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国内繊維業界の苦境が露わに ユニチカが「キャンギャル」撤退に続いて祖業の繊維事業から撤退

セブツー

経営の立て直し中のユニチカは11月28日、衣料繊維、不織布、産業繊維の3部門で構成される繊維事業を構造改革の対象とし、不採算部門の他社への事業譲渡、生産停止などを検討していたが、正式に撤退すると発表した。さらに、三菱UFJ銀行などの取引金融機関に対して、約430億円の債権放棄等の金融支援を依頼する。国内繊維業界が置かれている厳しい状況が露わになった形だ。

売上高構成比で約28%を占める繊維事業の2024年3月期の売上高は、前期比1.4%減の330億400万円、営業利益は5億2300万円の赤字(前年は13億5400万円の赤字)。赤字幅は縮小したものの、2期連続での最終赤字だ。ユニチカは、1990年代からは中国メーカーなどとの競争が激化し、繊維事業の業績は徐々に落ち込んできた。繊維事業を縮小しながら、高収益事業である高分子事業へ軸足を以降してきたものの、2024年3月期には高分子事業も東南アジアを中心とする海外での競争激化の影響で、連結決算の開始以来、初めて営業赤字を計上し、54億円の最終赤字を計上している。

ユニチカは、1970年から自社製品の宣伝のために行ってきたキャンペーンガールの起用を2024年末までに終了することも決定している。ユニチカは1970年から「ユニチカスイムウェアキャンペーン」、1974年から「ユニチカマスコットガール」として毎年モデルを選出し、2000年からは2つを統合して「ユニチカマスコットガール」を起用してきた。

これまでに「スイムウェアキャンペーンモデル」には米倉涼子や本上まなみ、内田有紀、夏川結衣らが選出され、「ユニチカマスコットガール」の初代には風吹ジュン、2代目に手塚理美、3代目に紺野美沙子が選出されている。芸能界への登竜門としても人気で、企業イメージの向上にも貢献してきたが、東レもキャンペーンガールの起用は年内で終了する。

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