斉藤壮馬、野津山幸宏「今いる場所ではないところに行って、違う価値観を体験してみる」#学生の君に伝えたい3つのこと
人生の先輩である著名人の方々から、まだまだ自由に使える時間が多い大学生のみなさんに、“学生のうちにやっておいたほうがいい3つのこと”をアドバイスしてもらおうという連載「学生の君に伝えたい3つのこと」。
今回は
2
月
21
日公開の映画『ヒプノシスマイク
-Division Rap Battle-
』に出演した斉藤壮馬さんと野津山幸宏さんが登場。学生時代を有意義に楽しむためのアドバイスをくれました。
【写真】斉藤壮馬、野津山幸宏の撮りおろし斉藤壮馬、野津山幸宏が<学生の君に伝えたい3つのこと>
1.今いる場所ではないところに行って、違う価値観を体験してみる
――学生のうちにやっておいたほうがいいと思うことはありますか?
斉藤壮馬(以下・斉藤):僕は自分がやっておきたかったことでいうと、日本国外への旅行ですね。自分は山梨県から上京して東京に来たときにすごく世界が広がったと感じたんですけど、それよりも世界は広いはずで、それを時間がある学生のうちに感じておけばよかったなと思うんです。今の学生さんは多分すごく忙しいと思うんですけど、社会人になるとある程度の期間、旅行するという選択はなかなか選びがたくなってきてしまうので、お金や時間に多少無理をきかせてでも今いる場所ではないところに行って、違う価値観を体験してみるとすごくいい学びになるんじゃないかなと思います。
野津山幸宏(以下・野津山)
:まず僕は大学に行ってないので、大学に行っているあなたがうらやましいです(笑)。僕が大学受験しようと思っていたときに塾の先生が「大学は人生のボーナスステージだ。受験を頑張った人たちが得られる幸せな4年間だから、そこで遊び倒せばいいんだ」みたいなことを言っていたので、めちゃくちゃ楽しそうなイメージがありますね。ただ壮馬さんが言っていたように、大人になって本格的に社会に出ると時間とか物理的な制限も出てくるので、とにかく好きなことや学生だからこそできることをいっぱいやって、充実した毎日送ってもらいたいですね。それが将来に活きてくることがあると思います。
2.振り返って「うわ〜、これ青春だね」と感じられることに没頭する
――学生のうちに見たり、聞いたりしておいたほうがいいものは?
野津山
:オーロラは見に行ったほうがいいんじゃないですかね。僕は高校の頃、「オーロラは絶対に見に行け」と先生に言われたんですけど(笑)、オーロラって見られる条件とかが難しいんですよね。でも大人になると、オーロラに合わせて仕事を休めないと思うんですよ。
斉藤:確かに、オーロラファーストはできないよね(笑)。
野津山:できないじゃないですか(笑)。でも学生時代だったらオーロラファーストできると思うんですよ。僕は結構天体とかが好きなのでめちゃくちゃ見に行きたくて。
斉藤:見てみたいね。
野津山:先生はオーロラを見ると「なんて自分はちっぽけなんだって思うよ」と何回も言っていて、そういう自然のエネルギーみたいなものを感じるのにもオーロラは最適なのかなって。タイミングもありますし、結構お金もかかりますけど、それだけの価値があるんだろうなと思います。僕もいつか見に行きたいですね。
斉藤:ちょっと質問から逸れてしまうかもしれないんですけど、自分も大学生のときにいろんな映画を観たり、いろんな音楽を聞いたり、本を読んだりしたんですけど、その同時代性というか、現役の大学生の方たちにしか感じられないものがあると思うんですよ。例えばですけど、僕らのときにBeReal.はなかったですし。僕は大学生の年齢からすると10歳以上離れていて「自分のときはこうだったよ」と話すのも意味がなくはないと思うんですけど、今はみなさんが10年後とかに振り返って「うわ〜、これ青春だね」と感じられることに没頭したほうがいいんじゃないかなと思っていて。それでもなお見たほうがいい映画や聞いたほうがいい音楽を知りたければ、(斉藤さんの所属事務所の)81プロデュース宛にご連絡いただければ、可能な限りお返事できるようにしますので。
野津山:マネージャーさんがびっくりしてますよ(笑)。
斉藤:ちょっとここから先は有料コンテンツになってしまうんですけど(笑)。まずは今当たり前だと思っているものを楽しんでみたらいいんじゃないかなと思います。
3.勉強にだけ立ち向かえる期間は学生のときだけ
――ここまで経験した中でやっておいてよかったと思うことはありますか?
