名店の美味しさを受け継ぎ10年!神戸三宮『そば処 堂源』で味わう数量限定すだち蕎麦 神戸市
神戸・三宮のトアロードから一本西側の通り沿いにある『そば処 堂源』(神戸市中央区)で、名物「すだち蕎麦」の提供が始まったと聞き、取材に行ってきました。
このあたりは通称「トアウェスト」と呼ばれ、オシャレな飲食店やショップが立ち並んでいるゾーン。その一角にあるビルの2階に見える黄色の看板が目印です。
レトロモダンな螺旋階段を上がると、店の奥の入口からずらりと並ぶ待合の椅子に、人気店であることがうかがえます。
店内では店主の東野ともえさんが厨房でそばを作り、2人のスタッフさんがカウンターとテーブルが配置されたフロアを任されています。
同店は2015年にオープンし、今年で10周年。東野さんは三宮・加納町にあった名店『堂賀(どうか)』で修業。その受け継いだ味を守り、2024年には「食べログそばWEST百名店」に選ばれています。
「毎朝6時からそばを打ちますが、仕込みなどもすべて一人でやっているため、1日にたくさんの量は用意できません。早い時間に売り切れてしまうこともあり、(来店者に)迷惑をかけることも」と話す東野さん。その丁寧な仕事ぶりは、店内にある一枚の張り紙からも伝わってきます。
カウンターに座り、お目当ての「すだち蕎麦」を注文。厨房から強い柑橘の香りが漂います。なんと一杯に丸々3個ものすだちを使用するそう。
目の前にすると、改めてその芸術的な美しさに惚れ惚れ。薄くスライスされたすだちが隙間なく敷き詰められ、見た目にも涼しげな様相です。
こちらのそばはこだわりの九割。これも「堂賀」仕込みの割合で、そば粉はもちろん小麦粉についても産地の出来具合や季節によって慎重に選定されているそう。そば粉の風味と香りそのままに、つるっとしたのどごしと食感を楽しめます。
また、カツオと昆布のだしが香る上品なつゆは、淡白ながらすだちの強い酸味にも負けない味わい深さ。長い時間すだちを入れっぱなしにしていると、どうしても渋みが出てくるそうで、このつゆの美味しさの邪魔をするのだとか。
気になる人はよけて食べ進められるよう、別皿も用意されています。
ふと目をやると、壁にはすだちの写真の額が飾られています。これは、すだち蕎麦の美味しさに感銘を受けた写真家の故・安齋香代子さんから贈られたものだそう。
ご主人であるイラストレーターで『タモリ倶楽部』のソラミミストとしても知られる安齋肇(はじめ)さんと東野さんは交流があり、ご夫婦でお蕎麦を食べに来てくれていたとか。お店の一角には直筆のイラスト色紙も飾られています。
「大切な時間とお金を使うためにわざわざ来店していただくお客様には、必ず満足してもらいたい。味はもちろん、心地よい空間であるよう接客も心掛けています」と話す東野さん。名店の味を守りながら妥協を許さないそば作りに感服。次回はメニューにあった「田舎十割蕎麦」(1,450円・税込)もぜひ味わってみたいと思った筆者でした。
場所
堂源
(神戸市中央区北長狭通3丁目11‐17 ベルズコート2F-A)
営業時間
11:30~15:00
※商品売り切れ次第閉店
定休日
月曜日