<男性のマリッジブルー?>おそろいの食器なんて……いらない!新婚なのに夫の様子がヘン【まんが】
私はリカコ(28)。夫のユイト(28)とは結婚2年目で仲良く暮らしています。明るく賑やかな私と違ってユイトは穏やかな性格。日頃の趣味の楽しみ方も正反対です。私は好きなアーティストがいるとライブに参戦し、家でも歌ったり踊ったりして騒ぎます。それに対してユイトは好きな歌は部屋でひとり、じっくりと聴いて浸るタイプ。しかしそんな違いも楽しみながら、私たちは仲良く結婚生活を送っていました。落ち着いたユイトと一緒にいると、私はとても安心できたのです。
しかし結婚当初から気になることがありました。というのもユイトは過去のことをあまり話したがらないのです。子どもの頃のことは特に……。だから私はなんとなく、育ってきた環境をあまり思い出したくないのだろうなと感じていました。
引越しの日、ユイトはなにかを考え込んでいる様子でした。新しく食器を買おうと言っても「俺はいいや」と一言。ユイトの実家にも「住所は知らせなくていい」と言うのです。ただ私はその理由をあえて深くは聞かないようにしました。
穏やかで優しいユイトと結婚できて、私はとても幸せです。ユイトは私の明るい性格が好きだと言ってくれました。でも楽観的すぎると相手の苦しみに気づかないこともあるのではと、少し不安もあるのです。「言ってくれなきゃわからない」というのは、夫婦であっても同じだろうと思います。 私との結婚生活をスタートさせた引越し当日、ユイトは黙々と荷物を片付けていました。何を聞いても上の空で、どうしたんだろう? と不思議に思った記憶があります。私は大好きなユイトとの暮らしを考えて、幸せな気持ちでいっぱいなのに……。ただ同僚のサキにも励まされ、一時的なマリッジブルーだろうと考えることにしました。
「俺いなくなりたい……」育ったのはワケあり環境?動揺する私
サキに勧められた男性アイドルグループに、私はすぐにハマりました。けれど私は舞い上がっていたのかもしれません。推しができた興奮をそのままユイトに伝えてしまったのです。そして異変が起きたことに、私はすぐに気付くことができませんでした。
私は2年前、新居に引越してきたときのことを思い出しました。結婚生活へのプレッシャーがあったのか、明らかに様子がおかしかったユイト。その後は2人で平和に過ごしてきたと思っていたのに……。小さな違和感が大きな不安に変わります。
普段は穏やかな性格のユイト。「いなくなりたい」だなんて、よほどのことです。私が突然男性アイドルのライブに行きたいと言ったことが、そんなにもショックだったのでしょうか……? いや、それだけではないような気もします。 過去のことを話したがらないユイトは、心のなかになにか重たいものを抱えているのかもしれません。育った環境がハードなものだったのだろうというのは、なんとなく私も感じています。私は震えはじめたユイトの身体を、ただただ必死で後ろから抱きしめることしかできませんでした。
きっかけは私の推し活!?夫の心の傷を知り……寄り添う決意!
私が新しくおそろいの食器を買おうと言っても、ユイトは「俺はいいや」と一言。親に新居の住所は知らせなくていいとも言われています。新婚当時から違和感はありましたが……ようやくユイトは心に隠していた思いを打ち明けてくれました。
2年前に結婚したときはユイトの両親ときちんと挨拶ができず、私の親からもずいぶん不審がられたものです。そのことが引っかかっていないと言えばウソになります。でもユイトは自分が育った環境や両親との関係にずっと苦しんでいたのでしょう。
ユイトが今まで穏やかに見えていたのは、本人が必死に気持ちを保つ努力をしてきたからだったのです。そして両親の結婚生活が破綻するのを目の当たりにし、ずっと親との関係に苦しみながらも、ユイトは私との結婚を決めてくれました。その勇気には本当に感謝しています。 過去に受けた傷が深すぎて、私にさえ話すことができなかったユイト。普段優しくて穏やかな人ほど、誰にも言えない事情を抱えているのかもしれません。それでも私と共に人生を歩もうとしてくれているユイトを、これからもパートナーとして心から大切にしていきたいです。