【京都和菓子】石清水八幡宮門前の老舗銘菓『走井餅』は浮世絵にも描かれた素朴な美味しさ☆
おおきに~豆はなどす☆今回は京都府八幡市、石清水八幡宮門前にある和菓子の老舗。江戸時代に誕生した銘菓『走り餅』は東海道五十三次にも登場する銘菓。
名水処として知られる石清水八幡宮門前の銘菓『走井(はしりい)餅』
京都府八幡市、石清水八幡宮門前にある和菓子の老舗『やわた走井餅老舗』があります。この日は男山を徒歩で登っての参拝後、休憩がてら甘いものを食べようと立ち寄りました。
こちらの看板商品『走井餅』は歴史の古い和菓子の一つで、江戸時代中期の明和元年(1764年)にもともと滋賀・大津にあった井戸『走井(はしりい)』の水を用いて作れたお菓子。走井は成務天皇の産湯にも使われたという名水で、そんな名水を使った特別なお菓子。
かつて東海道五十三次の茶店で振舞われた人気菓子で、歌川広重の浮世絵『東海道五十三次』の大津宿の絵にも描かれ、さらに俳人・高浜虚子も俳句で詠んだ銘菓。
個人的には、大津の和菓子というイメージが強かったのですが、明治時代にここ石清水八幡宮の門前に移転され、この地の銘菓として引き継がれています。あと、昔は走井餅のCMがあったり、移動販売車で「はしりぃ~もち~」とアナウンスして売りに来られていた、微かな記憶があり(笑)
この日は寒かったので利用しませんでしたが、屋外でもお庭を見ながら食べられるスペースがあります。
店内は販売スペースの隣に飲食スペースがあり、古い落ち着いた佇まい。
床の間には季節の生け花と掛け軸があり、春のしつらえ。
古い時代の看板ですかね。飾られていました。
そして、こちらが広重作『東海道五十三次』大津宿の浮世絵。その隣にはその浮世絵に登場する茶店の写真が飾られ、それだけ歴史の古い和菓子であることがわかります。
メニューはこちら。走井餅はもちろんですが、季節の和菓子、桜餅やいちご大福などと組み合わせることも可能。
他、ちょっとした軽食感覚の磯辺焼きなぜんざい、おうどんもあります。
で、今回は走井餅一択で、お抹茶、コーヒーのセット(各700円)を注文。
見た目からもわかる手づくり感あふれる素朴さが、いかにも東海道途中の茶店的お菓子といった風情でほっこり。
この独特的な形は刀型になっており、平安時代の刀鍛冶・三條小鍛冶宗近が走井で名剣を鍛えたという故事にちなみ、剣難を逃れ開運出世の縁起を担いだものと伝えられています。
で、実食の走井餅。
ぷにぷにとしたお餅は羽二重餅になっていて、その柔らかさが特徴。切るときもその弾力と粘りでモチモチ。中には北海道産小豆でつくったつぶあんになっており、一口食べると口溶けがよくとろける美味しさ。
お抹茶も比較的濃いめで、コクと旨味を十二分に感じられる上品な味わい。ちょっと疲れた身体を癒すにふさわしい美味しさでした。
ふと、壁に俳句の短冊を見つけ、そこには高浜虚子の句。
『真清水の 走井もちを 二つ食べ』
虚子の詠んだ時代の『真清水』はもちろん走井の水になりますが、石清水八幡宮も名水の宝庫として知られ、そんな名水使いが今も続く銘菓ということですね。やわたのはちまんさんのパワーにもあやかれる銘菓。境内でも販売されています。ぜひ、参拝後に食してみてください!ヨ~イヤサ~♪
詳細情報
店名:やわた走井餅老舗
場所:京都府八幡市八幡高坊19
電話:075‐981‐0154
営業時間:9:00~17:30
定休日:月曜日(祝日の場合は翌日休)
公式サイト:http://www.yawata-hashiriimochi.com/