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元アメフト日本代表・三宅剛司「中学まで続けたサッカーが、僕の基礎を作ってくれました」

チームナビ

EXE90FC出身

元アメフト日本代表:三宅剛司(みやけ・たけし)さん

幼稚園から中学までサッカーを続け高校からアメフトに転向。その後3年連続で日本一に。大学では4年連続で甲子園ボウルに出場、3年連続で大学日本一を獲得。世界選手権3度出場。現在はオービックシーガルズのコーチを務める。

ひと目でわかる! チームの特色

●技術が高い
精神的に強く戦える選手が多い
元気に挨拶ができる

中学までは、熱心なサッカー少年

「アメフトを始めて、練習がきついと思ったことは、ほとんどありません」。

そう話すのは、元アメリカンフットボール日本代表で、現在はオービックシーガルズのコーチを務めている三宅剛司さん。体力の礎は、中学校の頃に所属していた名門サッカークラブ「EXE90FC」で培われたと言います。

三宅さんの強靭な肉体のもとを作った「EXE90FC」とは、どんなチームなのでしょうか。当時を振り返りながらお話しいただきました。

ー現役時代は日本アメフト界を牽引する存在であり、現在もアメフトに携わられている三宅さんですが、幼少期はサッカーをされていたとのこと。当時の様子を教えてください。

サッカーは幼稚園の頃から始めていました。周りのみんながやっていて、自分も楽しくてのめり込んでいましたね。ちょうどJリーグも始まり、W杯では“ドーハの悲劇”を見てしっかり泣いていました(笑)。

【画像:EXE90FCのチーム詳細】

「EXE90FC」の存在を知ったのは、中学の頃です。中学でもサッカーをしたかったのですが、その当時では珍しくサッカー部がなかったんですね。そこで小学校時代のチームコーチに紹介してもらい、EXE90の門を叩きました。

大阪の名門クラブチームEXE90FCとの出会い

ー名門と言われているクラブチームです。三宅さんはサッカーでも秀でていたんですね。

いろいろな学校の子がいて、確かにみんなサッカーが上手でした。卒業後は強豪校やクラブチームに行く子が多かったと思います。でも、チームの雰囲気は競い合うようなバチバチ感はなく、全体的に仲が良かったですね。上下関係も特に厳しくなく、みんな“くん”付けで呼び合っていました。

僕のポジションはディフェンスで、当時はスイーパーと呼ばれていたのですが、今で言うセンターバックのような役割を担っていました。

幼い頃からサッカーをやっていたこともあり、上手いというか足が速かったんですよ。ただ、小学校まではコンプレックスを特に感じなかったのですが、やはりEXE90ですごい子たちの中に入ると、自信がなくなるというか、上には上がいるという現実を目の当たりにしましたね。

ー監督はどんな方だったのですか。

イメージは「短パンを履いてサッカーをされている釜本邦茂さん」です(笑)。わかるでしょうか。怖いというより威厳がありました。わかりやすく指導していただき、プレーに関しては「雑にするな、丁寧に」と何度も言われたことを覚えています。

サッカーは激しいスポーツだけれど、シュートにしてもパスにしても、1つ1つの動作を丁寧にという意味でした。それで褒められたことがあったんですよ。しかも、みんなの前で言ってくれたので、とても嬉しかったですね。

PKで傷ついた心が救われた、ある選手の名言

ー思い出深いエピソードを教えてください。

嬉しかったこと、悔しかったこと色々ありますが、鮮明に覚えているのは悔しかったことです。あれは中3の頃、“負けたら終わり”という試合で、PK戦になったんですよ。それで、僕が外して負けました。同時に引退となりました…。

もう絶対にPKは蹴りたくないと思いましたし、極度に緊張を感じるようになってしまいました。引きずるという感覚はないのですが、高校はサッカーをやらずに、アメフトを始めました。転機と言える出来事だったのかもしれません。

