若葉台在住小林さん 投打で日本一に貢献 中学生野球チームを牽引
8月に行われた、中学野球最高峰とされる「第18回全日本中学野球選手権大会・ジャイアンツカップ」は、中区を拠点とする「中本牧リトルシニア」の優勝で閉幕。同チームの躍進に、「全国トップクラスの左腕2枚看板」の一角である小林鉄三郎さん(3年・旭区若葉台在住)が投打にわたって貢献した。
「BUNGO賞」受賞
前身の大会を入れると29年ぶりの優勝を狙う中本牧リトルシニアは、小林さんと鈴木陽仁さん(3年)が交互に先発し、準々決勝まで順調に進出。準決勝をサヨナラ勝ちし、橿原磯城(かしはらしき)リトルシニア(奈良県)との決勝に駒を進めた。
決勝は先制され追いかける展開。小林さんは6回からマウンドに上がり、「自分が流れを変えたい」と気合の投球で2回を無失点に抑えた。最終7回、1点を追う展開でチャンスを迎え、打席には小林さん。「繋ぐ気持ちが結果に表れた」と振り返るタイムリーで追いつき、その後のサヨナラ勝ちに繋げた。
小林さんは大会を通して、12回3分の1を投げ2失点。打っては7打数2安打と投打にわたり活躍し、野球漫画とのコラボを記念した「BUNGO賞」を受賞した。小林さんは「チームで最後の公式戦だったが、全員楽しんで戦うことができた」と振り返った。
エースに成長
小林さんが野球を始めたのは4歳の時。3歳上の兄とともに、地元の野球チーム「若葉台リトルバーズ」に入団し、主に投手や捕手としてプレーした。小学5年生から2年間、同チームの監督として指導した山本通広さんは「運動神経が抜群でどんなプレーも上手くこなしていた。優しく協調性があり、チームを引っ張るリーダー的存在だった」と当時を回顧する。
中学1年になり中本牧リトルシニアに入団。「1軍漏れという挫折を味わったこともあった」が、同期の鈴木さんと切磋琢磨しながらエースに成長した。これまで10人ほどのプロ選手を輩出してきた同チームの村上林吉監督は、小林さんについて「速い直球と変化球を交え、打者に的を絞らせない投球ができる。守備中心の野球を作り上げていく中で大きく貢献してくれた」と語る。
「プロを目指す」
大会後も、近所の若葉台公園で練習に打ち込む。今後も高校で野球を続けるとのことで、「高校では投手をメインに、打撃でもチームに大きく貢献できる選手になりたい。その先のプロも目指している」と意気込む。
父の雄之さんは「活躍を見ることができて嬉しい。小さい頃から怪我しない体づくりを考えてきたので、これからも長く野球を続けてほしい」と話す。
中本牧リトルシニアの村上監督は「これまでプロになった選手と同じくらいの実力があり、あとは本人の努力次第。怪我無く活躍してほしい」と期待を込める。