社会的・宗教的思想を持った団体に所属したテロリストから近年は個人テロリストが増えている!?その要因とは?【図解 犯罪心理学】
近年は個人テロリストが増えている!?【図解 犯罪心理学】
組織に属さない個人テロリスト
近年は単一の論点に絞ったテロリズムが増加していると述べましたが、それと共に近年のテロの特徴として挙げられるのが、組織に属さずに単独でテロを行う、個人テロリストの存在です。
従来のテロリズムでは、テロの実行犯はなんらかの社会的・宗教的思想を持った団体に所属した上で、組織の方針に従ってテロを決行するというケースが一般的でした。ところが近年は、インターネットなどの影響によって独自に思想を過激化させた個人が、集団に属することなく、単独でテロを行うというケースが見られるようになっています。こうした個人テロリストは、「ローンアクター型テロリスト」または「ローンウルフ型テロリスト」と呼ばれます。「ローンアクター型テロリスト」は、なんの前触れもなく突発的に出現し、犯行の予測が困難であることから大きな問題となっています。
また、個人テロリストの中でも、海外からインターネットを通じて洗脳され、自分の育ってきた国で宗教テロを行うタイプの犯人のことを、「ホームグロウンテロリスト」といいます。近年は多くのテロ組織がインターネットを使った宣伝やリクルート活動を行っていることから、個人テロリストの出現をどう防ぐかが、テロ対策における大きな課題のひとつといえます。
出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 犯罪心理学』