トラウマにならずに済んだのは、その頃に知った元イタリア代表のロベルト・バッジョの名言のおかげです。

「PKを外すことができるのは、PKを蹴る勇気を持った者だけだ」

それ以来、緊張からくる萎縮はなくなりましたね。この言葉に出会えて救われたという気持ちです(笑)。

あとEXE90時代に覚えているのは、とにかく走り込みばかりしていたことと、よく自転車に乗っていたということです。自転車は練習以外のことも含めてですね。

というのも、EXE90の練習場には片道40分くらいかけて自転車で行っていたんです。しかも練習場は転々としていたので、遠い時は1時間くらい漕いで行きました。なぜかどこでも、絶対に車で行くようなところへも、自転車移動でした。

正直、しんどかったです(笑)。でも、おかげでだいぶ体力がつきました。それ以降、練習で辛さを感じたことがほとんどないんですよ。きつい経験の賜物ですね。

アメフトに活きた、EXE90での経験

ーアメフトも激しいスポーツのイメージです。それに耐えうる強靭な肉体は、EXE90時代に培われたと言えますね。他に、アメフトに活きたことはありますか。

アメフトで初めて試合に出た時のポジションが、キッカーでした。まさにボールを蹴ることを専門とする役割です。サッカーをやっていたからこそできたのだと思います。まずそこがつながりますね。

ただ、次に担ったランニングバックでは、サッカー経験が仇になったんですよ(笑)。ランニングバックはタックルされても、ファウルをもらっても絶対に転んではいけないんです。

ですが、サッカーはファウルされたり、体当たりされたら、倒れてOKですよね。あまり良いことではないですが、ファウルされたことをアピールするために、倒れる選手もいたり、いなかったり!? そういう世界でもあったりしますよね。ちょっとだけ、倒れるクセと言いますか、そこを直すのに苦労をしました。

とはいえ、最終的に辿り着いたディフェンスで、再びサッカー経験を活かすことができました。EXE90の頃にやっていたスイーパーとまさに同じようなポジションなんですね。視野の広さやボール落下地点の予測、相手に体を寄せるタイミングなど、全く同じ感覚でプレーできました。

アメフトは元々サッカー経験者が多いんですよ。他にも、野球やバスケといった球技出身者が目立ちます。通じるものが多いのかもしれませんね。

こういったプレー面だけではなく、メンタル面でもいい影響がありました。試合に出て緊張はしますが、それにより体が動かない、ということがなかったんです。

サッカーもアメフトも広いグラウンドで試合を行う競技ですよね。ですから、フィールドでプレーをするということに自然と慣れていたのだと思います。

スポーツを始めるのに、遅い早いは関係ない

ーサッカーをしていた頃の自分へ言葉をかけるなら何と伝えますか?

もっと考えてプレーしよう、でしょうか。

当時はコーチの考えた練習メニューをひたすらやるのが普通でした。アメフトは、事前に戦略を立てて、そこから戦術を練り、フィールドで表現するんですね。

ですから、僕ももう少し考えながら練習に臨んでいれば、思考力や発想力が高まり、アメフトもサッカーもより面白く感じられたのではないかと思います。

ー最後に、EXE90に入りたい子たちへメッセージをお願いします。

僕はスポーツをやるのに遅い、早いは関係ないと思っています。ですから、EXE90に入りたいけれど、経験がないからダメかなと諦めている初心者の子がいたら、そんなことはありません。ぜひ、恐れずにチャレンジしてみてください。

最初はどうしても居心地が悪いかもしれません。でも、それを乗り越えた先には、成長した自分が待っています。自分の弱みを見つけられるいい機会とも思うので、頑張ってください。

ープロサッカー選手を21人も輩出し、そのうち現役Jリーガーが11人というEXE90FC。現在は、中学生クラスはなく小学生のみで構成されています。「個人技を磨き、サッカー脳を鍛え、イマジネーション豊かな選手を育てる」をモットーに、人間育成にも力を入れているとのこと。三宅さんのような、基礎体力も技術もしっかり身についたアスリートに成長できそうです。三宅さん、貴重なお話をありがとうございました。

(インタビュー・文 :伊藤 順子)

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