市議居住実態の異議申出 赤穂市選管が棄却「生活の本拠あったと判断」
今年4月の赤穂市議選で当選した議員の1人をめぐり、立候補に必要な市内居住実態に疑義があるとして当選の無効を求めた異議申出について、市選挙管理委員会は6月30日、異議申出の棄却を告示した。
選管が告示した決定書によると、異議申出は4月6日に行われた市議選で初当選した山谷真慶氏(56)について、「生活の本拠は赤穂市に存在せず、住所要件に疑義がある」として、同選挙で次点だった菅原真樹氏(61)が選挙翌日の7日付けで提起。山谷氏は「昨年8月に市外へ家族全員で転出したが、11月に単身で戻った」とし、立候補に必要な要件(今年1月6日〜4月6日の3か月間の居住実態)を満たしていたなどと反論した。
選管は山谷氏から提出された光熱水費の使用量がわかる書類や買い物レシートなどのほか、双方から意見陳述を聴く場を設けるなどして審理。その結果、水道使用量については「一人世帯であれば特段不自然とはいえず、使用水量が少ないものの日常生活はできていた」と認定。電気使用量についても「一人世帯の1か月あたりの平均使用量を上回っている」とした。また、日用品などの購入レシートや飲食店、ガソリンスタンドの領収証の大半が赤穂市内の店舗であることなどを踏まえ、「現住所地に生活の本拠があったと判断することが相当」と結論づけた。
市選管の決定を受け、山谷氏は「慎重かつ公正な審査を重ねて下したこの決定を、私は心より重く受け止め、深く感謝いたします。 この判断は、赤穂市民の皆様が私に託してくださった大切な民意が、何一つ揺らぐことなく、正当に認められた証」などとXに投稿。菅原氏は赤穂民報の取材に「市選管の調査は十分とは言えず、疑義は解消されていない。県選管へ不服申し立てする方向で検討している」と話した。
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菅原氏から回答がありましたので、記事を追記しました。(2025年6月30日22時00分)
山谷氏から「私が伝えたいと考えていることや、思いなどについては、Xに投稿させていただきました」と連絡がありましたので、Xからの引用でコメントを追記しました。(2025年7月1日8時35分)