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コーヒーとワイン通して人がつながる場所、南区の「coffee and wine 御隠居」。

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コーヒーとワイン通して人がつながる場所、南区の「coffee and wine 御隠居」。

南区の住宅街にある「coffee and wine 御隠居」。このお店ではオーナーの中野さんが選んだコーヒーとワインをテイクアウトすることができます。おしゃれな音楽が流れる店内で、お店を開いた理由やコーヒーとワインのこと、ワイン選びで大切にしていることなどを聞いてきました。

coffee and wine 御隠居

中野 一也 Kazuya Nakano

1961年新潟市南区出身。飲食メーカーでの勤務を経て、2024年7月に「coffee and wine 御隠居」をオープンする。最近は休みの日にゴルフをするのが楽しみ。

地元に明るい変化を。

――今日はよろしくお願いします。ここは昨年の7月にオープンされたんですね。

中野さん:30年ほど飲料メーカーで働いていたんですけど、早期退職をしまして。僕の妻が娘とやっている「季節のくだもの 団吉氷店」 の隣にコーヒーとワインのテイクアウト専門のお店を開きました。

――どうしてお店を開こうと思ったのでしょうか。

中野さん:実家がもともと酒屋だったんですけど、お店の後を継ごうとか、お店を開こうとは考えていませんでした。でも妻と娘がお店を開いたことで、このあたりにも少し人が来るようになったんです。もっとこの通りを明るくできたらと思って、お店をはじめることにしました。

――奥さまがお店をはじめたのが大きく影響しているんですね。コーヒーとワインの組み合わせについては?

中野さん:どちらも前から好きだったんです。コーヒーは自分で豆を挽いて淹れるぐらいでしたし。それに飲料メーカーに勤務していたとき、コーヒーとワインの部門を立ち上げたときから関わってきたこともあって、このふたつをお店でやろうと思いましたね。

――お店の内装も素敵です。

中野さん:ここはそもそも車庫だったんですよ。それを娘夫婦が改装してくれたんです。ここで使っているテーブルの板も、もともと自分の家にあった廃材でしたし、板の下は使わなくなった下駄箱で高さを出しているんです。

――再利用しているんですね。

中野さん:あまり背伸びしすぎずに、できる範囲からお店をはじめたかったんですよね。お店をかたちにしてくれた娘夫婦には感謝しかないですね。

――「御隠居」という名前の由来はどんなものなのでしょうか。

中野さん:このお店の横が、今は駐車場として使っているんですけど、ここの屋号というか、あだ名というか、ずっと「御隠居」って呼ばれている場所だったんです。その名の通りきっと昔、ここで隠居していたんでしょうね。

──ここではコーヒーのテイクアウトができるんですよね。

中野さん:秋葉区の「BERON COFFEE ROASTER」さんの豆を使ってコーヒーをお出ししています。豆は定期的に変えていて、今日は4種類の豆からご案内しています。

――浅煎りのコーヒーが多いんですね。

中野さん:浅煎りのコーヒーが好きなんです。「ナチュラル」や「セミウォッシュ」といった、豆の精製方法が違うだけで、味わいも変わってくるんですよ。お声がけいただければ、それぞれの違いを説明しながらコーヒーをご用意していますよ。

――選ぶのも楽しくなりますね。コーヒーを淹れるとき、中野さんはどんなことにこだわっているのでしょうか。

中野さん:コーヒーとワインはとても似ているんですよ。ワインにテロワールがあるように、コーヒーにもそれぞれの産地があって、豆の風味や特徴が変わってくるんです。その豆がいちばん美味しくなるように、淹れるときの時間や分量などを調整しています。

――ふむふむ。

中野さん:その地域のコーヒーの特色を表現するために、どんなことをしたらいいか考えながら淹れているんですよ。みんなが納得するような正解はわからないんですけど、自分なりのベストを求めているっていう感じですね。

――フィナンシェもテイクアウトできるんですね。

中野さん:コーヒーには、甘いものでしょうと。「季節のくだもの 団吉氷店」でも販売しているものです。それぞれの味にあわせてコーヒーを選ぶのも楽しいですね。

――来るたびにどんなコーヒーが楽しめるのか、聞きたくなりますね。

中野さん:ぜひ聞いてください。コーヒーはもちろん、ワインも希望に合う一本が見つかるようにお手伝いしますよ。

これからも、人と出会える場所に。

――何種類のワインから自分のお気に入りを探すことができるのでしょうか。

中野さん:大体150から200種、本数であれば300本から400本を取り揃えています。他のワインを販売しているお店に比べたら規模はそんなに大きくないんですけどね。

――中野さんのワインを選びの基準を教えてください。

中野さん:自分がいいなと思ったものや、飲料メーカーに勤めていたときのつながりから選んでいます。産地でいうとニュージーランドや南アフリカ、品種でいうと赤ワインは「ピノ・ノワール」、白ワインは「ソーヴィニヨン・ブラン」が多いですね。

――やっぱり、ワインを買うときは品種を知っておくべきでしょうか……。

中野さん: そんなことはないですよ。もちろん、品種を知っていれば味わいや重さを考えやすいですが、ワインは味だけで決めるものじゃないと思っているんです。

――他に何が決め手となるのでしょう?

中野さん:香りや味などの五感ではない、第六感というべきでしょうか……。どんなときに、誰と、どんな目的で飲むかで変わる、雰囲気も考えて選ぶといいなと思うんです。例えば、みんなでワイワイ楽しむ食事会に、とても高いワインを持っていったら、味わおうとみんなグラスをぐるぐる回しちゃうじゃないですか(笑)。それじゃあ楽しめないでしょうと。

――確かに、目的に合ったワインは必ずしも高いワインではないんですね。

中野さん:ワインは前よりも付加価値が付いてる気がして、手が出しづらいものになっている人もいると思います。でも中には付加価値のついたいいワインに似ていて、かつ手が出しやすいものもたくさんあるんです。そうったワインをご案内できるようにお客さまと話しながら選ぶことは大切にしています。

――それなら、ワインに詳しくない人でも安心ですね。

中野さん:大きなワインのお店には敵いませんが、会話を通して希望に合いそうなワインをご紹介できたらいいんです。うちで扱っているワインはもちろん、他のお店のワインであっても紹介できればなと思っています。医療機関にたとえるなら、うちは小さな村の診療所ですね。

――中野さんとワインを選びたくなってきました。これからの目標を教えてください。

中野さん:コーヒーやワインを通して、人との関わりをもっと増やしていきたいですね。それがひいては地域を盛り上げることにつながるでしょうし。関わりの中で会話を大切にして、コーヒーでもワインでも、その人の希望に合ういちばん良いものを選ぶお手伝いができたらと思っています。

――人とのつながりって、思っている以上の価値があると感じることができました。

中野さん:僕は60歳を過ぎてからこのお店をはじめましたが、新しく学ぶことや身近なところで、思ってもなかったいい出会いがたくさんありました。もし興味を持っていただけたら、ぜひここにいらしてください。お待ちしています。

coffee and wine 御隠居

新潟市南区犬帰新田754

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