Conton Candy、2025年4月にZepp新宿ワンマン開催へ 自身最大規模のワンマンツアー『melt pop』ファイナル公演レポートが到着
Conton Candyがワンマンライブ『Conton Candy ONEMAN LIVE 2025 “3 PEACE”』を2025年4月4日(金)に開催することがわかった。
Conton Candyは、自身最大規模のワンマンツアー『Conton Candy ONEMAN TOUR 2024 “melt pop”』ファイナル公演を12月14日(土)に東京・Spotify O-EASTにて開催。ライブ中に来春のワンマンライブ開催を発表した。同ライブのオフィシャルレポートが以下に到着している。
Conton Candy ONEMAN TOUR 2024 “melt pop”2024,12,14(Sat)Spotify O-EAST
11月9日(土)よりスタートした、Conton Candyにとって自身最大規模のワンマンツアー『Conton Candy ONEMAN TOUR 2024 “melt pop”』。そのファイナル公演が、12月14日(土)、東京・Spotify O-EASTにて開催された。
Vo./Gt.紬衣(つむぎ)、Ba./Cho.楓華(ふうか)、Dr./Cho.彩楓(さやか)で構成される3ピースロックバンド・Conton Candy。2024年は、結成当初からの人気曲「ロングスカートは靡いて」、バイラルヒットソング「ファジーネーブル」などを収録した1stフルアルバム『melt pop』をリリースし、日向坂46の4期生全員が出演する映画『ゼンブ・オブ・トーキョー』の主題歌を手掛けるなど、バンドのアイデンティティを多くの人に届けた1年だった。アルバムのタイトル『melt pop』には、Conton Candyの「ポップ」な持ち味を見せつつも、世間が抱くConton Candyのイメージや、そもそもの「ポップ」の概念を溶かし、新たなバンドサウンドやスタイルを作り上げていこうとする意志が込められている。『Conton Candy ONEMAN TOUR 2024 “melt pop”』最終公演は、1年間、その意志を貫きながら一歩ずつ積み重ねてきたからこその逞しさが溢れ出た内容だった。
東京公演は、イントロの3人のハーモニーも極上である「TOKYO LONELY NIGHT」からスタート。紬衣は「ここは東京!」「連れていくよどこまでも、最後までよろしく!」と歌詞になぞらえてシャウトし、東京のライブハウスに集まってくれた人たちを引っ張っていく姿勢を見せる。オーディエンスはその想いに返事をするように、勢いよく手を叩いて拳を突き上げる。そして2曲目にいきなり「ファジーネーブル」を投下。ヒットソングに頼らないセットリストで楽しませることを早々に宣言。「ファジーネーブル」で浸透した、ポップでキュートな側面以外も見せていこうとする意志も感じさせた。
「リップシンク」から、彩楓のドラムソロで「baby blue eyes」につなぐと、フロアのクラップはさらに大きくなっていく。ぐんぐんと温度が上がっているフロアに呼応し、バンドの演奏も勢いづき、会場に充満する音の渦が加速する。双子の彩楓と楓華が目と音をぴったりと合わせれば、その日その場の空気に合わせて、音源とは異なるグルーヴを作り上げることができるのだから、Conton Candyのリズム隊は本当に頼もしい。
一気に5曲駆け抜けたところで、3人はツアーを振り返り、終わることの寂しさを語った。紬衣が「自分のことばかり考えて作った曲も、こうやってステージでやって、みんなに聴いてもらって、みんなが涙をしてたり笑顔になったり。そういうのが私の作りたかった音楽なんだなあと気づかされたツアーでした」「もっともっと自分を救いつつ、みんなを救えるようになりたい」とオーディエンスに語りかけてから、「もっと」へ。《これ以上 君と過ごす時間に 明日は来ないのに》という冒頭の歌詞が、ツアーファイナルの寂しい心境とも重なって引き込み、そこに畳み掛けるように「桜のころ」で没入感を高めていく。そこから「花びらと生活音」へと続いたゾーンで、今年筆者が行ったインタビューで紬衣が「飾らない自分を音楽に還元したいと思うようになった」と語ってくれたことを思い出した。紬衣が自然体でステージに立ち、自身の心から溢れ出た歌と、ソングライターとして天才的なメロディを響かせてくれているからこそ、私たちは彼女の歌の深層に触れることができる。加えて楓華と彩楓は、歌を引き立てる柔軟さと自身を魅せる個性のバランスや技術が見事。そうしてConton Candyのライブは歌、ベース、ドラム、すべてに目と耳が奪われていくのだ。
「急行券とリズム」を終えて、紬衣は思わず「超楽しい!」とこぼし、後半戦へ。Conton Candyのロックでパンクな側面がどんどんと露わになり、3人の演奏に帯びるエネルギーが巨大化していく。MCで「死ぬわけでもないのに、もう一生演奏しないのかな?みたいな気持ちで叩いてる」と語るほど全力を注ぐ彩楓のドラムにも、抜群に気持ちのいいフレーズをクールに弾いてみせる楓華のベースにも、曲が進むにつれて喜怒哀楽をどんどんと放出する紬衣の歌にも巻き込まれる。
「ロングスカートは靡いて」の前、紬衣はスポットライトを浴びてギターを爪弾きながら、オーディエンスの顔を見て「私一人だとまだまだ未完成で未熟だけど、そこをみんなが埋めてくれたような気がしました」と話した。「未完成で未熟でも、私たちは歩む足を止めないし、挑戦ばっかりの日々でボロボロになりながら、全部のことに挑んでいきたいと思ってます」と語ってから、2025年4月4日(金)、Zepp Shinjukuでのワンマンライブに挑戦することを発表。
続けて飛び出したのが、「私はみんなとロックスターを目指します」という宣言だ。その言葉で3人とオーディエンスの気持ちがひとつになり、全員で拳を突き上げながら、「ロングスカートは靡いて」をアカペラで大合唱。フロアのクラップがここまで以上に大きくなる。そのままアルバム『melt pop』の中でもっともパンクな「爪」へ。彩楓の2ビートに、紬衣の「かかってこい!」というシャウトが乗っかる。そこからつなげた「102号室」は、ここに集まった人全員の感情を掬い取って、掻き回して、どこか遠くへと放り投げてくれるような演奏だった。
本編の最後に演奏されたのは、「BABY BABY」。紬衣が敬愛する銀杏BOYZの名曲と同じタイトルを掲げ、自身が銀杏BOYZの音楽から受け取ったものを、次は誰かに手渡したいという想いから生まれた一曲。その願いの通り、自分の目の前にいる人たちが《BABY BABY》と大きな声で歌っている景色を見て、紬衣はとても幸せそうな表情を浮かべていた。
アンコールで再びステージに登場した3人は、紬衣が「情けない僕の歌」と紹介した「my JAM」と、アルバム『melt pop』の1曲目を飾る「相槌」を演奏。最後は「誰よりもデカい声で歌ってくれ!」と巻き込んで、「好きなものは手のひらの中」。1回やり切ったあとに「もう一回やっていいですか!」と叫び、紬衣のスタンドマイクをお客さんに向けてフロアに歌わせる。そして最後、紬衣は客席にダイブ! 彩楓の途中の言葉も象徴的だったが、すべてを出し切る勢いでオーディエンスにぶつかりにいって、バンドの音でコミュニケーションを取ろうとするConton Candyはとても勇ましかった。アンコールのMCで紬衣が言った言葉は、「このツアーを悔いなく終わらせるためにここ立ってるんじゃない、次につなげるために立ってます」。今日の汗と笑顔は、Zepp Shinjukuワンマンへとつながっていく。
テキスト=矢島由佳子