【リアル給与明細】45歳、事務職。年収アップは難しい……。NISAを教えてください【FPが解説】
読者から寄せられたリアルな給与明細を大公開。質問内容から、改善できるポイントがあるのか、ファイナンシャルプランナーが解説します。【45歳 事務員】
【リアル給与明細】45歳、事務員の場合
プロフィール
45歳、女性
介護施設の事務員
▼現状
仕事内容は、介護施設での事務全般。
労働時間は月176時間、残業は5〜10時間程度。
ボーナスはなし。
【相談内容】生活がいっぱいいっぱいですが、今の仕事で年収を大幅に上げるのは難しいと思っています。貯蓄を増やしたいのですが、NISAとiDeCoの違いがわからず始められません……。
解説するのは……
◆sino
ファイナンシャル・プランニング技能検定3級 日商簿記検定3級
資産形成や節約に関するアドバイスを得意とし、普段はライターとして活動しています。
現在のお給料は全国平均と比べると高い?低い?
質問者さんは、今のお給料では生活費でいっぱいいっぱいだと感じているのですね。
ではまず、質問者さんのお給料を全国平均と比べてみましょう。
質問者さんの現在の収入を年収換算すると約298万円になります。
一方、厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、質問者さんと同年代の事務職の平均年収は約503万円です。
*……参考https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00450091&tstat=000001011429&cycle=0&tclass1=000001213360&tclass2=000001215880&tclass3=000001215884&stat_infid=000040163745&cycle_facet=tclass1&tclass4val=0
このことから、質問者さんのお給料は、平均よりも低い水準と言えそうです。
資産運用初心者必見!NISAとiDeCoの違いを簡単に解説
質問者さんは、NISAとiDeCoの違いがわからずお悩みなのですね。
両者ともに資産形成に役立つ制度ですが、それぞれ異なる特徴があります。
理解したうえで上手に活用することが大切です。
運用商品の種類
NISA……株式や投資信託など多様な金融商品に投資ができます。
iDeCo……基本的には投資信託や定期預金、保険商品などが主な投資対象です。個別株には投資できないため、比較的リスクを抑えた資産運用が求められます。
節税効果
NISA……掛金に対する所得控除はありませんが、運用で得た利益が非課税となります。
iDeCo……掛金が全額所得控除の対象となります。60歳以降に受け取る際に退職金として一括で受け取るか年金として分割で受け取るかを選びますが、その際それぞれに応じた税金がかかります。
受け取り時期と制限
NISA……年齢制限がなく、いつでも資金の引き出しが可能です。
iDeCo……60歳まで資金を引き出すことができません。
投資枠の大きさ
NISA……つみたて投資枠(年間120万円)と成長投資枠(年間240万円)を併用でき、合計で年間360万円までの投資が可能です。この枠内で得た運用益は全て非課税になります。
iDeCo……職業により掛金の上限が異なり、自営業者であれば月額6万8千円(年間81万6千円)まで、会社員であれば月額2万3千円(年間27万6千円)が上限となります。
新NISAは、投資で得た利益が非課税になる点が魅力。
自由に資金を引き出せるため、中長期の資産形成に適しています。
一方のiDeCoは節税効果が大きく、老後資金の準備に特化した制度です。
ただし、受け取り時に税金がかかる点や、60歳まで引き出しができない点には注意が必要です。
質問者さんの投資目的やライフステージに応じて、どちらを優先的に使うかを検討してくださいね。
まとめ
・質問者さんのお給料額は、平均よりも低い水準です。
・NISAとiDeCoそれぞれの特徴を理解して、どちらを優先的に使うかを検討してみてください。
※この記事では媒体で募集した情報を掲載しています。