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自分の代で「墓じまい」“その後”の方法が今はこんなに!増える供養のカタチ

Sitakke

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「終活」という言葉がめずらしいものではなくなった、人生100年時代の今。

大切な人だからこそ、「最期」や「いなくなったあと」を想像することはどうしても後回しにしてしまいがち…。
だけど、大切な人だからこそ、大切に考えたい、大切なことが「終活」には詰まっています。

連載「親の「終活」を考える」では、Sitakke編集部も自分事で「親世代の終活」に向き合います。

親族のお墓、自分の代でどうしよう?

いま「墓じまい」をして、供養の形を見直す人が増えています。
さらに「墓じまい」をしたあとには、合葬墓に遺骨を入れたいというニーズも。

札幌市では、埋蔵体数が増えてきているため、合同墓・合同納骨塚が3年後にはいっぱいになると予測されています。

今、北海道内で急速に増えているという「墓じまい」。その背景を調べました。

北海道札幌市から車で約1時間。三笠市にある『北海道中央霊園』です。

実は、利用者の約8割が札幌市民。この霊園で増えているのが、これまでのお墓を墓じまいするなどして、遺骨を別の場所に移す『改葬』です。

北海道内では、墓じまいを伴う「改葬」の件数が、この10年で2倍以上に増え、年間1万2000件を超えました。
これは全国最多の数です。

この霊園でも、10年前には年に5、6件ほどだった『改葬』が、いまは年200件を超え、毎日のように相談が入るということです。

この日も3組の利用者が、地方の霊園で墓じまいをして、その遺骨を納めに訪れていました。

実家があった夕張市のお墓を「墓じまい」した谷垣さんはこの日、両親など9人分の遺骨を納めました。

「無事納骨できましたので、これでちょっと一安心。少し肩の荷が下りた…。改葬のいちばん大きい理由は、私のあとに墓を面倒見て守っていく人がいない」

谷垣さんは3年間悩んだ末に、親族とも相談し、墓じまいを決断。
自分や親族が行きやすく、永代供養で将来も管理の心配がないこの霊園を選びました。

霊園側が「改葬」の手続きをサポートしてくれるのも決め手のひとつでした。

谷垣さんのように、お墓の”後継者問題”から、墓じまいを考える人が年々増えています。

北海道中央霊園の武田理事長は「子どもが北海道内にいない方も多いですし、少子化の影響で子どもがいなかったり、一人っ子で女の子しかいなかったりして墓を守っていく人がいない。こういうケースはどんどん増えていくと思いますし、しばらく続くのではないか」と分析します。

さらに、北海道ならではの「お墓事情」も拍車をかけているといいます。

「『先祖代々の墓』といっても何百年も前からつながっている人も少ないし、寺と何代にもわたってお付き合いしていることも少ない。比較的スムーズに墓じまいできる環境にあるのではないか」

こうした「墓じまい」のニーズが高まる中、遺骨の引っ越し先となるお墓も、合葬墓や樹木葬、散骨など、多様化しています。

「家にあるお墓」のスタイルが

さらに、こんな供養のスタイルも…。
札幌市の仏壇・仏具店『誠心堂』が去年から販売している「わがやのおはか」です。

本物の墓石を使った小さなお墓の中に骨壺があり、遺骨を納めることができます。
「家の中にあるお墓」として、毎日お参りできるのが特徴です。

小さな墓石から小さな骨壺が出てくる

誠心堂店舗運営課札幌地区の須藤伸敏エリアマネージャーに販売の経緯を聞きました。

「お骨を身近に少量でも残して自由な形で供養したいという、お客様の多様化するニーズに応え、思いを形にするために、墓じまいのあとの供養の場所として販売するようになりました」

仏壇を処分する人も増える一方で遺骨を身近においておく『手元供養』の商品が増えていると言います。その理由については。

「『息子娘たちには仏壇を引き継がせない』という親の声はかなり多い。お墓も持っていないけど遺骨は少量持っていたいとなると、こういう『わがやのおはか』みたいな形に供養のしかたは多様化、変化している」

「仮想霊園」も登場

さらに、こんな供養の方法も登場しています。
インターネット上に作られた仮装空間「メタバース」の霊園なんです。

手がけたのは埼玉県の冠婚葬祭に関する事業を手掛ける「アルファクラブ武蔵野」。
スマホ、パソコンからアクセスできて、海外からでもアクセスできるそうです。

マイルームという部屋のようなものを作って、そこに故人の写真や動画を飾って、友人や家族と集まって、供養できます。

手を合わせられる

同時に30人までアクセスして、文字のチャットや音声で会話もできるそうで、故人との思い出をしのぶことができます。登録は無料です。

時代とともに変化している供養のスタイル、これからどうお墓を引き継いでいくか、さまざまなカタチを知っておくことで家族でじっくり話し合うきっかけにしてみてくださいね。

連載「親の「終活」を考える」

文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい

※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2024年9月24日)の情報に基づきます。

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