斉藤:歯列矯正をしておきたかったなとか、やっておけばよかったなと思うことはいっぱいありますけど、もともと僕は運動がすごく苦手というか、あまり好みではなかったんです。でも1年半くらい前からジムに行ってトレーニングをするようになって、それは非常によかったと思いますね。単純に自分の体が変わっていくという達成感もそうなんですけど、やはり健全な精神は健全な肉体に宿るのだなと。僕の精神が健全かどうかはわからないですけど(笑)。運動は大変ではあると同時に心地良いものでもあるんだなという気づきが遅ればせながらあったので、適度に体を動かすことは非常に大事だなと思います。
野津山:勉強をやっておいたほうがよかったなと思いますね。僕は勉強が嫌いで逃げてきて、でも勉強にだけ立ち向かえる期間って学生のときだけだったなと思うんです。社会に出てもやろうと思えばできますし、職業によっては勉強し続けるのかもしれないですけど、因数分解に真剣に向き合う時間というのは今だけだと思うので(笑)、しっかりとやっておいたほうがいいと思います。
『ヒプノシスマイク』は新しいことに果敢にチャレンジしていく作品
――2月21日にはおふたりが出演する映画『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』が公開されます。観客の投票によって内容が変化する日本初のインタラクティブ作品ですが、その内容について聞いたときはどう思われましたか?
斉藤:率直にどういうシステムで成立させるんだろうと興味が湧きましたね。ただ『ヒプノシスマイク』は作品の性質上、勝ち負けが決まったり、オーディエンスの反応を受けてルートが分岐するという話ではもともとあったと思うので、それが一番納得できる形でというか、一番成立する形で導入されるのかなと非常にワクワクしたのを覚えております。
野津山:きっと次のバトルも今までと違う方法でやるんだろうなと予想はしていたんですけど、映画と聞いて本当に驚きました。壮馬さんがおっしゃったように最初はどうやるんだろうと考えましたし、日本初というのも『ヒプノシスマイク』は相変わらず新しいことに果敢にチャレンジしていくんだなと思いましたね。そもそも映画館ではスマホの電源は切らなきゃいけないですから、そこから斬新ですよね(笑)。みなさんにも早く体験してもらいたいです。
――映画ならではの面白さやファンの方に楽しみにしておいてほしいことはありますか?
斉藤:やはり真剣勝負のバトルを劇場で楽しみながら、観ているみなさんも能動的にその戦いの結果に関与できるというのはすごく面白いなと思いますし、楽曲については我々もレコーディングである程度、把握はしていたんですけど、作品を観ると映像のクオリティが非常に高くて。個人的にはオープニングに使われた曲について、こういうふうに映像にするんだという驚きがあったので、音楽のみならず、映像はもう全編必見だなと思いましたね。
野津山:キャラクターのちょっとした仕草も本当に細かくて生きている感じがするなと思ったので、楽曲はもちろん、映像でキャラクターたちが動くことも存分に堪能していただきたいです。楽曲やミュージックビデオは何度もご覧になっていたり、聴いていただいていると思うんですけども、映画というまた新しい形で目と耳で楽しめる機会ですので、ぜひ隅々まで観てほしいなと思いますね。
お互いに口に出さなくてもわかるみたいなところがチームの一番の魅力
――作中では白井悠介さん演じる飴村乱数、斉藤さん演じる夢野幻太郎、野津山さん演じる有栖川帝統によるFling Posseの新曲「バラの束」が披露されています。レコーディングで印象的なこと、楽曲について注目してほしいポイントはありますか?
