あふれる笑顔!釜石で楽しむクリスマス サンタとの触れ合い、異文化交流、光の輝き
華やかなイルミネーションに彩られた街、家族や友人との時間を楽しむ季節・クリスマスがやってきた。サンタクロースと触れ合ったり、クリスマスのあれこれを学んだり…。釜石市内でも一足早く、その雰囲気を味わう人たちの姿が見られる。寒空にあたたかみを加える光の造形もさまざま登場。笑顔を広げる市民の様子を紹介する。
サンタ訪問で特別な思い出を
クリスマスといえばサンタクロース。上中島町の市立上中島こども園(楢山知美園長、園児38人)には19日、北欧フィンランドからサンタがやってきた。プレゼントと一緒に届けたのは、元気と夢。子どもたちは“本物”との触れ合いを特別な思い出にした。
赤い衣装に白くて長いひげを蓄えたサンタが登場すると、子どもたちは大歓迎。「何に乗ってきたの?」「どんなパジャマを着てるの?」などと次々に質問した。サンタからお菓子が詰まった袋を受け取った子どもたちは、にこにこ顔。お礼に歌をプレゼントし、「また来てね」とお願いもした。鈴木さくらちゃん(4)は「会えてうれしい。大きくて、あったかかった」と喜んだ。
盛岡市の百貨店「川徳」による恒例企画。フィンランド商工会議所公認のサンタを招き、同店や岩手県内の幼児施設などを回っている。新型コロナウイルス禍で中断したが、昨年から再開。東日本大震災後は沿岸を中心に訪問しており、今年は同園など釜石市内2カ所を訪ねた。
パーティー気分⁉でオープンキャンパス
この時期は学校や大学が特別なオープンキャンパスを開催することも多い。進学を考える学生やその家族だけでなく、地域住民も参加できる場合がある。鈴子町の釜石市国際外語大学校では22日、クリスマスをテーマにしたプログラムを用意し校内を公開。市内外から20人余りが参加し、進学の情報収集や異文化交流を楽しみ、季節感を満喫した。
外語観光学科の学生はクリスマスの意味や歌、楽しみ方を紹介するスライドショーを見せたり、折り紙づくり体験を提供した。折り方を伝える際は終始英語で話し、学びの成果を披露。参加者はサンタやベルを作り、教室の壁面に用意されたツリーに飾り付けた。英語に触れる体験授業も。進学を考える参加者は、先輩学生の様子を見聞きして学校生活のイメージを膨らませた。
日本語学科のネパール人留学生は同国の音楽に合わせたダンスを見せた後、本場の「チヤ」(ミルクティー)を振る舞い、参加者をもてなした。踊りの列を作ったり、チヤを手におしゃべりしたり交流。留学生の中には「クリスマスを祝うのは初めて」という人もおり、触れ合いや分かち合いの季節の中で新たな文化体験を楽しんだ。
街を彩るイルミネーション巡り
冬の夜空を彩るイルミネーションは、クリスマスを盛り上げる演出として定着する。小佐野町では小佐野コミュニティ会館の外壁や通路の樹木がカラフルな照明で飾られ、夜のまちを明るく照らす。
「明るいまちに」と地域の大人たちが願いを込めて継続。近所の子どもたちが訪れ、「きれいだね」と、笑顔という輝きを加えている。点灯は日没から夜明けまでで、来年1月12日までを予定する。
甲子町の菊池秀明さん、陽子さん夫妻(ともに77)は、自宅前の庭で恒例のイルミネーションを点灯している。樹木を模した電飾がいくつも並び、多用した青色の光は雪を表現。「静かな森をイメージ。見て楽しんで心に潤いを」と願う。
文字の表示として、今年選んだ言葉は「共存」。戦争や災害が絶えない世界を思い、「地域をつなぐ光に」とのメッセージを込めている。釜石花巻道路(釜石道路)からも楽しめる輝きは午後4時半~9時半に点灯。来年1月7日までを予定する。
規模は小さいながらもあたたかみのあるイルミネーションが市内に点在している。目抜き通り、住宅街、そして普段は通り過ぎる港、産業・工場地帯でも光の造形が楽しめたりもする。寒い季節の凛とした空気の中で、輝く光を探してみては―。