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【Jリーグ1部開幕】県内4チームの今季展望は?イチオシの選手は?番記者の最新情報を紹介!

アットエス

静岡トピックスを勉強する時間「3時のドリル」。今回のテーマは「Jリーグ1部開幕」。先生役は静岡新聞の寺田拓馬運動部長です。(SBSラジオ・ゴゴボラケのコーナー「3時のドリル」 2025年2月13日放送)
(寺田)今年もJリーグ1部が開幕しました。各チームに新戦力が加わって、それぞれのサポーターにとっては、毎年この時期、一番期待が高まってわくわくするときですよね。今日は、たっぷりJリーグの話をしたいと思います。各チームの番記者に今季の展望とイチオシ選手を聞いてきましたので、順番に紹介します。

(山田)教えてください。

(寺田)その前に、今期ってちょっと特別なシーズンで各チーム例年以上に力が入ってるんですが、どうしてかご存知ですか?

(山田)確か2026年にJリーグはいろいろ変わるんですよね。何が変わるんだ…チーム数?

(寺田)チーム数は変わらないです。実は、春に開幕して秋までリーグ戦を行う大会方式って、今期が最後なんですよ。秋春制への移行って聞いたことありますよね。現在も、バスケットやバレーボール、ラグビーなどは、日本でもプロリーグが秋に開幕して冬を越して春までなんですね。

夏の暑い時期は選手のパフォーマンスが落ちるので、夏を避けて試合をしようってことなんです。詳しい秋春制への移行問題については、また改めて解説しようと思いますが、リーグ戦を今季は今まで通り春から秋まで行い、来季は秋から春までになると、どうなるか。というと、来季の春から秋までの期間、リーグ戦が空白になっちゃいますよね。

(山田)そうですね。

(寺田)来年の前半はその空白を埋めるため、J1は東西10チームずつ、J2、J3は計40チームが東西南北の4グループに分かれて地域ごとの特別なリーグ戦をやることになってるんです。それで、「この特別なリーグ戦での昇降格はなし」って決まってるんですよ。

ということは、JリーグはJ1からJ3まですべて毎年3チームずつ昇降格で入れ替わることになっていますが、今季昇格すれば、少なくとも1年半は同じリーグにとどまれるんです。

(山田)そういうことか。

(寺田)しかし、逆に昇格を逃したり、降格したりしたりすると、リベンジのチャンスは1年半後になってしまいます。だから、県勢で言うと、J1に昇格した清水は最低限、絶対に残留したいんです。J2に降格した磐田はなんとしても、この1年でJ1に戻りたいってことになります。

清水は「土台作りの1年」

(寺田)ここから本題に入ります。まず清水は3季ぶりのJ1舞台ですが、今季の目標を「10位以内」に設定しています。「10位以内」は控えめとも言えますが、シーズン移行の関係もあり、クラブの経営規模を踏まえ、現実的な順位目標を掲げ、J1で戦い続けるための土台作りの1年にしようとしています。

(山田)なるほど。

(寺田)J2で優勝した昨季は26勝4分け8敗と安定的な戦いを見せました。ただ、2年連続でキャプテンに就任したFW北川航也選手が「自分たちがJ2にいる間、J1のリーグ全体、そして各チーム、選手個々はかなりのスピードで成長している」と話していて、危機感を強めています。J1相手にどこまで戦えるか。今季は始動から、全ての面でスピードと強度の上積みを意識しているんですね。

秋葉監督が10日間の鹿児島キャンプで掲げたテーマは「ブラッシュアップと融合」でした。戦い方のベースは変えずに、新戦力を含めて競争を促したんですよ。最終日には、磐田と練習試合で静岡ダービーを行いました。雷雨で打ち切りになってしまって、実戦不足は否めない面はありましたが、指揮官は仕上がりに手応えを示していました。
 
