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愛犬の命を守るための災害への備え

1.避難場所の確認をすること

お住まいの自治体から発行されている「ハザードマップ」から、避難場所を確認しましょう。

ハザードマップは冊子が配布されている場合もありますし、お手持ちがない場合には、インターネットで「お住まいの地域名　ハザードマップ」と検索してみましょう。

避難場所として指定されている場所には、施設（建物内）や公園などがありますが、建物内への避難は、愛犬と「同伴避難（建物内に一緒に入ること）」ができないことがあります。

愛犬と同伴避難ができる施設（建物）があるのか、ない場合はどこに避難するのか、ということまで確認しておくべきです。

避難場所としていくつかの候補を上げ、愛犬と実際に歩いて行ってみてください。避難場所までのルートも確認しておくとよいと思います。

歩いて行くのか、抱っこして行くのか、ペットカートに乗せて行くのか、リュックに入れて背負って行くのか、車で移動するのかなど、様々な状況を想定することも大事です。

2.愛犬用の災害グッズを準備すること

✔首輪、ハーネス、リード
✔トイレシート（処理袋）
✔ケージ、クレート、キャリーバッグ
✔バスタオル
✔防寒服
✔食器
✔ドッグフードと飲料水

最低限これだけは準備しておくと安心できます。首輪またはハーネスには迷子札をつけるなど、愛犬と飼い主が離れてしまったときの対策もあるとよいと思います。

3.災害時にも役立つ基本的なしつけをすること

✔トイレシートで排泄ができる
✔呼び戻しができる
✔他人や他犬と過ごすことができる
✔ケージの中で過ごすことができる

これらのしつけは、日頃から愛犬の安全と命を守り、愛犬が快適な生活を送るために必要な基本的なしつけです。

災害時にも愛犬の安全と命と快適を守ることができるしつけです。他人や他犬と避難生活を送ることになった場合にも、周囲に迷惑をかけないために必要なしつけです。

4.予防接種をしておくこと

✔狂犬病予防注射
✔混合ワクチンの接種

これらの予防接種をしていない場合、避難場所へ立ち入ることができません。犬を保護してくれる団体に預かってもらうこともできません。

接種済であることの証明書は、愛犬用の避難グッズと一緒にまとめて保管しておくとよいと思います。

屋外で避難生活を送らなければならない場合、愛犬が感染症にかかりやすくなります。狂犬病予防注射は法律で義務付けられています。

混合ワクチンの接種は任意ですが、愛犬の健康と命を守るため、接種するべきです。

5.他人に預けられることに慣れること

災害時、飼い主と一緒に暮らすことができなくなる犬がいます。

家族に預ける場合もあるでしょうし、知人に預ける場合もあるでしょう。保護団体に預けるなど、愛犬にとって初対面の他人に預けなければならない場合もあります。

機会は少ないかもしれませんが、他人に預けられることや、他人のお世話を受けることに慣れるためのトレーニングをしておくと安心できます。

月1のトリミングに通っている犬、犬の保育園や幼稚園や学校に通っている犬、飼い主の出張が多くペットホテルや動物病院に預けられることが多い犬は、すでに慣れているかもしれません。

そのような機会が全くない場合には、離れて暮らす祖父母や両親や兄弟姉妹にお願いし、短時間でも他人に預けられることに慣れる練習をさせてもらうとよいのではないでしょうか。

まとめ

愛犬の命を守るための災害への備えを5つ解説しました。

✔避難場所の確認をすること
✔愛犬用の災害グッズを準備すること
✔災害時にも役立つ基本的なしつけをすること
✔予防接種をしておくこと
✔他人に預けられることに慣れること

自治体が発行しているハザードマップ以外にも、公益社団法人 日本愛玩動物協会が発行している「人と動物の災害を考えよう」「いざというときのために ペットと被災したら」も参考になります。

また、環境省から発行されている「人とペットの災害対策ガイドライン」もあります。どれもインターネットで検索して見ることができますので、ぜひ確認してみてくださいね。

(獣医師監修：寺脇寛子)