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サイモン・ペッグ、ベンジー役は「着心地の良いスーツのよう」 ─ 『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』来日インタビュー

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新日家サイモン・ペッグは日本のブランド「サカイ(Sacai)」のセットアップを着用し、『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』での来日取材に応じた。2023年の前作『デッド・レコニング』でもプロモーション来日予定を組んでいたが、直前になって全米俳優組合のストライキが勃発したためキャンセルに。「まさにフライトの前日にキャンセルになってしまい、辛かったです」と振り返る。

※インタビューの様子はTHE RIVER公式YouTubeチャンネルにて動画公開中。

実は2024年には家族でプライベート来日しており、日本観光を楽しんだ。京都と東京に滞在。特に京都での日々は「心が休まった」と笑顔を見せる。「京都の穏やかで平穏なところが好きです。娘と来たんですが、娘にとっては初めての日本。本当に素敵な時間でした」。

活気あふれる東京も楽しんだ。お気に入りの場所を尋ねるとゲームセンターの「タイトーステーション」と即答。確かに滞在時、ペッグはUFOキャッチャーで獲得したを連れ帰る様子をInstagramに見せていた。

シリーズ最新作『ファイナル・レコニング』は、自身演じるベンジーとしても「キャリアの集大成」だと胸を張る。初登場は2006年の『ミッション:インポッシブル3』。その頃ベンジーの役どころは「研究室のいち技術者」にとどまり、出番もそう多くなかった。

「それが4作目の『ゴースト・プロトコル』でフィールド・エージェントになり、『ローグ・ネイション』と『フォールアウト』『デッド・レコニング』ではエージェントとしても人物としても成長しました。今作で彼はついにチームリーダーになります。演じるのもとても楽しかったですね。彼は立派に成長しました。」

©︎ THE RIVER

ベンジー役を演じて早20年近く。すっかり役が染み付いているので、撮影に期間が空いても瞬時に勘が戻る。その感覚は次の言葉によく表されている。「僕にとってベンジーとは、着心地の良いスーツって感じ。着れば気分が良くなって、すぐに馴染むんです」。

通算6作にわたってキャラクターが愛され、成長を続けてこられたのは「ベンジーも観客の一人のような存在だから」とペッグは考えている。「ベンジーがミッションを見つめる目は、観客がミッションを見つめる目と同じ。“一体何が起こっているんだ”ってね。彼の人間らしさや親しみやすさが、観客にとっての魅力になっているのだと思います。

©︎ THE RIVER

トム・クルーズが演じるイーサン・ハントを支え、いくつもの過酷なミッションを共にした。単なるサポートキャラクターにとどまらず、独立した魅力を放っている。「彼には人間らしさがあります。とにかく人間らしさだと思います。イーサン・ハントは魔法のパワーを持たずして、ほぼスーパーヒーローに近しい存在。トムもイーサンも、もはや人間離れしています。一方でベンジーはすごく普通。僕たちと同じようにリアクションを取るんです」。ペッグの柔らかな演技によって、ベンジーは観客と同じ目線でいてくれる。

トム・クルーズが命懸けのスタントに挑むたび、ペッグも「いつか失敗して死んでしまうのではないか」とファンと同じように心配した。それも、今では慣れてきたそうだ。「正直、最近じゃ彼が“月から飛び降りる”と言い出してもおかしくないし、もはや驚かない。“そうなんだ、トムはそんなことをやるんだ”って」。

こうした境地に至ったのは、クルーズに絶大な信頼を置けるようになったからだ。「100%を出し切らないなら仕事をする意味がない」という姿勢に、長年触発されてきた。「彼との仕事に、今ではすっかり慣れました」とペッグ。「もはや驚かなくなりました。だってトム・クルーズだし、それだけ準備をしてくるってわかっているから」。

