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路線価、29都道府県で上昇

文化放送

7月2日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、火曜コメンテーターで上武大学教授の田中秀臣氏と番組パーソナリティーの寺島尚正アナウンサーが、不動産市況の回復加速について意見を交わした。

“悪い円安”か“良い円安”か、首尾を一貫してほしい! 

新型コロナウイルス禍からの不動産市況の回復が加速している。 

国税庁が1日発表した2024年1月1日時点の路線価は、29都道府県で平均値が上昇し、前年の25から拡大した。訪日外国人(インバウンド)の増加や各地で進む再開発、半導体工場の誘致が地価を押し上げた。 

路線価は主要道路に面した土地1平方メートルあたりの標準価格で、相続税や贈与税の算定基準となる。 

コロナ禍で落ち込んだオフィス需要は回復局面にある。オフィスビルの仲介企業によると、東京都心5区の空室率が2021~2023年に6%台半ばまで悪化したが、足元の今年5月は5.48%と緩やかに回復している。 

全国524の税務署別に最高路線価の上昇率をみると、上位には観光や半導体工場で活況の自治体が多く食い込んだ。 

(寺島アナ)「路線価が29都道府県で上昇したということですが、田中さん、これはどうでしょう?」

(田中氏)「“悪い円安”なのか“良い円安”なのか、日経さんは首尾を一貫してほしいですね。訪日外国人の増加や、半導体工場を日本の地方に誘致するのは円安が後押ししているのが明白なわけです。それが結局、地方の路線価の引き上げにつながっているので、例えば企業なんかが土地を担保にした融資の可能性を増加することにも貢献していると思います。ある意味Win-Winしかないわけですが、それを潰そうとしている勢力に日経さんはいつも貢献していたわけですが、記事だけ見ると一体どっちなんだ?と思います。“悪い円安・良い円安二つ書きます!”っていうのは経済記事を中心にするメディアとしては、致命的にバランスが悪いですよね。どっちかはっきりしろ、と言いたいですね」

都市部ではマンションの需要も大きい。不動産経済研究所によると2023年度の首都圏の新築マンションの1戸あたりの平均販売価格は7566万円で、前年度比9.5%上昇した。 

東京23区に限れば、平均価格は1億円を超す。訪日客など旅行需要の回復も追い風となり、日本政府観光局(JNTO)によると、23年の訪日客数はコロナ禍前の8割まで戻った。 

直近は今年3月から5月にかけて、三か月連続で客数300万人を超えた。海外で金利が高止まりするなかで日銀が利上げを進めても比較的低金利な日本には海外マネーが流入しやすい状況。今後は海外マネーの動向が日本の不動産マーケットを左右しそうだ。 

(田中氏)「たまに不動産投資とか不動産を買うことに縁のない人に限って、“地方を中心に億ションのようなものを建て始めている。日銀の金融緩和は、そういうバブル経済みたいなものを生んでいる!”って30年以上前にマスコミがやっていたバブル潰し的な発想と同じですよね。その結果なにがあったかというと、不動産融資の総量規制で元から締めて、さらに金利を猛烈に上げたことでバブル崩壊、経済大崩壊ですよ。そういうものに媚びる風潮を生み出すのはまずいと思うんです。たしかにマンションが高額になったけど、それで住むところを追われるなんて聞いたことないですし。むしろ景気をどうするか?ってところで全振りしていて、その結果そんなに都心に住みたい人がどれだけいるのか?コロナ渦でみんな経験しましたけど、地方でオンラインで仕事をするのも可能じゃないですか?そのために企業や暮らし方を変えるためのお金が必要です。だから円安だとかマイルドなインフレで経済を安定的に成長させないとだめなんです。その決定的なタイミングで“マンション需要が高まって平均価格が1億円を超えて、サラリーマンからすれば高嶺の花になる”って、一体いつの時代の話をしてるんだ?ってことを未だに言う人がいて、本当にお笑いです」

〈出典〉 

路線価、29都道府県で上昇| 日本経済新聞 (https://www.nikkei.com/) 

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