1日が24時間じゃなくなる!?1年に3cm、月は地球から遠ざかっている?【眠れなくなるほど面白い 図解プレミアム 宇宙の話】
月と地球との距離は、月が地球を回る軌道が楕円形なので、もっとも離れているときで約40万キロメートル、もっとも近づくときで約36万キロメートルとなります。ちなみに、地球にもっとも近いときの満月を「スーパームーン」といいます。スーパームーンは、もっとも遠い満月に比べて15パーセント近く直径が大きく見えます。さて、月が地球から遠ざかっているという話ですが、確かに月は毎年3センチメートルほど地球から遠ざかっています。
月が遠ざかるにともなって地球の自転も月の公転も遅くなっています。月ができたばかりのころの地球は1日8時間ほどの速さで自転していましたが、月が遠ざかるにつれて、自転速度が遅くなり現在は1日約24時間になっています。そして、将来的には1日はもっっと長くなるのです。実は、月が離れていって最後はどうなるかというのはおおよそわかっています。最後は、地球から見て月は同じ場所に止まって、そこで満ち欠けを繰り返します。そのときの地球の自転は、約47日で1130時間です。とはいえ、こうなるのは計算上約100〜200億年先のこと。100年たってやっと3メートルですから、いまの私たちが生きている間になにかが起こることはないでしょう。
もちろん、遠い将来には人類を含めた地球上の生物にも大きな影響が出ることになるかもしれません。しかし、それらの変化はゆっくりと進みます。変化に合わせて、地上の生命体もゆっくりと適応しながら進化していくのではないでしょうか。
出典:『眠れなくなるほど面白い 図解プレミアム 宇宙の話』 著:渡部潤一