<!--nextpage--><!--pagetitle: 「実は今作で、ベンジーがPTSDを患うという設定について話し合ったことがあったんです」 -->

本作でハイライトとなる南アフリカでの飛行機スタントシーンの撮影には立ち会えなかったが、「スタントパフォーマーとしてのトムのことはいつも信頼しています。彼は細心の注意を払って撮影に挑んでいる。とてもプロフェッショナルなやり方で取り組んでいるんです。こういうことができるのは、トム・クルーズしかいませんよ」と語る。「でも、もし現場にいたら恐怖で爪を噛んでいたと思います。むしろ現場に行っていなくて良かったかも(笑)」。

©︎ THE RIVER

スタントマンとしてのみならず、役者としてもクルーズにも尊敬の言葉を贈る。「僕はトム・クルーズとより親密なシーンやドラマチックなシーン、静かなシーンを演じるのも好きです。本作にもそういったシーンが少しあるのですが、とても気に入っています。だって、彼は役者としても素晴らしい。みなさんトム・クルーズといえばスタントを思い浮かべると思いますが、実は演技力も優れてるんです」。

トム・クルーズは走る姿だけでもシネマティックだ。日本では“トム走り”なんて呼ばれる。「なぜなら、彼が映画そのものだから。彼は歩く映画スタジオです。だから、走るだけでアイコニック。手刀のような手や、高く上げる膝。トム・クルーズといえば、あの走り方ですよね」。

そんな稀代のスターが演じるイーサン・ハントに、ベンジーは長年にわたって力を貸した。何度も冷や汗をかき、死にかけたこともあった。特に『フォールアウト』ではイルサ救出の場面で首を吊り上げられ、あわや死にかけたことも。ペッグは、「ベンジーが今でも悪夢に見ていそうな出来事」としてこのシーンを挙げ、「実は今作で、ベンジーがPTSDを患うという設定について話し合ったことがあったんです」と明かす。

「彼が経験してきたことには、必ずそういった影響が出るはずだから。でも、ちょっとシリアスすぎる気がして。この映画は明るくて楽しい。僕たちはアニメキャラクターみたいに、顔を叩かれ、ただ進んでいく。そういう具合ですから。」

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極限のストレスを抱えるであろうベンジーは、きっと自宅でゲームをしてリラックスしているだろうとペッグ。彼が聴いていそうな音楽について尋ねると、「なんだろう?きっと、マイナーなJ-POPを聴いているかも。それか、ピチカート・ファイヴ!」と、日本通らしい一面を覗かせた。

キャリアの今後について、「もっとドラマ作品での役を演じたい」と思い描く。「長年コメディをやってきたから、役者としてもっと違う筋肉を動かしたい。それから、今は監督業にも取り組んでいます。面白くて新鮮なことをやり続けるのが、僕の目標」。一方で新たなフランチャイズものにあまり関心はなく、マーベル映画での可能性にも消極的。「時間がかかりすぎ、人生の大部分を費やすことになるから」と、今は自分の道を独自に歩むことを大切にしている。「でも『スター・トレック』の新作は、またいずれできたらいいなと思っています」。

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監督のクリストファー・マッカリーについては、「毎作品で新しいことを学び、学んだスキルを次作に取り入れる」と話す。「本作では、彼がこれまでに習得したことが総動員されています。なので理論的に、本作は『ミッション:インポッシブル』史上最大かつ最良の一作になっています」。

いくつもの不可能(インポッシブル)を可能にしてきた『ミッション:インポッシブル』。陸も海も空も全てを駆け抜ける巨大シリーズとなったが、今後はどこへ向かうだろうか?

「わかりません。毎作、終わるたびに“これ以上できるのか?” “これを超えられるのか?”と言っています。想像も出来ないです。でも、いつも何とかやっている。次があるのかどうかは、ぜひ『ファイナル・レコニング』を観て確かめてみてくださいね。」

©︎ THE RIVER

ちなみに、『千と千尋の神隠し』カオナシのタトゥーを刻むほどのジブリファンであるペッグ。最新作『君たちはどう生きるか』はまだ観られておらず、鑑賞を楽しみにしているそうだ。ぜひ感想も聞いてみたい。

『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』は5月17日(土)〜22日(木)先行上映、23日(金)公開。

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