出産や育児であきらめかけても…好きや得意でブースを作る女性たちの「札幌マルシェ」
女性による女性のためのイベント、札幌マルシェが開かれました。
出産や育児などで仕事を辞めざるを得ない女性が、好きや得意を通じて自己実現をするきっかけの場所となっています。
【連載】こう生きたっていい
子どもと一緒に撮影ができるフォトスペースに、色とりどりのガラス細工の花や、手作りの焼き菓子まで。
3月札幌で開催された、女性たちが作る『札幌マルシェ』。
女性が社会とつながり、自己実現をする場として、約2年半前から開かれています。
今回から運営スタッフとして参加した小林真衣さん(44)。
札幌マルシェの広報や経理のほか、会場設営や出店者のサポートを担当しています。
「自分の好きを得意にしている人が、たくさん出店してくださっているんですけど、少し前にはあまりできなかったような働き方ができていて」
小林さんは普段、オホーツクの北海道紋別市でヨガのインストラクターをしています。
夫の転勤に伴い、飲食業や広報の仕事を辞めざるを得ませんでした。
「何をするかではなくて、どうやるかが大事に思うようになった。好きを仕事にした結果、ヨガのインストラクターが長くなっている」
2024年、『札幌マルシェ』に興味を持ち、運営メンバーに加わりました。
「出る人ももちろん楽しんでもらえるし、運営も“応援しているんだ”と楽しめる」
『札幌マルシェ』に魅せられた人は小林さんだけではありません。
育児との両立…小物づくりへの挑戦で
札幌市で3人の幼い子どもを育てている田中みちさん(34)です。
看護師の仕事を続けていましたが、育児との両立が難しくなり辞めることに。
「やらなきゃいけないものがたまると、子どもを抱っこしてでもやるっていうことが時々あります」
育児中心の生活にやりがいが欲しくなり、小さい頃から好きだった小物作りに挑戦しました。
「何を売ったらいいか、どこで売ったらいいかがわからなかったんですけど、SNS見ていたら“札幌マルシェ”というハンドメイドの物を売るマルシェが近くでやっていることを知りました」
2024年から出店している『札幌マルシェ』がきっかけとなり、作品の人気が出て、常連も数多くいます。
さらに、関東や大阪の会社に販売を委託しています。
田中みちさんの夫・大地さん(33)はそんな姿を「いろんな人とつながっていく。その人とのつながりで人生も楽しくなっていくのかなと見ていて思うので、これからも続けてほしい」と応援しています。
「私がそんなことをできるって思っていなかったから、まだ2人でいっぱいいっぱいだったので。札幌マルシェを見て、ママたちもできるんだなとすごく勇気をもらった」
4月中旬に夫の転勤で東京に行くことが決まり、『札幌マルシェ』への出店がこれが最後。
田中さんの作品のファンという女性がやってきました。
「転勤しちゃうと言っていたので会いに来た。寂しいです、めちゃくちゃ。オンラインとかでどうにかして商品を取り寄せたいと思っています」
「最初は趣味という気持ちで始めているので、そんなにハードルが高い感じはなかったです。『私もちょっとやってみたいんだよね』と言う人が時々いらっしゃって、『全力でやってみたらいいよ』と私は言っています」
運営スタッフの小林真衣さんは「数か月かけて何かを育てたり、目に見えない何かを作り上げていくのは結構苦手だったんですが、長い時間かけての爆発力がとても楽しかった」と運営としてのやりがいを話します。
「また長いスパンで自分に何かを課して、頑張ってみたいと思います。今度はハイブリッド参加をしてみたくて、出店者兼運営というのをやってみたいなと思っています。キャンドルをやりたいなと」
女性が新たな挑戦をするために。『札幌マルシェ』はこれからも活動を続けます。
【連載】こう生きたっていい
文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい
※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2025年4月7日)の情報に基づきます。