高松芹羽(柳ケ浦3年)がプロの門戸をたたく 【大分県】
柳ケ浦高校の高松芹羽(3年)が、女子プロサッカーWEリーグのノジマステラ神奈川相模原に入団することが決定し、1月30日に柳ケ浦高校国際交流会館で入団会見があった。長かった髪を切り、登場した高松は凜とした表情で「スタートラインに立っただけ。これからが勝負」と決意を語った。
高松はチームの主軸として、3年連続で全日本高校女子サッカー選手権大会(全日本選手権)に出場した。2年時には全日本選手権で3位、3年時には全国高校総体で3位という結果を残し、柳ケ浦の躍進を支えた。特に注目を集めたのは、高い身体能力を生かした守備とキャプテンとしてのリーダーシップだ。
ノジマステラ神奈川相模原の江沢慶強化担当部長は、高松の資質について評価する。「ボール奪取力やカバーリングの精度、スピードを生かした守備能力は非常に優れている。さらに、試合中のハードワークや声かけ、向上心あふれる姿勢はチーム全体に良い影響を与えるメンタリティを持っている」
会見の中で、高松はこれまでの道のりを振り返りながら、「正直、プロの世界に入れるとは思っていなかったので、とてもうれしい。これからプロの環境でどれだけ成長できるか楽しみ」と胸の内を明かした。さらに、「高校時代から『応援される選手になりなさい』と指導を受けてきた。これからもその姿勢を貫き、さらに多くの方に応援される選手を目指したい」と語り、初心を忘れない姿勢をみせた。
「これからが勝負」と決意を語った高松芹羽
ノジマステラの江沢部長は、高松の今後の成長についての展望を述べた。「今季は(なでしこリーグの)ASハリマアルビオンに期限付き移籍となるが、これは彼女の成長を促すための最適な選択だと考えている。ディフェンス能力に加えて、広い視野でのプレーをさらに伸ばしてほしい」。プロとしての第一歩を踏み出すにあたり、高松には実戦を通じて新たな経験を積むチャンスが用意されている。
会見を見守った父親の秀造さんは「これまで以上にレベルの高い舞台での勝負になるが、やりたいことを全力でやればいい。サポーターに愛される選手になってほしい」と激励した。母親の侑那さんは「小さい頃から活発で運動神経が良い子だった。けがの心配はあるけれど、大好きなサッカーを思い切り楽しんでほしい」と語り、娘への思いを込めた。
また、高松を3年間指導した林和志監督は「高松の成長で特に印象的だったのは人間性の部分だ」としみじみと語る。「入学当初はフォワードやミッドフィルダーとして活躍していたが、練習を重ねる中で守備力が光る場面が多く見られるようになった。そこで、思い切ってディフェンスに転向させる決断をした。人としての思いやりや行動力がサッカーの成長に直結し、大きな飛躍を遂げた」と、その成長ぶりを振り返った。
高松芹羽の歩んできた道は、努力と仲間への思いやりに満ちたものだった。ディフェンスへの転向という大きな決断が、才能をさらに引き出し、全国大会での輝かしい成果につながったのは間違いない。リーダーシップと人間力を武器に、プロの舞台でさらに成長を遂げる姿に期待が高まる。
苦楽を共にした同級生たち
(柚野真也)