(山田)ふーん。

(寺田)番記者イチオシの選手は、DFで背番号66の住吉ジェラニレショーン選手。フィジカルの強さとスピードを生かした守備が持ち味の選手で、昨年はチームでMVP級の活躍を見せ、J2でベストイレブンに選出されました。今季は副主将になりチームを引っ張る覚悟をにじませています。住吉選手は、広島時代にスタメンになれなくて清水に移籍してきました。今季、第3節で早速広島との対戦を控えているので、やってやろうと意欲を燃やしています。

清水のチーム全体を見渡してみると、元日本代表のGK権田修一選手は抜けたんですが、トップ下のベテラン乾貴士選手が健在で、各ポジションにバランス良く補強ができました。FWは北川選手以外にもフィジカルに優れたタンキ選手が好調ぶりをアピールし、ブルガリア代表のアフメドフ選手も加わり、それぞれ違った特徴を持つ選手がそろっています。客観的に見てJ1を戦う戦力は整っていると思うので、国立で行う東京Vとの開幕戦を制すれば、勢いに乗って「10位以内」という目標は軽くクリアできるんじゃないかと期待します。

磐田は新監督の元、J1復帰を狙う!

(寺田)磐田は昨季はJ1で18位と低迷し、最終節で4度目のJ2降格が決まるという屈辱を味わいました。昇降格を繰り返してきたクラブは、J1復帰とともに、J1定着からJ1でタイトルを狙えるチーム作りを前のJ1横浜マリノスの監督ハッチンソン氏に託したんですよね。

新監督が繰り返し選手に言い聞かせる言葉があるんですけども。

(山田)何ですか?

(寺田)「ロボットになるな」って言っているんです。ボールを握って攻め込むことを目指しながら、守備でもハードワークを求めていくんですが、なにより「判断力」を攻守両面のキーワードに掲げています。チーム戦術の共通理解を進めるとともに、選手個々の能力を高められるかが鍵になります。
 
(山田)昨シーズンはJ1だったので、側から見ていて、戦力が出てちゃったなっていうイメージはありますけど。大丈夫ですか?

(寺田)そこで、番記者のイチオシ選手を…。

(山田)教えてください。

(寺田)MFの倍井(ますい)謙選手。今季、J1名古屋から期限付き移籍した得点力のあるアタッカーで、名古屋ユース時代は日本クラブユース選手権で優勝し、自身も得点王を獲得した23歳の逸材です。スピードと技術を兼ねそろえた突破力が武器で、磐田で武者修行をして、今季は左ウイングを担います。ハッチンソン監督が「非常に大きなポテンシャルを持っている」と期待を寄せていますし、磐田でブレークして日本代表のMF三笘選手のような存在になれるか注目したいですね。

一方で、チーム全体として、攻撃陣は昨季J1で19得点のFWジャーメインが移籍した穴をどう埋めるかが課題です。倍井選手とともに、福岡からの新加入でトップ下を担いそうな佐藤選手も活躍が期待でき、長身FWのペイショット選手や、藤枝からセレッソ大阪を経て昨季加入したFW渡辺選手らが決定力を示せば、問題は解決しそうです。

(山田)そうなんですね。

(寺田)守備面については、昨季失点数がJ1リーグワーストタイでしたが、補強で選手層の厚みが増しました。主将の元日本代表GK川島選手は「クラブとして強くなっていくためには、選手たちも変わっていかなければならない」とげきを飛ばしています。

(山田)川島選手が一番後ろにいてくれるってことは本当に磐田にとって力になりますからね。

藤枝は原点回帰で、目指すはJ1!

(寺田)そして、J2で3季目の藤枝。

(山田)藤枝、頑張ってほしいなー。

(寺田)須藤監督と言えば、キャッチフレーズは?

