物語に自分の思い描く雰囲気を決定づける世界観の設定基本パターンとは!?【テクニックでセンスを超える!プロが教えるマンガネーム】
読者を引き込む魅力的な世界観を考える
世界観は物語に雰囲気を決定づける要素です。自分の思い描く雰囲気に合った世界を構築しましょう。
世界観は、登場人物をまるで実在するかのように思わせ、読者を物語に引き込むために重要な要素です。これがしっかりつくられていると、リアルな物語にすることができます。
世界観の設定基本パターン
実在する世界
過去が舞台のパターン
古代・中世・近世・近代といった昔の時代を切り取る・時代考証をして、史実に基づいた世界にする必要がある。
現代が舞台のパターン
私たちが生きる今の時代を描く。現実味があり、読者に違和感を抱かせないことが重要。
世界観は、実在する世界と実在しない世界に大きく分けることができます。まず、実在する世界を描く場合は、さほど世界観を物語中で説明せずとも、読者にある程度理解してもらいやすいというメリットがあります。ただ、史実に沿った正しい内容にしなければならず、特に現代を舞台にする場合、現実味のある世界でなければ読者は違和感を覚えてしまう可能性があるので気をつけましょう。
実在しない世界
架空の世界が舞台のパターン
現実世界をベースに、オリジナルの要素を加えて架空の世界を創造する。
未来が舞台のパターン
既存のSF作品や学説から着想を得て、そこにオリジナルの要素を自分なりの好きな要素を加えて創造するとつくりやすい。
「もし〜だったら」のパターン
実際の事件や出来事の結果をひっくり返す。詳細がわかりやすく、かつ斬新であることが求められる。こちらも事件の考証が必要。
実在しない世界を描く場合は、現実をベースにして、そこに好きな要素を加えるという方法がおすすめです。たとえば、明治時代の東京が舞台ながらも魔法が登場するバトルファンタジーや、中世ヨーロッパっぽい建物や服が登場する異世界ものなどです。一から世界をつくる必要がないので描きやすいうえに、読者もイメージしやすいでしょう。ただし、現実の世界との違いについてはストーリー序盤に説明や描写を入れる必要があります。
未来を舞台にした物語を描きたい場合は、既存のSF作品や最近の研究・学説を参考にベースを設定し、オリジナル要素を加えます。
このほかに、「もしも~だったら」という設定で話の世界観をつくるのもアリです。もし織田信長が本能寺の変で生き延びていたら・・・・・・というふうに、実際に起こった事件や出来事の結果をひっくり返して創作に使うと、読者の興味を引く世界観にすることができます。
世界観づくりのコツ
物語に登場しない細かい部分も考えておくと、世界観がよりしっかりとしたものになり、ブレにくくなります。
これらの方法を参考に、自分なりの世界観を創造してみてください。
【出典】『テクニックでセンスを超える! プロが教えるマンガネーム』著:佐藤ヒロシ