救急医療週間(7~13日)を小学生が防災無線で広報 7日には「一日救急隊長」としてイオンでPR
9月9日は「救急の日」、7日から13日は「救急医療週間」として、救急業務への理解や心肺蘇生法などの応急手当ての普及を目的とした各種広報活動が行われる。釜石市では釜石消防署が防災行政無線の放送を通じて、市民への呼びかけを行うが、その声を担当するのが市内の小学生4人。7日には「一日救急隊長」として、イオンタウン釜石で広報活動に取り組む。
一日救急隊長に任命されたのは小佐野小の濱田遥可さんと佐藤碧さん、鵜住居小の戸張藍さんと佐々木結萌さん(いずれも5年生)。4人は7月に行われた同市少年消防クラブの消防体験学習に参加したのが縁で同署から声がかかり、「やってみたい」と手を挙げた。
最初の“お仕事”は声の広報。救急医療週間中に防災無線で市民に啓発するため、8月23日、同署で録音作業を行った。広報文は9日に放送する「救急の日」バージョンと7、11、13日に放送する「救急医療週間」バージョンの2種類で、近くで傷病者が出た時の応急手当てについて家族で話し合おうと呼びかけるもの。同署の木村一生救急係長から「大きな声で、ゆっくり、はっきり、気持ちを込めて」とアドバイスを受けた4人は、練習を重ねた後、録音室に入り、マイクの前で“本番”に臨んだ。
録音後は、7日午前にイオンタウン釜石で開く「救急ひろば」に向けた事前学習を行った。当日は来場者に「救急クイズ」に答えてもらい、胸骨圧迫や自動体外式除細動器(AED)の使い方を体験してもらう予定。4人は自らクイズに挑戦し、答え合わせをしながら、木村係長から覚えておくべきポイントを教わった。心肺停止状態の人には一刻も早く、心臓の動きを回復させるための処置が必要で、近くにいる人が胸骨圧迫やAEDの操作をすることで救命率が向上する。4人はクイズ学習の後、訓練用のAEDを使って、操作手順を確認した。
小佐野小の濱田遥可さんは防災無線の録音に「すごく緊張した。文章の頭の文字を意識してゆっくり話すように心がけた。出来は…90点ぐらい?」と自己評価。市内全域に自分の声が流れるのは「ちょっと恥ずかしいけど、聞くのは楽しみ」とはにかんだ。消防の仕事に興味があるといい、一日救急隊長の“任務”も楽しみにする。鵜住居小の佐々木結萌さんは「言葉が続くところが難しかった。普段、(防災無線の声を)やっている人はすごいと思った」と貴重な経験を心に刻んだ。救急ひろばでは「来てくれた人にAEDの使い方をしっかり伝えたい。自分も練習して人を助けられるようになれたら」と意欲を示した。
4人の活動を支える木村係長は「消防が大好きな子どもたちなので、それを全面に出して元気に活動してもらえれば。AEDは誰でも操作できることを子どもたちによって伝えられたら」と期待を寄せる。
【救急医療週間の防災行政無線放送日程】
9月7日(日)午前9時
9月9日(火)、11日(木)、13日(土)午前8時04分
【救急ひろば開設】9月7日(日)午前9時~正午 イオンタウン釜石2階アスビーファム前