位もこちらの料理には最適です。そういう部位はまとめてよけて、包丁で叩きます。
冷蔵庫の中に残っている野菜(なんでもOK! 今回はタマネギとキャベツとニンジン)をみじん切りにして、たまごとショウガと塩コショウとイカを混ぜたら、片栗粉でも小麦粉でもOKなので入れ、固まるくらいの分量に少量ずつ丸めます。
分量はこんな感じで、野菜が多めでもイカが多めでも適当で大丈夫です
ボールに材料を入れて
混ぜて少量ずつ丸めたら油を引いたフライパンへ
そのままでも美味しいですし、ポン酢や一味マヨネーズ、お好み焼きソースをかけても美味しいですよ。
アオリイカの端くれで作った「イカメンチもどき」の完成!「べっこう醤油パスタ」
伊豆大島産のお刺身を漬け込む「べっこう寿司」というお料理があります。以前、旅行したときに美味しかったので、べっこう寿司に使う「べっこう醤油」を購入していました。
3品目は、味付けの主役にべっこう醤油を使った「べっこう醤油パスタ」を作っていきます。
鶏がらスープにキャベツとイカの端くれを合わせフライパンへ。1分ほどで火が通ります。そのあと、べっこう醤油をひと回しし、茹でたパスタを入れるだけ!
大葉と島海苔をのせたら完成です。かんたんに作れるパスタなので、ひとりランチに最適! そうめんやうどんなどでも美味しくいただけます。イカとべっこう醤油も合いますし、とても美味しいですよ。
今回は、久々のカヤックフィッシングでアオリイカが釣れてくれて本当に嬉しかったです。
カヤックフィッシングは天気が穏やかな日であれば、たとえ釣れない時間でものんびりと贅沢な時間を過ごせます。また、ときには向かい風で漕ぐこともありますが、自然の中で筋トレをしている(?)感じも好きです(笑)。カヤックフィッシングは本当に気持ちがいいですよ~。
穏やかな天気に恵まれた春と秋には、相性のよいアオリイカ釣りにトライしてみてはいかがでしょうか?
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レポーター
プロフィール:伊藤 友夏
千葉県市川市と館山市の2拠点生活。
栄友丸という船名でカヤックフィッシングとマイボート釣りをし、キャッチ&イートを楽しむアングラー。キャンプや温泉旅行も大好きなアクティブ派。
インスタグラム:
@eiyumaru_357 (URL: https://www.instagram.com/eiyumaru_357/)