奈良国立博物館で「お水取り」の世界を深く探る特別陳列が開催中
奈良国立博物館で「お水取り」の世界を深く探る特別陳列が開催中
奈良国立博物館 西新館で、東大寺二月堂の「お水取り(修二会)」にちなんだ特別陳列が開催中!
2025年2月8日~3月16日まで、修二会で実際に使用された貴重な資料を通して、その歴史と魅力に迫る。
華厳経など貴重な展示品に加え、3月12日の籠松明の日は夜間開館も!
お水取りとは?
奈良・東大寺二月堂の「お水取り(修二会)」は、1270年以上の歴史を持つ伝統行事である。
毎年3月1日から14日まで行われ、練行衆と呼ばれる僧侶が十一面観音の前で過去の過ちを懺悔し、国家安泰と五穀豊穣を祈る。
3月12日深夜の「お水取り」の儀式や、毎晩二月堂に上がる「お松明」など、見どころ満載。
絶対見るべき!おすすめ出陳品
今回展示されている出陳件数は55件(うち重要文化財18件)。
紙衣(かみこ)
練行衆が参籠中に身につけるもの。
お水取りの準備が始まる2月23日から3月14日まで着続けるそう。
火をよく使用するお水取りだけに、黒い部分は煤(すす)が付いた後。
布よりも軽く保湿性が高いので、火を使うお水取りには最適。
処世界日記(しょせかいにっき)
お水取りは、東大寺二月堂で毎年行われる重要な法会である。
練行衆と呼ばれる僧侶が十一面観音の前で過去の過ちを懺悔し、国家安泰と五穀豊穣を祈る。
処世界とは、練行衆の中で最も若い僧侶が務め、法会の様々な雑用を担当する。
処世界の仕事は多岐にわたる。華籠や香箱の準備、灯明皿の配置、勤行の際の鐘打ちなど、細々とした所作がていねいに記述されており、処世界日記はいわば、マニュアルのようなもの。
こちらも紙衣と同じく、黒い部分は煤が付いた跡。
食事の作法
お水取りの食事の際に使用される鉢や机なども展示。
お水取りの最中の食事は1日1回。
厳格な作法やお祈りをともなうので、食事中も気を抜くことはできない。
メニューは精進料理。
1日1回だけの食事で、様々な修行に励む練行衆の厳しさは計り知れない。
まとめ
「お水取り」の核心に触れる、貴重な資料の数々が展示されており、この特別展で、古都奈良の伝統文化を体感してみては?
特別陳列「お水取り」概要
●会期
2025年2月8日(土)~3月16日(日)
●会場
奈良国立博物館 西新館
●休館日
2月25日(火)
●開館時間
9:30~17:00
※東大寺二月堂お水取り(修二会)期間中の3月1日~11日・13日・14日は午後6時まで、3月12日(籠松明の日)は午後7時まで開館。
※入館は閉館の30分前まで
●観覧料金
・一般:700円
・大学生:350円
※高校生以下および18歳未満の方、満70歳以上の方、障害者手帳またはミライロID(スマートフォン向け障害者手帳アプリ)をお持ちの方(介護者1名を含む)は観覧無料。
※高校生以下および18歳未満の方と一緒に観覧される場合、子ども1名につき、同伴者2名まで一般100円引き、大学生50円引き。
※この観覧料金で、同時開催の名品展「珠玉の仏教美術」(西新館)・「珠玉の仏たち」、「特別公開 秘仏 深大寺 元三大師坐像 ―日本最大の肖像彫刻―」(なら仏像館)・「中国古代青銅器」(青銅器館)も観覧可能。