(山田)「超攻撃的エンターテインメントサッカー」。

(寺田)そう。それが、今季掲げるスローガンはひと味違って、「超・超・超攻撃的エンターテインメントサッカー」なんです。

昨季は、プレーオフに迫りながら13位。この教訓を踏まえて、今季はさらに原点回帰したスタイルに振り切り、J1経験クラブが11に上る史上最高レベルのJ2で昇格を狙っています。

須藤さんはJ3時代から5季目になります。守備ラインを高く保ち、前線からハイプレスをかける戦いはそのままに、約半数の16人を新加入させ、大幅な選手の入れ替えで強度と精度を高めました。特に充実したのは前線3枠。最前線は、昨季J3で11得点の松木駿之介選手、189cmのディアマンカ選手が加入し、千葉寛汰選手も清水からの期限付き移籍を延長して激しい競争を繰り広げています。
 
(山田)いいですね。

(寺田)そんな中、番記者の一押しは浅倉廉選手。静岡学園高の全国選手権制覇メンバーで大卒2年目です。昨季は、けがもあって2ゴール1アシストに終わりましたが、今季は鹿児島キャンプからキレのある動きを見せています。

(山田)そうなんですね。

(寺田)エース矢村選手が抜け、現時点で絶対的なストライカーが不在な中、浅倉選手には攻撃の核としてより得点に直結する働きが求められます。

先日、取材に行って浅倉選手に話を聞いたところ「今年は自分がチームの主力で中心にならないと」と意気込んでいました。髪の毛は金髪にしていましたが、性格は素直でほんといいやつなんです。期待しています。
 
藤枝は昨季、開幕から4試合ノーゴールで未勝利、シーズン最後も7戦勝ちなしと、悪い流れを断ち切れない時期があったんです。いかに須藤監督が言う「勝者のメンタリティー」を手に入れるか。若手主体のチームは精神面の成熟も求められます。

(山田)磐田から移籍した金子翔太選手にも期待ですね。

新たな「沼津スタイル」確立なるか!?

(寺田)大トリは、沼津です。昨季は序盤好調でしたが、勢いを終盤まで維持できず、10位に終わりました。

(山田)序盤すごい好調でしたよね。

(寺田)首位争いをしてましたからね。中山雅史監督が就任3年目を迎え、新戦力は10人。ただ、11得点を挙げたFW和田育選手や推進力のあるFW津久井匠海選手、DF浜託巳選手を含む多くの主力選手がクラブを去ってしまいました。

そんな中、大卒6人を加え、若い選手を多くそろえました。元日本代表のFW川又賢碁選手と斎藤学選手は残り、若手との融合が鍵になりそうです。選手だけでなくコーチ陣も様変わりし、新たな「沼津スタイル」を確立できるかどうかというところです。

(山田)斎藤選手が、「中山監督は厳しい」って言ってました。

(寺田)練習は厳しいようで、結構走っているみたいですね。番記者も「主力がごっそりと抜けたので、まだまだ未知数」と、今季の戦いに対して期待と不安が入り交じっているようですが、一押しはDFの宮脇茂夫選手ということです。

昨季はけがに苦しんだ時期もありましたが、その間に「筋トレにはまった」そうで、体が一回り大きくなり、パワーアップしました。まだ23歳ですが将来性があり、背番号も昨季の26から、今季は2番になりました。左足の強力なキックがあり、昨季はリーグ戦で「まるで元ブラジル代表のロベカルか」っていうようなFKを決めて話題を集めました。2年目の飛躍に期待したいですね。

選手それぞれの物語にも注目

(寺田)プロスポーツって、スピードや技術などに加え、エンターテイメントとして観客を楽しませるプレーが魅力なんですが、その裏には選手個々のプロ意識と覚悟があるんですよね。表の華やかさだけではなく、舞台裏の物語にも注目していただけたらと思います。

新たなシーズンは、4チームの飛躍を期待しながら、選手の内面に迫る物語を静岡新聞の紙面やウェブサイト、この「3時のドリル」でもお伝えしていきたいと思うので、楽しみにしていただきたいです。

(山田)Jリーグ開幕ということで、皆さん楽しんでいきましょう。今日の勉強はこれでおしまい!

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