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秦野市×東海大 理科教諭の研修でタッグ 学内の施設を利活用

タウンニュース

X線CTでセミを観察する理科教諭

秦野市中学校教育研究会理科部会が8月22日、東海大学イメージング研究センター(平塚市北金目)で教育講演会を開催した。教育講演会が同研究センターで行われるのは今回が初めて。市内中学校の理科教諭約20人が参加し、光学系顕微鏡や産業用Ⅹ線CTでの物質の観察を体験した。

同研究センターは「見ること」に特化した産学連携による私立大学初の共同利用施設。東海大学と株式会社ニコンソリューションズとの包括協定の締結により2016年8月9日に設立された。さまざまな物質をナノサイズで観察する基礎研究用の電子顕微鏡や、産業用X線/CTシステムなど光学機器を合計12設置しており、幅広い領域の物質を「見る」ことができる。東海大学の教職員・学生だけでなく企業の利用も可能で、学生教育や地域産業の新たなネットワークのハブになると期待されている。

教育分野で初の連携

これまで同研究センターと秦野市は産業分野での連携はあったものの、教育分野で連携するのは今回が初めて。地域との綿密な連携を望んでいた同研究センターが施設の利活用を秦野市教育委員会に打診したことがきっかけとなり、今回の理科部会の教育講演会の開催が決まった。

当日は理科部会に所属する中学校の理科教諭約20人が参加。東海大学工学部機械工学科槌谷(つちや)和義教授から講義を受けたのち、施設に移動。アリやセミなどの生物を始め、ゴーヤーやシメジなどの植物、石など身近な物質を対象に観察をした。理科教諭らは、非破壊で内部の観察・分析ができるⅩ線CTでゴーヤーやセミの断面図を見たり、光学系顕微鏡でセミの羽をマイクロメートル単位まで拡大した観察を体験。機器の性能に「すごい」と感想を漏らしながら同センターの設備を堪能した。体験後は今後の理科の授業で活用するため、同研究センターから観察した画像データの提供を受ける教諭もいた。

教育講演会を振り返り、理科部会顧問の伊藤充孝教諭は「先生たちも大変楽しんでいたので、ここに生徒たちを連れてきたらさらにワクワクしてもらえると思う。市内には科学部がある学校もあるので、今後上手く連携できたら」と感想を話した。

槌谷教授は「今日の講演会だけで途切れないよう、今後も秦野市と長い付き合いをしていきたい。次世代を担う市内の子どもたちの利用も推進しています。今日来ていただいた先生方には、この施設で体験したことを生徒さんたちにぜひ共有いただきたいです」と話した。

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