働きやすさは"ここで差がつく"!? 学生がチェックすべき「働きやすい職場」のポイント
先日発表された就活生の「テレワーク」に関する意識調査※では、ワークライフバランスへの期待が高まる一方、6割の学生が「コミュニケーションが取りづらい」と感じていることが分かりました。※出典:マイナビ2026年卒大学生キャリア意向調査9月<学生のテレワーク意向>
働き方の自由度が増すほど、職場でのつながりづくりがより重要になっているようです。
調査では、出社時に生まれる“雑談”や“休憩中の会話”が、学生にとって大切な交流機会として重視されていることも示されています。
では、どんなオフィスだと自然にコミュニケーションが生まれるのでしょうか。今回は、オフィス環境づくりを手がける内田洋行の新製品発表会で、そのヒントを探してきました。
テーブルワークという考え方
内田洋行は「人が主人公のハイブリッド・ワークプレイス」というコンセプトを掲げています。
代表取締役社長の大久保昇氏は「オフィスは“働くだけの場所”から、関係づくりや新しいアイデアを生み出す場へと変わっている」と語り、人を中心にした空間デザインとICTの融合が重要だと強調します。
内田洋行 代表取締役社長 大久保昇氏
そして提唱しているのが、「テーブルワーク」という考え方です。
従来のように一人ひとりが個別デスクに向かうのではなく、大きな天板のテーブルを共有し、自然に人が集まれる場をつくるというもの。働く場所を固定しない今のスタイルに合った、コミュニケーション重視の発想です。
フリーアドレスなど多様な働き方では、自由に使える大きなテーブルが力を発揮。
人が集まりやすい場があることで会話やアイデアも生まれやすくなる。出社した際に、社員同士が自然に意見交換できる環境は、働く時間の充実感にもつながると話します。
そのテーブルワークを象徴する製品が「Commons Table System-i」の新モデルです。
広い天板で好きな位置に座れるほか、カーブを描いたデザインや足元を広く保つ構造など、人が集まりやすい仕掛けが随所に盛り込まれています。
テーブルワークを象徴する製品「Commons Table System-i」の新モデル
同僚と自然に会話が生まれる距離は“約60cm”が目安と言われ、このテーブルでは距離感の調整がしやすいのがポイントです。さらに半円形モデルでは、配線を天板内に収納できるなど、オンライン会議もスムーズに行える工夫が施されています。
働くための椅子やソファ
次に、テーブルワークに欠かせない椅子にも注目。内田洋行は「Tamot(タモト)」と「Alinel(アリネル)」という2つの新しいワークチェアを発表しました。
ワークチェア「Tamot」Airタイプ
「Tamot」Nestタイプ
「Tamot」は低めのシェル形状で身体を包み込むような安心感があり、「Alinel」は大きな背もたれが深いリクライニングをしっかり支えてくれる仕様。どちらも長時間の作業を快適にするための工夫がされています。
ハイデザインチェア「Alinel」
筆者が座ってみたところ、体重に合わせて背もたれの反発を自動調整するため、とても座り心地が良く、腰への負担も軽減されました。
さらに、リラックス感と作業姿勢の両立を目指した「OCTsofa(オクトソファ)」も登場。付属のクッションで背中の角度や腰の位置を調整でき、“オフィスで使うためのソファ”として設計されています。
集中したワークを実現する「OCTsofa」
会社で人をつなぐ
フリーアドレスでは「誰が出社しているか」「どこに座っているか」が分かりづらいという課題があります。そこで同社は、人と場所をつなぐシステム「SmartOfficeNavigator」を提供。
スマートフォンのGPSを使って在席・位置情報を可視化し、「会いたい人がどこにいるか」「いま使える席はどこか」を一目で確認できるほか、会議室予約システムとも連携し、最適な日時と会議室を自動で提案する「チームブッキング」機能も備えています。
人の“つながり”を創出する「SmartOfficeNavigator」
このシステムは、KDDIが今年7月に移転した新本社にも導入され、グループ1万3,000人の働き方を支えているそうです。
インターンシップなどでオフィスに行く機会があれば、仕事内容だけでなく“どんな環境で働けるか”にも注目してみてください。快適で効率的な職場は、社員の働きやすさやチームの生産性に直結しますし、会社選びの大事な視点になるかもしれませんよ。