【押山清高監督「ルックバック」】 雨中の疾走場面が秀逸
静岡新聞教育文化部が200字でお届けする「県内アートさんぽ」。今回は、静岡市葵区のシネシティ ザート、浜松市中央区のTOHOシネマズ浜松、沼津市のシネマサンシャインららぽーと沼津で6月28日から上映中の押山清高監督「ルックバック」。藤本タツキさんの漫画原作をアニメ化。
学校新聞の4コマ漫画連載を契機に互いの存在を知る小4女子の藤野と京本。全霊をかけた共作が人気週刊漫画誌の連載にまで至るが、ある日突然の分岐点が…。ほぼ原作に沿っており、丁寧な着色が東北地方の四季や2人の心身の成長を鮮やかに伝える。コミックでは見開き1カットだった、藤野がうれしさをこらえて雨中を疾走する場面が秀逸。方言も効果的で、声優吉田美月喜さんの発声は、引きこもりの京本「そのもの」に感じられた。(は)