86歳の現役メルカリ老人が書いたフリマアプリ必勝法は?【81歳メルカリ老人始めました】
今回は番外編。81歳からフリマアプリに出品を始めた父の奮闘記
265品売れて5つ星の評価。おじいちゃんでもできるんだ!
いつもお安い名店を紹介しているフリーカメラマンの望月やすこです。今回は番外編として、81歳からメルカリ出品を始めた実父(現在86歳)が書いた、落札してもらう必勝法?をご紹介します。
父はiPadを「アイパット」と書いちゃうくらいの“逆デジタルネイティブ”な人ですが、今では私の手助けなしで出品から発送までを母と二人でこなしています。メルカリ出品のおかげで、山のようにあった家じゅうの物がちょっとずつ減って、商品説明の文章を一生懸命考えるからボケずにいるし、発送のために出掛けるのも良い散歩になっています。
そして売り上げが貯まったら「どこに美味しいものを食べに行こうか?」と母と楽しそうに話します。ちなみに現在までの落札数は265で評価は5つ星!「メルカリに興味はあるけれど出品って大変なんじゃない?」と思っているアナタ。これを読めば「おじいちゃんでもできるんだ!」と勇気が湧くかもしれませんよ。
(以下、父が書いた原稿を私が打ち直したものです)
望月父郎81歳。「メルカリ老人」始めました。
使っていた携帯電話が傷んできたので変えなければと思っていた。近くに住んでいる娘に電話をすると「スマホ」にしたらと言われその気になった。
妻の方にも進められたが未だそう古くないので共同で「アイパット」を使う事になった。始めての事で全く分からない。まずは娘の目の前で教わりながら手を動かして、の連続だった。何しろ「携帯」ですら身内の間で用のある時しか使わない位なのだから。
何度教わっても、自分が動かす番になると総て忘れてしまう。メモも取ってそれを見ながら 何回もやりどうやら分かった気がして、家でやってみるのだが全々駄目で、忘れている。 娘に電話もして思い出しながらまた始めから、という具合だった。
娘は外に出る仕事でマスコミに関係した用が多く、待った無しで出掛けるので何度も聞く事は難しい。それでも仕事の帰りに寄ってくれたりして幾らか身について来た。
きっかけは娘のひと言
ある時娘が家に寄って「メルカリをやらないか」と言う。使用しなくなった物、昔の物など「ネット」を通して売買するという話である。古い本は随分あるし、珍しい品も少しは持っているので、筋も少しは出て来て実行する事になった。
再び前回同様「アイパット」を教わった時の様に一から学び始めた。繰り返しの結果どうやら自分で出品の写真を撮り自分で説明文の表示も出来る様になった。本式の取り引きが始まり、まず五点程出品した。
名付けて「スパイ?カメラ」。はて、売れ行きは…
1週間位して、注文が「アイパット」の画面に表示されて代金も支払われていた。売れた品は片方の手に収まるくらいの3、40年程前のカメラで、自分が山に登る時などポケットに入れても場所を取らないので重宝していた物だった。シャレで「スパイ?カメラ」と名付け出品した。
今は写るかどうか分からないのでその事を表示し価格も低くした。初めての事なのでうれしくて妻も喜んだ。郵便局に行く配送の手続きはまだ経験が無いので娘に頼み、現場を見学し雰囲気も味わったが、次の自分は大丈夫かと思った。
少し間を置き、売れたのは、折りたたみ式の地図で新東名の高速道路の出来る前とその後の地図が偶然同じ県のものであったため比べて楽しんでもらったらと思って出品したのだった。
本当に俺で良いのか…?でも嬉しかったアンケート
だんだん「メルカリ」にも慣れて来て、間はあったが確実に売れる様になった。ある日「メルカリ」の会社から、どうしたら売れるかのアンケートが来た。
本当に俺で良いのか? 半分は疑いの気持を持った。とにかく今だに「メルカリ」や「アイパット」の用語や細かい操作も分らない自分で良いのか? 半分は疑問を持った。しかし嬉しくもあった。
返事としては、出品する商品に対して、メーカーや版元文字の表示だけでなく、自分の言葉も付け加える事を答えとした。出品をしていて写真の写し方にも工夫しだいで大分違ってくる事を実感した。
岡本太郎の絵入りのトランプの売れた時には分りやすく、また豪華に見える様に立体的に積み上げた。これはカメラマンの娘が写した。高値で売れた。
数千円で買った物が壱萬円以上に
本を売る場合「メルカリ」では最低価格、三百円から売るように決められているが町の古本屋では百円から売っている。こちらは送料が加わるから中身の価格は同じくらいにはなるが売りにくい。本に関して、自分の所では千円以下でないとなかなか売れない。
しかし驚くほど高く、しかも出品したらすぐ売れてしまう場合がある。数百円の定価の本が五千円 以上、数千円の物が壱萬円以上で売れた。
メルカリではない所では倍以上の売値で出ていた。初版か売れ筋の品であったかと思う。売れた本の種類や系統が同じであれば、書名の違う本でもすぐ売れてしまう事が多々あった。売れ筋の品にほかにどんな物かあるか注意する癖が付いてしまった。
ボロボロの皮ベルトを出品したら…
ある日、皮のベルトを出品した。娘がそれを見てビックリしたと言い家に寄った。すぐ売れたと言うと二重にビックリした。皮の表面が大分傷が付いていてボロボロに見えて真逆売れるとは思わなかったと言った。
読売新聞に、この頃の若者は昔の物を好む人が多く、集める人もいるとかの記事がヒントになったと伝えた。皮バンドはただ古いだけでなくベルトの金具が簡単に見えても工夫があり、外国の一流メーカーのもので、その金具だけでも他のベルトに使える。それで売れたのか、と思った。
やりたい事が多い毎日。これも「ガンバル」
自分の品物は常に三十くらい表示しているが一日に何品も売れる事もあり、そうゆう時、追加する事を忘れてしまう場合がある。
ただ自分の時間も欲しい。「メルカリ」の仕事を始める前からの事だが、友人が電話のあと必ず「ひまで困る」と言う。こちらは自分のやりたい事が多すぎてトイレの中で本を見ることも度々な位なので、「メルカリ」の追加の方は少しゆっくりにしようと思うのだがやはり、手を抜くと売れ方が少なくなってしまいそうだ。
これも自分のやりたい時間の一つだから「ガンバル」。
文・望月父郎
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