斉藤:これまでいろんな楽曲を歌わせていただいてきたんですけど、自分個人の感覚としては体に馴染みやすい曲と難しい曲があって、「バラの束」に関しては一回聴いただけでフックを覚えてしまうくらいのキャッチーさ、訴求力がある楽曲だなと思いました。Fling Posseの歩みを思い出してエモーショナルな気持ちになってしまう素晴らしさがありますし、これまでの曲の中でも3人の掛け合いパートが多いと思うんですよ。なので、Fling Posseのわちゃわちゃしている、ユーモラスな部分も感じてもらえたら嬉しいなとは思いますね。
野津山:これはもう、僕にとっては忘れられない曲です(笑)。今までいろんな楽曲を歌わせていただいていたんですけど、今回が一番苦戦した楽曲でおふたりに「もう大変でした〜!」と泣きつきの連絡をして(笑)。レコーディングに(楽曲を手がけた)KREVAさんが立ち会ってくださったんですけど、バチバチにディレクションしていただいて、その過酷なレコーディングを乗り越えて完成した楽曲なのですごく思い入れがありますね。さっき壮馬さんが言ったようにみんなが入り交じりながら、お互いのバースの韻を踏みながらラップをしてくのがすごい小気味いいし、心地よくて、劇場で乱数と幻太郎と帝統が歌っている姿を観ながら「野津山さん、頑張ったんだな」と聴いてもらえたら僕はもう本望です(笑)。
斉藤:僕と白井くんはKREVAさんのディレクションをいただいて非常にいいものができたんじゃないかという手応えがあった中、のづくんはちょっと大変だったという話は聞きましたね(笑)。でも出来上がった帝統のラップは本当に素晴らしくて、ディレクションあっての結果なんだろうなと思います。非常に素敵な楽曲になりました。
――Fling Posseのチーム感やチームワークを感じるのはどんなときですか?
野津山:白井悠介さんも斉藤壮馬さんも声優業界でも大先輩に当たるおふたりなので、こんなことを僕が言うのはおこがましいんですけど、きっと乱数も幻太郎も帝統もFling Posseを居心地がいいチームだと感じていて、実際の僕たちもそう感じていることがいいチームになってく秘訣なのかなと思いますね。お互いに口に出さなくてもわかるみたいなところがあって、そこが一番の魅力かなと思います。
斉藤:本当に、のづくんの言う通りだと思いますね。ことさらに仲の良さを強調したり、みんなでごはんに行くという形とはまた別に、「とりま Get on the floor」という曲の歌詞にもあるんですけど、あえて言葉にしなくてもなんとなく同じ感覚を持っている3人というか。だから打ち合わせをそこまで厳密にしなくても、出たとこ勝負でパフォーマンスをすると噛み合うという信頼感と安心感がすごくあるなと思いますね。白井くんはいてくれると大体なんとかなるだろうと思える存在ですし、のづくんは3人の中でも一番バランスを取ってくれて、そんなふたりと一緒にいられてとても居心地がいいなと自分も思っています。
PROFILE
斉藤壮馬
4月22日生まれ、山梨県出身。主な出演作に「るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-」(緋村剣心役)、「七つの大罪 黙示録の四騎士」(キオン役)、「ハイキュー!」(山口忠役)、ブルーロック(千切豹馬役)、「思い、思われ、ふり、ふられ」(乾和臣役)などがある。
PROFILE
野津山幸宏
12月24日生まれ、大阪府出身。主な出演作に「東京リベンジャーズ」(林良平役)、「終末のワルキューレ」(ヘイムダル役)、「パリピ孔明」(佐々木役)、「ブルーサーマル」(浅野目和茂役)などがある。
映画『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』2月21日(金)全国ロードショー
2017年9月に始動した音楽原作キャラクターラッププロジェクト“ヒプノシスマイク” 総勢18人の個性豊かなメインキャラクターが「イケブクロ・ディビジョン」「ヨコハマ・ディビジョン」「シブヤ・ディビジョン」「シンジュク・ディビジョン」「オオサカ・ディビジョン」「ナゴヤ・ディビジョン」の6チームに分かれ、熱いラップバトルを繰り広げる。 バトルを彩るラップミュージックには、日本のヒップホップシーンを牽引するラッパー・トラックメーカーがクリエイターとして参加。様々な楽曲を声優が演じながらラップすることにより、音楽を軸に各キャラクターのストーリーが展開していく。
https://hypnosismic-movie.com/
取材・文/東海林その子
撮影/米玉利朋子